17. 緑の閃光
紅蓮の炎に包まれ、ギーガは動きを封じられた。
「焼けろ焼けろ、焼け焦げろ!」
ダーツンは笑いながら背中の剣を抜く。
ヘビンは灼熱に耐えられず、岩場に逃げ隠れた。
「黒焦げになりながら聞け、ギーガよ。俺はたしかにラモンさまに呼ばれたが、もはや姿なき御大の後継ぎは俺しかいない。俺がラモンさまの意志を継ぎ、新たな魔申王となる。そのためには、そうおまえのような強者は邪魔だということだ!」
「……くっ、ダーツン!」
「だから正体を現せギーガ。おまえはオルガに操られる尖兵だ」
その時はるか頭上から降下してくる緑の閃光。
いよいよ剣を振り上げたダーツンの胸元に襲いかかった。それは再びギーガを救う者。
炎の中からギーガが叫ぶ。
「ゼロウ! 来たのか?!」
光の粒子が不器用そうな旧型カラクリアンを形作る。そしてちょんと尖った頭をギーガに向けた。
「ギーガ! また会えたね!」
「おまえ……も、ラモンさまに呼ばれて?」
「え? いや違う。あんたを追ってさ」
「何故だ。何故そこまで」
「……う、うーん。あんたには、未来があると感じて、かな」
「未来?」
「オレなんか古くていつ廃棄されるかわからない。だから、あんたみたいな新型に、何かを託せたら、なんて思ったのさ」