14. ゼロウも洞穴へ
一方、ギーガのあとを追っていたゼロウは、神殿への列を外れて断崖に横たわるリードンを発見していた。
シープスからぴょんと飛び降り、ゼロウはリードンの様子を窺う。
「大丈夫かい、キミ。たしか、ギーガを乗せて行ったキミだろ?」
「……あ、ああ。そうだ。俺はリードン。推進ユニットがいかれてな。磁気の乱れのせいだろうが、なんとか大丈夫だ」
「ギーガは?」
「うむ。……この崖の奥に入ったきり帰ってこない。通信も途絶えてしまった」
「そうか……」
ゼロウはリードンの肩を撫で、シープスに手を上げて彼のことを任せた。
やがてゼロウは光輝く謎の洞穴を発見する。
穴に引き寄せられるような不思議な感覚。
まばらに空間が捻じ曲がり、金属の身体を軋ませる。
「う……う……、まさかギーガもこの穴の中に?」
リードンとシープスにそのことを告げるゼロウ。シープスは言った。
「不吉な風が吹き荒れとるぞゼロウよ。まるでラモンが呼んでいるようじゃ」
リードンも落ち着かない。
「ギーガは頑なにラモンを信じている。彼は真っ直ぐすぎるんだ。ゼロウ、力を貸してくれ」
ゼロウはうなずくと臆することなく穴の中へ飛び込んだ。




