1. ゼロウとシープス
緑のボディにゴーグル、赤い顔のゼロウは解体修理屋だ。
彼は見捨てられた星カラクのロボット。千年も活動してきた旧型〝カラクリアン〟である。
もともとオーバーホールの設備機械だった。
星が見捨てられたあとも、同じような自立歩行の仲間たちと共に暮らしてる。
ゼロウは両手の指間腔から放出する〝ナノ・レンチ〟で仲間たちの修理に勤しむ。
星の維持のために働いてきた者、廃棄に追いやられ逃げてきた者、生存競争においての戦闘で負傷した者たちのことを、彼はよく知っている。
よく知るうちに、いつしかゼロウに『心』が芽生えた。
胸の従事回路に手を当てゴーグルを上げ、ゼロウは空を見つめた。
どこまでも高く広い空の青に癒される。
そして巨大なシープスが漂っている。
雲のようなまん丸い相棒の、次元飛行船シープスが。
* * *
それははるか未来のおとぎ話……。
【もくじ】全30話。
1.ゼロウとシープス
2.魔申王ラモン、ゼロウとギーガ
3.ギーガ
4.魔申狩り
5.電光石火
6.リセット
7.次元飛行船シープス
8.ラモンの過去
9.謎の洞穴
10.異世界
11.風のラモン
12.宇宙居留地カラク
13.神オルガの理想郷
14.ゼロウも洞穴へ
15.ダーツンとヘビン
16.最強ダーツン
17.緑の閃光
18.ギーガの時間制御
19.力尽きる二体
20.土器たち
21.幸福とは
22.再びダーツン
23.魔申王の威風
24.ヘルズ・ボム
25.愛機リードン
26.ラモンvs.ゼロウ
27.ギーガの怒り
28.自制回路
29.神と繋がる
30.デシレの実