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第三十三話 現在

 現在、2224年──

 3月、定期報告。

 鉢谷達也はプロコーチにはなれないまま今もフリーターとして生活をしている。プロコーチ試験を追加で受ける様子は無い模様。近いうちに監視対象を解除。

 金田麗華はパドミニに入社し現在は見習いとして活動中。今日までにWPSに関する情報を発信していなかったことから監視対象を解除。


 4月、定期報告及び緊急事態の発生。

 鉢谷達也が白華女学園ワープリ部にてアマコーチとして活動を始める。

 野茨鈴花が白華女学園ワープリ部に入部。両名の接触を確認──

 白華OGの報告によれば状況は複雑な模様。

 廃部の危険性があり5月の練習試合によって結果が決まる。調査に向かう必要あり。


「結果はどうでした?」

「はいぃ、問題無さそうですぅ。記憶が解放された様子はありませんでしたぁでもまさか件の彼がここにやってくるのは流石に予想外でしたねぇ。ワープリを含めて記憶の鍵が二本もあった状態なのに」

「戻った上でそのままの可能性は?」

「いやぁ~それは考え難いでしょう。当時の大変さは東雲ちゃんから聞いてますし、何かしらの異変があれば見つかりますよぉ」

「そうですか……しかし、ワープリを辞めさせるべきでは?」

「加藤さん、3年程でも父親みたいになりましたねぇ。わたしの旦那と似たような声色していましたよぉ。ひょっとしたら離れてから大切さに気付いたとか?」

「からかわないでください」

「すいません。でも、今は信じてみましょうよぉ。ずっと笑顔でプレイしていますよ」

「そうですか……ありがとうございました椿(つばき)さん」

「はぁ~い──」


 まさか白華ワープリOGというよりWWP委員会として見守ることになるとは思ってもみませんでしたねぇ……あれ? もしかしたらこれからは私が定期的に視察に向かう必要が?

 

「はぁ~……無事に撤回できて良かったし。これもコーチーのおかげっしょ」

「いや、皆ががんばってくれたおかげだ」


 一度途切れた絆は別の形で繋がった。記憶は戻らずともお互いに信頼し合っているようにも見える。

 ワープリの評判が地にまで落ちた白華に特待生で合格。

 片やプロコーチ試験に落ちてフリーター。

 完全に交わることは無いと思っていた。

 それがこうして交わるんだから人生は不思議だ。世界の修正力というか縁は切れないと信じるしか無い。

本作を読んでいただきありがとうございます!

これにて終了です。

多くは語らない、本編の二人と比較すれば味わい方がまた変わってくるでしょう。


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