第41話 イベントの終了と思わぬ出会い
さて、普通は結果発表の場に転送!・・・・・・の筈である。が、何故か自分だけ別空間に!うん、知ってた!そして、今、目の前でにこやかに笑ってる老人も知ってる!
「ドーモ、ファンタジーゲートオンライン運営会社社長、神座=サン」
「はっはっはっ!アンブッシュは1回まで許されるんだったかな?楽しんでるかい、若人?」
探り入れるつもりだったが、このノリ、間違いなく、ファンタジーゲートオンライン運営会社社長の神座 明人その人である。何度か取材写真とか新聞で見たから間違いない。間違いであって欲しかったのが本音なんですけどね!
「ええ、楽しませてもらってますよ、もう一つの地球は」
あえて、もう一つと言う所を強調する。そう、ここは地球では出来ない事が出来る。それに疑問を持った者は居ないだろうか?居ない筈もない。例えば、難しい心臓の適合・移植手術があったとする。心臓のデータをアップロードし、患者にログインしてもらえば適合する心臓を見つけ、最適な手術時間などを計る事が出来るし、どのように縫合・移植すればショックが発生しないか?等もゲーム内の時間を引き延ばせばいくらでも検討出来る。
「なるほど、あのスキルの持ち主は大変聡い人物にもたらされたと言う訳だ」
ニヤニヤしながら、それでいて鋭い眼光。なるほど、ますます本人だ。色々聞きたいところだ。さて・・・
「スポーツ選手を社員かあの運営長に命じて、お試しでログインさせた時から、成功を確信してましたね?そして、選手には詳細に関してのある程度の口外無用を命じた」
「人間は秘密の部分が緩いほど話してくれるからね、外に」
そう、あの一発逆転劇すらも、この人の計画通りと言う訳だ。難しい、当たり前である。ここはなんでも試せる地球なのだから。条件が厳しい、スキルの取得がしんどいは当たり前である、何故なら、リアルな人間の行動の結果なのだから。
「「そして、それは国に伝わる」」
同時に同じ言葉を話す。ぐぬぅ、流石はゲーム界のトリックスターだ。要するに、現実ではとても解決が難しい困難をゲームの世界で試せると気づく者は気づく。そして、それは国家事業にもなり得る。
「そして、貴方の目論見はこのゲームの成功から最終段階に移った」
「イエス!」
最終段階とは言うが、単純である。彼はゲーム会社の社長。つまり・・・・・・
「ゲームらしくとんでもないモノを作れるスキルでドタバタ劇ですか」
「スキルに関しては取得者は完全にランダムだったがね。それが正解だったようだ」
ゲームらしくするための下地だったと言う訳だ。そして、それは同時に何でも出来る世界と言うものを隠すカモフラージュでもあったと言う訳だ。そらね、こんなバカげた装備作れる鍛冶の物が流れる裏で様々な事が出来る世界で、国家とかが動いてるなんて誰も警戒しなくなるでしょ。そして、同時に国家からの接収を防ぐと言う訳だ。
「貴方の狙いはそれだけ?」
「やはり、聡い。そう、それだけではないが、その答えはゲームで知ってもらうとしよう。それではね」
ちっ、時間切れか。だが、確かに彼が存在するという事は理解したぞ。だから、ここに呼んだんだな!
「ははははははは!では、楽しみたまえ、若人!」
パチンと指が鳴らされると、自分は結果発表会場に居ましたとさ。ちなみに、自分のアバターは最初からここに居て、MVPに選ばれたらしい。ぐぬぅ、その発表の場に居たかったな、こんちくしょう!
「ふ~む、そうだね、まず結論から言えば、充分にあり得ると言うか、私と妹はその可能性を考えていた。だが、考えていただけに留まっていた。」
あれから翌日、とりあえず、記憶消されたりして無いという事は話しても良いという事だろう。イベントでのクランリーダーを集めて、社長との会話内容についてと自分の予測を話した後でのリュウカさんの言葉がコレである。
「しかし、あり得るのか?」
流石のラインを始め、クランリーダー達は困惑気味である。まあ、ゲームの裏で国家事業クラスの出来事が働いてるかもしれないなんて信じられんわな。
「だって、あの社長やぞと言う冗談はさておき」
『シャレになってねえ!』
総員からのこのツッコミである。ホント、あの人、色々伝説残してるからなあ。実は天界に住んでいると言うエイプリルフールジョークが全世界で信じられた程である。まあ、さておき・・・さておき!!!
「実際、例を出すと、何をやっても、それが何度失敗してもいい世界だぞ、ここ。成功するまで試行錯誤できる世界だ、トンデモねえ」
ラインの言う通りだ。いや、本当に口に出すと、とんでもない。勿論だが、技術の躍進でVR空間による・・・例えば、手術のテストは今の技術ならば可能だ。実際にそういう試みは行われている。だが、ここは全てがリアルな世界なのである。患者の状態、思わぬ副作用は勿論、助手の選定を決める事も本人かデータさえあれば完全再現が可能だ。患者に関してもログイン、もしくは登録するだけだから負担が無い。VRヘッドセットが身体データなどを全て登録してくれる。
「だけど・・・」
リュウガさんが続ける言葉は察しが付く。ああ、だが・・・
「私達には何の影響もない。だからこそ、気になる。本当にそれだけだろうか?とね」
『・・・・・・・・・』
自分を含め、誰も答えられない。答えが無い訳ではない。だが、それが合っているのか間違っているのか、そういう意味での躊躇がずっと引っかかっているのである。う~む?と全員が考えた時、それは来た。
<<同時刻 ファンタジーゲートオンライン開発室>>
「何?!」
イベントを終え、さて、一息という所にそれは現れた。更新プログラムとイベントプログラムである。
「これはまた・・・」
秘書である彼女も呆然としている。それはそうだ。社長からのアップデートであろうその題名は開発室を騒がせるのに十分な題名だったのである。その名は・・・
【ニューアップデート 異星からの来訪者・異星より来る者】
だったのである。
さてさて、社長の目論見の一つは上位プレイヤーの集まりによって看破されました。しかし、まだ狙いもあるようで?なんとなく、アプデの目的も分かるかな?




