第38話 防衛イベント 2日目 ケット・シーの国
ちょっとだけ長いです
<<イベント 2日目 ケット・シーの国 近郊>>
「ヘイ、ライン、見えてる?」
『見えてる。見たくないけど見えてる』
「ヘイ、皆の衆、見てる?」
『見えてま~す。見えてほしくないけど!!!』
2日目はモンスターラッシュが確認出来てないのでおかしいと思ったんだ、思ったんだよ・・・・・・
「大猿と大鳥で融合!空も飛べて大地も疾走出来るボスの出来上がりってか!ふざけんな!バカ社長ォオオオオオ!」
ケット・シーの国から提供されたロボに乗ってるコウガさん、ファスから提供されたロボに乗ってるラインも頭を抱えている事だろう。このケット・シーの国のロボのデータから巨獣は1体だったはずだし、巨獣の種類も違うんだが、よく考えると、1日目のロボを持ち込める2日目の世界なんだよね。1日目の巨獣が2体出現するのはおかしくない。おかしくないけど、巨獣と巨獣で融合はおかしいやろ!!!
「空も飛べる、大地も人間以上に疾走する・・・・・・いや、正しく防衛戦だけどさあ!」
あの社長、ゲーマー心理読みすぎだろ、チキショウメ!面白いです、ありがとうございます!どういう事か?簡単だ。街に近寄らせたくないのに、妨害に一度でも失敗すれば最速で街に最も近づく事が出来る形態で油断出来ないと言う事だ。巨獣の種類も違うから、油断出来ない要素はまだまだあるって事だ。
「だが、作戦は変更無し!ライン、コウガさん!」
『『応っ!』』
ゴウッ!と音がすると、ブースターの加速で一気に巨獣に近づく。しかし、巨獣は飛ぶ。が、それは予想通り!
『飛んだな!食らえっ!』
ラインのロボが竹そのものを何本も纏めた、名付けて巨大竹槍を巨獣にぶち当てる。勿論、ちゃんと作成した竹槍だから飛んでる敵に必中。更に墜落のデバフが束ねてある分、多重でかかるので・・・
『ゴァアアアアアアア?!』
ズゥンッ!と地に落ちる巨獣。自分が1日目の結果から危険と感じたのはルフ鳥デザインの巨獣。勿論、空を飛ぶと言う巨獣のデータを見た瞬間から、空を飛んで街に降りられたら溜まったものじゃない。そう考えて、作った物である。トウ・キョウの竹林の一部、少し剥げたけどね。うん、まあ、尊い犠牲と言う事で!
『ゴァアアアア!!!』
そして、更なる予想は当たる。落ちてHPバーが半減した所で現れる3匹目の巨獣。多分、白虎を模した虎型。更に、当たり前のように融合する。ちなみにこいつは、ケット・シーの国のロボに登録されていたタイプである。1日目に見た猿、鳥が出るだけの訳ねえよなあ!そして、下半身が虎の融合巨獣が出来上がると・・・・・・マジ、読み合いの連続である。
「レイン、リュウカさん!」
「魔法部隊!」
「砲台部隊!」
「「撃てっ!」」
ズガガガガ!と言う音と共に煙がもうもうと舞う。巨獣に対し、それなりのダメージは与えられるものの、致命傷には程遠い。だが、狙いはダメージではない。あくまで、融合巨獣の足止めだ。
『行くぜ!』
『食らえっ!』
ああ、アレ、自分が乗ってやりたかったなあ。いや、回避や戦闘関連スキル上げてないから無理だけどさ。
『『ロケットパーーーーーンチ!!』』
ロボット2体、計4本の腕が飛んでいく。いや、もうね、男達の目ェ、キラッキラよ。なにせ、漢の浪漫ぶち込んだ上に誰もが憧れるロボのロケットパンチの合体技だ。絶対何人かスクショと録画して自慢するだろうね。うん、自分もやるけどね。
『ギィイイイイイイ!!!』
それでも、体が浮かずにロケットパンチをHPバーが削られつつも受け止める巨獣。だが、これは予想出来たかな?社長!
『ギッ?!』
『さあ、お前は!』
『何発まで耐えれるかな!』
『『ロケットパーーーーーーーンチ!!!』』
新たにパイロットのアイテムボックスを介して現れたロケットパンチが飛ぶ。別にロケットパンチが両腕飛んだからって、1発づつとは決まってないよなあ!まあ、パイロットのアイテムボックスのスタック数までなので一応限界はあるがね。使った鉱石の総量と使った資金?聞くな・・・
『ギュアアアアアアアア?!』
融合巨獣がズゥンと地に落ちてバーが割れたが油断はしない、するはずがない。何故なら・・・
『『ゴァアアアア!!!』』
「空の方はコウガさん、残りはラインと部隊で討伐!」
『『『了解!!!』』』
鳥の方はコウガさんに任せたのには訳がある。奴は地上とは違い、空を飛び障害物なく街に近づける。そして、コウガさんの機体は虎を相手にする為に最適化されている高機動型でブースターを付けたとはいえ、追いかけるので精一杯である。なのに任せたのはどういう訳か?
『後ろを見せたな!追いつけなくとも追いかけられて、武器を届かせる位置に居る事が出来るならば十分だ!スキル、ネックハント!』
ネックハント【特殊打撃スキル】:背後から首を狙う致命の一撃を放つ。ただし、完全背後、相手がこちらを向いていない場合以外は不発となる
通常の戦闘においては最も使用に向いていないスキルである。だが、今回のような逃走型、もしくは愚直に目的を果たそうとする敵には最も有効的なスキルである。
『貰ったぁ!』
『カッ?!』
そして、食いしばりスキルが残り何回であろうとも、首を狩る、もしくは真っ二つにされれば発動しない事も確認済みである。よしよし、今回、最も大きい脅威が減ったな。
「ライン、気を付けろ、こっちが本番だぞ。レイン、リームは検証班に指揮権を渡して、戦闘から離脱後に監視を頼む」
『「「了解!」」』
さあて、ここからが情報の取捨選択が大変なお時間です。読み切ってやるぞ、社長!
『ふっ!』
ラインが総オリハルコン製の鉄の塊ソードで唐竹割りしようとするが回避する。続いて更に踏み込み横に薙ぎ払うがやはり回避する。
「OK!ライン、そのまま続けてくれ!コウガさんはそのまま町の前で待機!」
『おう!』
『了解です!』
まずこれで、この街に巨獣は近づけなくなった。何故か?敵は学習している。これに尽きる。空を飛ぶ巨獣が討伐された以上、奴は地を走っての到達しかない。そして、鳥の討伐の瞬間を見ている。簡単に背を向けれない位置にコウガさんを配置している。更に、1日目の攻撃を学習しているのか、剣を大きく回避している。
『ゴァアアアア!』
こうなると、巨獣は目の前の敵を倒すしかないのだが、1日目に巨獣を真っ二つにした剣を持つ剣士系プレイヤーが操るロボが居る。搦め手で倒すしかない。そうするしかないからだ。
『ふっ!』
一瞬の攻防あったが、巨獣の攻撃をかわしたラインのロボの一閃が上半身を深く斬り、HPバーを完全に割る。
「「魔法部隊!ファイアーストーム連打!!」」
自分の視線に頷いたリームとレインが頷くと同時にリュウカさんとリュウガさんが指示を出す。魔法の炎の竜巻がいくつも倒れ込んだ巨獣に襲い掛かる。
『ギュァアアアアア?!』
絶命した本体から、本来なら聞こえない筈の下半身から絶叫が聞こえる。思った通りか!
「リュウカさん!リュウガさん!」
「分かっている!レイン!HPバーはどうだ!」
「ウッドの予想通りに上は完全に沈黙、下は回復しているわ!それでも、全快時の半分だけどね!」
リュウカさんの言葉にそう答えるレインに頷くとリュウカさんは砲台部隊で上半身はだらりとしながらも走る下半身に向けて攻撃させる。どういう事かは簡単だ。
「融合したように見せかけて、バーが1回割れた後は各部位が独立してたって事だな。最初に割れたバーは融合された状態って事か、にゃろう・・・」
なので、あえて、レインとリームを戦闘から外し、見に徹させたのだ。すると、HPバーが2つである事をメッセージで送ってきた。つまり、上半身は発狂モード、下半身はあえて移動のみを行いながら自然回復していたと言う訳だ。そして、鳥は一直線に街を目指し、勝利条件を達成しようとすると・・・いずれも、普通のゲームなら、終わったと思う所からの不意打ちである。本当に意地が悪いな、社長!
『貰ったぁ!』
ザシュッと下半身のHPバーを割ったラインのロボが剣を引き抜くと同時に自分が走る。
「トドメだぁ!」
自分が投げた剣、ダメージ1を確実に与えるエクスカリパーが下半身に刺さる。すると・・・・・・
【ケット・シーの国の防衛に成功しました。ケット・シーの国に襲い掛かる災厄が取り払われます】
やはり、食いしばりを残してたか。ここまでは予想通り。絶対これだけじゃないと確信がある。ほら、来た!続きのアナウンス!
【エルフの国への転移及び救援に向かえなくなりました。あちらの戦闘が終わるまでお待ちください】
デスヨネーーーーーーー!やると思ったよ!!!後はあちらにお任せだな。だが、こちらにはやれる事はない、待つしかないと思っているのは浅はか愚かしいぞ!
2日目の1つ目の町の防衛に成功!色々意地が悪いのに面白そうだから困ります。いや、ホントこういうゲームやってみたいなあ




