第37.5話 その頃の運営
パソコンにトラブルがあって、こんな時間に公開です、申し訳ない
<<初日開始時 運営管理室>>
「そう、そう来たかぁあああああああ」
自分の言葉に、秘書も周りも感嘆したように息を吐きつつ頷く。そりゃそうだ。
「我々なら絶対プレイヤーの配置、敵の配置、ボスの配置が完了するまで完全待機状態にしてましたね」
プログラマーの1人の言葉に頷く。きっと私でもそうしただろう。それほどにまで心理を突いたイベント。意地が悪いイベントだが挽回は十分に可能と来ている。
「初日終了してもクレームメールがゼロ。むしろ、楽しんでますと言う脳の波長が常時流れてるぐらいだからな」
デバッガーの1人が言う。これは驚くべき事だ。普通はあれだけの事が起き、ほぼ騙し討ちのようなイベント開始にも関わらず、この結果である。だが、ゲームを作り、プレイしてるから分かる。これは楽しい。
「これ、社長からの課題なんですかね?」
ぽつりと見ていたプログラマーの言葉にハッとする。確かに学ぶべき所がある。例えば、プレイヤーの敵だからとて、モンスターの敵にしてはいけないとは決まっていない。第3勢力にすればイベントの幅も広がる。
「恐ろしく極端な課題ではあるがね」
そう言って、苦笑する。我々はこのゲームに絶対の自信を持っていた。我々が行う予定だったイベントに関してもだ。だが、しかし・・・
「我々がこのイベント内容を知っていて、同じイベント進行を出来たか?いや、出来ないだろうな」
全員が頷く。何故か?簡単だ。最もシンプルな答え、それは・・・
「セーフティがかかるからだ」
またも全員が頷く。この場合のセーフティとは安全性と言うより、ユーザーとの確執を避けると言う意味であるだろう。例え、考えようとしなくても考えてしまうだろう。そう、炎上した上でサービス終了と言うリアルを・・・
「そして、ヘイトコントロールが上手い」
そう、こんな流れなのに、怒りが運営に来ていない。イベントを考えた社長に向かっている。更に、むしろイベントを楽しんでいる。はあ、認めざるを得ない。
「アレには勝てん。今後もブラックボックスからのイベントが発生するようなら放置するように」
開発の心が一致した瞬間である。いや、もう、ホント、この日ほど一致した事ないんじゃないかな?
こう、ネトゲの運営の悲哀ってやつですね。それをうまく利用して、宣伝、イベント進行する社長は恐ろしやと言うお話です




