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第３話　ネタ＝浪漫は切り離せない

「わ～お」

目の前にあるのはゴールド、つまりお金の山である。あの後、ハリセンとロケットパンチがクランショップで売れに売れ、ロケットパンチに関しては火薬持ち込み＋料金にしてもメッチャ売れたのである。いや、むしろ、売れすぎ！まである。

しまいには、有名クランのリーダー達のフレンドコードまで頂いてしまった。鉄の塊ソードはそのあまりの消費量なので、現在は封印してると言ったら、封印解除まで待つと言われてしまった。欲しいのか、アレ？いや、自分も客の立場だとしたら、欲しいっていうけどさ。

「まあ、お陰でレベル上がったわけだが・・・」

ステータスからスキル一覧を見ると、ユニークスキルの製作ツリーがいくつか黒から白か灰になっている。

名前：ウッド

性別：男

種族：人間

ＨＰ：３０

ＭＰ：１０

スタミナ：４５

筋力：７

体力：７+１

知力：３

魔力：２

運：４

スキル：体力小アップ、スタミナ小アップ、器用さ小アップ、鍛冶　ＬＶ１

ユニークスキル：ネタ武器・防具・アクセサリー作成　ＬＶ２

販売による功績でレベルアップした現在のステータスがこうである。筋力、体力が増えたのはハリセン剣とパンチを作り続けた成果で、効率を考えたから知力が１上がり、運は上昇基準が分からないが２アップした。魔力はまあ、使ってないからそら上がらんわな。と言うか、魔力はどこで使うんだろうね、鍛冶師って？

「で、ライン。現在作れる物がコレ」

リアクティブ・アーマー：敵の攻撃が当たった瞬間、爆薬と共に破裂し大ダメージを装着者・敵に与える　種別：鎧　守備力：１

「いきなり、ブッこんで来たな！守備力１！つまり、敵の攻撃が当たった瞬間に敵に自爆ダメージ！流石ネタ！」

「逆に言えば、ゴーレムとかに装備したら、怖くね？」

ラインがゲラゲラ笑い、リームがそう言うと、その手があったかととりあえず、作成候補に入れる。つまり、小型自爆ロボットの誕生って事じゃん、作るしかねえよなあ。また、火薬要るけど。

パイルバンカー：浪漫。杭を相手に打ち込み大ダメージを与える。ただし、勢いがとんでもないため筋力と体力が共に７０以上無いと使用出来ない。能力値が満たされていないと腕がモゲる　種別：格闘　　攻撃力：８０

「浪漫」

「「分かる」」

運営は分かっておるのう！うん、パイルバンカーは浪漫！アッハイ、レインさん、真面目にやるので冷たい目は止めてくださいますか？

「こほん、要するにこれ、ロケットパンチの亜種だけど、多分再生系でも使用の継続厳しい？」

「そうね。て言うか、大抵が魔力と知力ビルドだからね。今から、筋力体力ビルドに振り直しは無理でしょ」

自分の言葉に対するレインの言う通り、ヴァンパイアみたいな再生系はまず近接構成は取らない。と言うか、素の魔力と知力が高いので遠距離構成になる。と言うか、ムッキムキなヴァンパイアとか居る訳・・・あのライン君？リーム君？２人揃ってなんで目を逸らすの？居るの？居るの？！

「まあ、居たとしてもごく少数だろうからね、次行こう、次」

あ、この反応３人の知り合いだな。と思いつつも、きっといつか会う準備が出来たと思って、次に行く。

ジェットハンマー：スイッチを押すとジェットエンジンが起動し、恐るべき攻撃力を誇る鉄槌となる。筋力・体力・知力が５０以上無いと、回転するだけのコマになる　種別：ハンマー　　攻撃力：９９（当たれば）

『ああ～・・・・・・』

全員が納得する。アレだ、ジェットハンマー作った奴が安全！安全！とか言って、試運転したらコマになって空飛んで行くやつ。しかも、必要ステータスの所為でかなり、扱いが難しい。うん、まさにネタ武器の名に恥じないな！

「逆に言えば、要求ステータス満たない奴でもコマになる覚悟あれば扱える。ただし、敵に当たるか味方に当たるか、空の星になるかはランダム」

「ゴーレムは・・・駄目ね。下手に味方に当たると考えると、回転力に武器の攻撃力に加えて、ゴーレムの質量で全滅確率跳ね上がるわ」

「ただ、配信組にメッチャ売れそう」

『　そ　れ　な　』

順にライン、レイン、リーム、全員の同意である。多分、どう転んでもバズるのは確定だろうしなあ。実際、ロケットパンチでドラゴンに突撃してみたとかやった奴が居るらしい。

お陰で、ロケットパンチは結構な人気商品で、配信組も新作出てるか見に来てるぐらいである。で・・・

自爆スイッチ：所持者を大爆発させ、その場にいる全てに防御力無視の大ダメージを与える　種別：アクセサリー

『絶対あると思った』

全員でうんうんと頷く。いや、やべーもんと言うより、これ絶対アクセサリーであると思ってたんだ。だって、そういうモノ作る為のスキルと確信してたし、うん。しかし、防御無視な辺り、自爆スイッチの名に恥じないが・・・・・・

「具体的なダメージが分からんな・・・・・・配信組限定で売って検証してもらう？」

「ウッド、黒い、黒いよ！」

「いや、ライン、自分の言い方が黒いのは認めるけど、絶対買うし、頼めば検証結果も送ってくれるだろ、アレはそう言うプレイヤーの集まりだ」

そういえばと言う感じでリームが思い出したような言葉に・・・

「今月末って、初のレイドイベントあるよね？確か魔王サタン討伐レイドイベント。確か、リプレイも後日配信されるってやつ」

その言葉にレインを含んだ全員の目が光るのだった。いや、検証の為だぞ、ホントだぞ？ホントだぞ？

自爆スイッチ誕生秘話でした。いや、まあ、デスゲームとかならともかく、一度は使ってみたいですよね？ついでに、ネタ装備でもありますよね。だから、あるんですよ（目を逸らす）