第30話 一見単純なようで情報過多な情報
「あのさあ、私は情報と言う名の爆弾処理班ではないのだぞ?」
『大変申し訳ない。申し訳ないが!欲しいですよね?』
「うん」
いつもの面子の自分達の言葉に頷くリュウカさん。まあ、今回も爆弾持ち込みだからね、迷惑料代わりの情報料相殺でも良いぐらいなのだ。
「しかし、まあ、とんでもないものを見せられたな、コレ。なあ、リュウガ」
「ええ。とてつもないものを見せられました。いえ、とてつもないと言うだけでは言葉が足りませんね」
リュウカさんの隣に居るのは、彼女の右腕と言われるエルフアバターの女性。リアルで妹らしいリュウガさんだった。名前が男っぽいが、姉と同じようで違う名前であるのが一番分かりやすいかららしい。ちなみに、検証変態度は姉とドッコイである、うん。そんな検証班の2大巨頭とも言える彼女達が鑑定した物とは目の前にある鎧である。
「対象がレガシー装備でも固有スキルを消すアイテムはあります。しかし・・・・・・スキルが消えている装備は初めてですよ?!」
リュウガさんの言葉に疑問を感じる人は居るだろう。そう、同じだろ!とツッコミが入るかもしれない。しかし、この鎧についてを聞けば、鎧に関する事情をしっかりと理解しての発言であると分かるはずだ。
「うむ、そこだ。リュウガの言う通り、消えているだけなのだ、驚きだね。消えているスキルは保管出来ていると?」
「そうらしい。期限とか書かれてないなら、このゲームだし、消える事はないよね?」
そう、自分が出した鎧はレガシー装備の鎧の固有スキルを別の装備に付け替えるために外した状態で見せている訳だ。つまり、アイテムによるスキルの完全消失とは違い、いつでも戻せる状態と言う訳だ。つまりレガシー装備には基本的に固有スキルが付く。それすらも取り払われたのが件の鎧と言う訳だ。
「うむ、そこは間違いないだろう。しかし、可能性の塊すぎるなあ・・・・・・リュウガ~?私の右腕として、これ、いくら出せばいいと思う?」
「もはや、姉さんと私の自由権を渡すしかないのでは?」
『いやいやいやいや』
思わず、全員が突っ込む。しかし、当の2人はマジ顔である。え?マジ?
「いや、割と真面目になあ・・・・・・私のクランの現在ある全財産渡しても足りないと思う、なあ、リュウガ?」
「ですね。まず、レガシー武器の欠点は覚えておられますか、レインさん?」
「あっ!」
おや?なんかその辺が関係してるっぽい?同時にラインとリームも気付いたようだが、この中では自分がさっぱりなんだが、なんだろう?
「あ~、良いか?自分始めてまだ長くないんだが、レガシー武器の欠点って?」
「ああ、うん。私から説明するわ。と言うか、感覚マヒしてたわ」
コホンとレインが一つ咳払いをする。ふむ?レガシー武器の欠点ね?
「レガシー武器の欠点はね、簡単なのよ。融通が効かない、コレなのよ」
「は?融通が?いや、レガシー武器って強力で・・・・・・あっ!」
ここに至り、理解した、と言うか、出来た。そういう事ね。
「そう、簡単に言えば、強力すぎるのよ、スキルが」
そう、強力すぎるスキル故に、通常スキルでは違いすぎて組み合わせが出来ない。その上、フリースロットに入れるスキルの組み合わせが限られる。更に更に、固有レガシースキルはスキルの書物やアイテムにはない。それ故に組み合わせは不可能。そう思われていた。
「完璧にネタ鍛冶に汚染されてたわ、私達。この鎧、とんでもないじゃない」
「そうだった。完全にウッドの側に回りかけてたわ」
「流石はウッドだね」
順にレイン、ラインリームのお言葉。いや、自分も今更、とんでもないモノ提供したなと思ってるけどさ、言い方ァ!いや、残当なんだろうけどさあ!
「まあ、とりあえず、アレだね。情報は買わせてもらうけど・・・・・・しばらくはトウ・キョウに居た方がいいよ?」
「アッ、ハイ」
金額交渉後のリュウカさんのお言葉にそう答えるしかないのだった。まあ、うん、そうなりますよね。ちなみに、自由権はお断りした。だって、目が本気なんだもん、コワイ!
まあ、人によっては端金で済む情報のようで大革命な情報ですからね。そら、足りませんわ。




