第27話 物産展をやろうぜ!
「よぉし、OKだ。そっち下ろしてくれ」
「そっちはテント足りてるか?」
「土魔法隊はこっちでチーム分割するから、与えられた場所に平屋を作っていってくれ!」
「製作班は出来た棚や看板とリアル掲示板を片っ端から設置班に譲渡、設置班は急いで設置していけ!」
「鍛冶班は鉄板と包丁、それとトング他調理器具の作成急げよ!武器、防具班は与えられた鉱石でノルマ数急げ!」
「屋台班はレシピ作成急げ!鑑定班を総動員しても構わん!」
「おぉい!そっちで看板用の板余ってないか?」
「こっちの余りでよければあるぞ!」
とまあ、あれから日数が少し経過し、自分は今、例の運営長ロボの広場に居た。そして、今その広場は騒然としている。うちのクランと検証クランだけではない。いくつかの見慣れぬ顔、つまり、別クランのメンバーもいる。ここまで言えば分かると思うが、自分が提案したことは単純である。
交易クエストは様々な国で発生している。しかし、それ故にどこかで集まろうという考えがなかった。つまり、自分の提案とは簡単に言えば物産展である。そして、会場はここ、自分がある意味で開拓した島。つまり、新大陸内である。
「まあ、ここまで集まったのは流石に予想外だったけど、ついに最高神とかまで言われてる件」
『草』『残念でもなく当然』『まあ、そうなるな』とコメントが流れる。うん、今回ばかりは色んな意味で否定出来ないんだけどね。最高神扱いはなあ・・・
今回のクエストで何が難しいかというと、2つの大まかな流れを統一する事が難しさを上げていたのだ。1つが交易品の作成と披露。1つが大陸と大陸の間の行き来。この2つが絶妙にお互いを絡んでいるのが難易度を上げた原因とも言えるだろう。
「まあ、普通、交易を行う際の基本的な基本、物産展をやろうなんて思わんわな。ゲーマーは特に」
『それな』という弾幕が流れまくる。そらそうだ。普通のRPGで言う所お使いクエスト感覚がほとんどだろう。まあ、普通に交易の為に物産展というか、交流の場を設けろ!なんてゲームで必要であるなんて思わんわな。
「後は成功するかどうか・・・」
この島でやるのは勿論自分なりの考えがある。まず、この島で開拓した特典として、島の衛兵の配置権や島から問題行動を起こしたキャラを追放する権利などを貰っている。所謂管理者権限とでも言うべきかな?そういうものを貰っている。もちろん、生放送では説明済みであるし・・・で、まあ・・・
「あっ」
『あっ』←コメント
丁度今発動したようだ。虹の光の柱が立った辺りで悪質な事をやったプレイヤーが島外に放り出されたのだろう。すでに数人確認されており、その数人が掲示板で不平不満を言っているが、すでに事前告知してある上にこの準備を始める前に動画告知もしてある。それでも、柱が立ったって事は自業自得他ならない。しかも・・・
「ちゃんと説明したのにねえ。ここは、運営がメッチャ注目してますよって」
『ほんそれ』『それな』『自業自得すぐる』『あ、書き込み削除された』
まあ、そうなるなってなる。そう、制限なしに招くと言う事は所謂、悪質プレイヤーも招いてしまう事だ。これがこの島でやるのを決めた最大の理由とも言える。確かに大BAN祭りである程度の悪質プレイヤーや悪質な事すればこうなるよという抑止力は出たが、まだまだ、そういう考えの奴は居る。ある意味で、今回の物産展は運営にとっては厳重に監視出来る場になってるかもしれない。おそらくでなくても、他の大陸でやってたら、悪質行為がかなり出たかもしれないね。
「ちゃんと、ルール守れば、交易クエストクリア出来るのにねえ」
『ほんそれ』『それな』が高速で流れる。鍛冶場や代行販売の場もあるのに、おそらく、それすらも面倒になって、来ている新大陸のNPC達に素材をそのままに売りつけ、もしくは自分達に有利になるように脅迫まがいの交渉をしようとしたのだろう。丁度、警備隊の報告がメールという形で来たので読んでみたがビンゴだった。NPCを脅迫しようとして、止めた衛兵をスキルで殴ろうとしたらしい。うん、自業自得である。
「うちのクランがちゃんと実演して見せて、交渉成功した動画もあるのにね。ちゃんと公式にも流してるのになあ」
招待するのは良いけど、失敗しましたはシャレになってないので、まず、自分達が率先して交易交渉の現場を生放送で行った訳だ。その上でちゃんと警告まで出したのに、悪質な行動をしたなら、もう同情の余地はなし!である。うん。
「しかし、なるほどねえ・・・・・・」
コメントに呟いた事は適当に言い訳しつつ、自分は運営というか、この解放システムを作った推定・社長の考えが段々読めてきた。まだまだ、予想の段階なので何とも言えないが、ネタ鍛冶スキルもその為なのだろうと言う事は理解した。
「さて、引き続き見て回るとしますか」
生放送を続けつつ、見回りを再開するのだった。ちなみに、その後も柱が立ったのは言うまでない。隠れ悪質プレイヤーに話聞いてない悪質プレイヤー多すぎだろ・・・・・・
まあ、普通のゲーマーなら、お使いクエスト感覚で船乗って、降りて交渉して、船乗って降りてを繰り返す形式でクリアしようとしますよねってお話。せっかくのMMOの場だし、こうしてしまえ!と言うウッド君の思い切った解決方法でしたとさ。




