第26話 交易ってリアルでは大変だよね?
「なるほど、本当に交易な訳だ」
「ああ、私が集めた情報からしても間違いないだろう」
あれから、依頼を受ける前に急ぎ配信を停止。依頼を受けた後でリュウカさんと連絡を取り、リュウカさんのクラン領地に全員集合した。そして、自分とリュウカさんのこの会話である。
「ケット・シーの国からの依頼もそれ関係だったな。リュウカさんには悪いが明かせないが」
ラインがそう言った依頼の内容は以下の通り。
【シークレットクエスト】 ケット・シーの国からの依頼
ケット・シーの国の名産、オリハルコンを新大陸の国々に出向き、宣伝しよう
クエスト開始条件:スーガ及び国王との接見
クエストクリア条件:オリハルコンの交易権を最低3国と交易交渉
報酬:????(初回のみ)
人数制限:無し
まさか、国の王様から所謂親善大使っぽい事を任されるとは思わんかったよ。ちなみに、このひとつ前の???の報酬として渡される予定なのがオリハルコンの採掘優先権である。どういう事かっていうと、資源が少なくなっても、採掘を優先でやらせてくれると言う事だ。これ持ってないと、資源少なくなった場合は閉山状態、つまり、入れなくなるらしい。
「ただ、クエストは開始したものの、うちを含めてほとんどのクランが戸惑っていて、まだ誰も達成していないのが現状だね」
リュウカさんがふぅと溜息をつく。まあ、そらそうだ。自分達だって、議論に議論を重ねている内容である。なんでって?リアル現代一般市民に中世時代レベルの交易開始の仕方知ってる人居る訳ないじゃんってなるよね、はい。
「何よりアレですね」
「アレだよねえ」
自分とリュウカさんが言うと、ライン達も検証クランの人達もうんうんと頷く。アレって、何って?
「交易を始めるきっかけがない」
『それな』
そう、つまり、交易を開始するきっかけ。つまり交易品を誰に渡してどうすればクエストの成功になるのか?の基準がないのである。しかも、新大陸にいきなりコネが出来る訳がない。う~ん、やっぱりこれって・・・
「やっぱり、そういう事・・・だよな?」
「だな。普通にソロクランでは無理だ」
自分の言葉に対するラインの言葉で分かると思うが、要するにこのクエスト、クラン同士の連携が前提になっているのだろう。まあ、そら新大陸の、しかもクリア条件の3つともなると、クラン1つではコネ作る時間に交易交渉、その報告までこなすの辛いわな。
「となると、うちのクランと検証クラン連携は確定として。次はどうコネを作っていくか?だね」
リームの言葉に全員が頷く。なにせ、新大陸の国民と面識はあっても、交易品を渡してハイ終わりとはいかないだろう。交易するなら誰と顔を繋ぐか?も問題だ。考え付くだけでも大きな商会の商人、交易に関する事を一手担っているその国の大臣、他にも国の貴族や王様関係と多岐に渡るし、きっと、渡すと失敗の罠的な人物だって居るだろう。
「加えて、どう商品を手に取ってもらうか?だよなあ」
自分の言葉に全員が頷く。聞けば、大抵の交易のクエストは何らかの素材になる品物らしい。まあ、当たり前だが。素材をポンと置いて、これをきっかけに交易しませんか?なんぞ論外である。つまり、相手に合わせた加工、そして、その技術の公開も前提なのだろう。そらそうだ、素材交易して、それで交易先が何も作れないとかお話にならない。
その為に交易交渉する人物が更に重要になる。当たり前なんだが、信用出来ないのは論外、この辺りの見極めも重要になる。う~ん、そら、受けたプレイヤーが知識はあっても戸惑うわな。
「こうなるとじっくりやっていくのが常道なんだろうけど・・・」
まあ、普通はこれである。これではあるのだが・・・
「焦ったプレイヤーの暴走が怖いわね」
レインの言う通り、これである。これがあるから、めっちゃ悩んでいるのである。かっての大BAN祭りを知ってるのが多いからある程度は自重してくれるだろうが、長期化すると分からない。MMOの恐ろしい所だな、コレ。
「だからと言って、攻略するなと言うのも・・・・・・」
「無理な話だよねえ」
ラインとリームの言う通り、これはゲームだ。攻略するな、待て!を上から言える訳がない。言ったら、暴走の元にもなりかねない。う~む?
「1つだけ、方法がある。これにはウッド君の協力と閃きが必要になる。交易の件、何か考えはないか?」
そう言ったリュウカさんがこちらを見る。そうは言われてもなあ。自分自身ネタ鍛冶で結構籠ってる事多いし、交流とは言うと、本当にケット・シーの国の方が多いぐらいで・・・・・・ん?
「なあ、ライン・・・・・・交易、なんだよな?」
「ん?何か思いついたか?」
「まあ、上手く行くかは未知数だけどね。で、レイン、リュウカさん、今一番困るのはプレイヤーの暴走、OK?」
「そうね、一番困るのはそこよ」
「そうだね」
上手く行くかは全くの未知数。しかし、現状一番可能性があり、生放送も出来る方法。コレしかないと、自分の考えを皆に話すのだった。で・・・
「お前、ホントに別視点からの考え上手すぎないか?いや、クエストクリア出来るなら良いけどさ」
この提案についてはこのラインの言葉が全てで、全員から呆れの視線を受けることになるのだった。解決策提示したのに、解せぬ・・・・・・
まあ、まず、こうなるよなというお話です。いきなり、コレ持ってきたので交易してくださーい!都かただの不審人物ですよねというお話。




