第18話 立像の素材を集めよう!前編
ここと後編は少し、お食事中は読まない方がよろしいかもしれせん
「ふぅ」
「「ふうじゃないんだけど?」」
レイン、リュウカさん、違うんです。恨みはなく感謝なんです、多分。このゲームの開発の柊主任が目に入って、感謝の像のつもりだったんです。いや、ほんの少し恨み籠ってるかもだけどね?と視線を向けた先にあるのは・・・
「造れるもんだな、金属質感の曲げ物」
スッと目を逸らしつつ、金属質感で出来たファンタジーゲートオンライン開発部主任の柊氏の頭部を見る。コレを填めるとなると、腕とかも人間っぽい曲線の方が面白いだろうか?
「こうなると、もう最後まで作ってみたくはなる」
「「分かる」」
ラインとリームがうんうん頷いている。版権物よりマシだし、一丁やってみよう!
「腕と足に丸みを帯びさせるなら手甲の応用で行けるかな?ぐるりと回りこませる感じで・・・設計図を引いてみるかな。そうすれば、スキルがサポートしてくれそうだ」
「んじゃ、俺とリームはホームに戻って鉄鉱石とか取ってくるわ」
「はあ、仕方ないわね。リュウカ、服飾人の手配してくれる?」
「面白そうだな、乗った」
こうして、主任立像化計画は動き出したという訳だ。なんか、悲鳴みたいなの聞こえてきた気がするけど、気のせいかな?
「・・・・・・・・・あ~、うん」
あれから数日、まだボディは出来ていないが、仕上がった物をリュウカさんのクラン領地内を非公開状態にして貰い、そこに居るいつものメンバー+リュウカさんのクランメンバーも苦笑気味だ。勿論だが、配信も禁止状態であるが、これ配信したくなるなあ。
「いやあ、シュールな光景だねえ」
「だなあ」
「未完成状態でもあるけど、確かにシュールね」
順にライン、リーム、レインの順である。うん、まあ、ボディが無い状態で頭部、両腕、両足をボディがあるとしてと言う感じで並べてみたのだが、うむ、こう、なんだ、その、シュール通り越して、ナニコレ?になるな。やはり、ボディがまず無いと駄目だな!
「サイズ的に肩は顔の1.5個分ぐらいと考えても良いかな?」
「それぐらいですかね。作れそうです?動かす予定は多分ないので直立不動が基本になるかと」
リュウカさんが聞きに来た質問に答える。おや?と言う感じの顔をリュウカさんにされる。
「あれ?ロボとして動かさないのかい?」
「あ~、勿論、男の浪漫としても考えたんですよ、それ」
うん、実際考えたのだが、よ~く、思い出してほしい。このゲームの売りは?
「でもね、リュウカさん、検証班として思い出してください。ここの運営が有人ロボを脳波で操縦!とか温い事許してくれると思います?」
『 無 い わ 』
リュウカさんどころか、検証クラン全員から同じ言葉が返ってきた。うん、アレだね。リアルロボは憧れるけど、コンソール操作とかレバー操作に加えて照準合わせとかタスク分けて出来る気がしない。人工知能搭載でも操縦は人間がしないといけないからね。歩くという姿勢制御だけでも脳味噌パンクすると思う。
「で、やっぱりです?」
実はこちらに来たのはリュウカさんからの呼び出しでもあったのだ。まあ、実は問題があるのは分かっていたのだ。で、その問題点と言うのは・・・・・・
「うん、足りないね。圧倒的に足りないという事はあるべき所から持ってくるわけだが・・・」
「先に言っておくけど、私はパスよ」
そう、足りないのは布。そして、スーツに最適なのはモンスターから取れる素材。そして、糸を出すモンスターと言えば?そう、蜘蛛である。そして、その蜘蛛が大量に出るのが・・・
「フォレスト オブ インセクト・・・・・・か」
「最初に言っておくけど、僕もパスだからね?」
自分がぼそっと言った場所の名前を聞いて、リームも拒否する。うん、まあ、気持ちは分かる。地名からの文字通り虫系モンスターが多く住む森である。しかし、ここは多くの女性は拒否、配信したら大炎上確定のフィールドなのだ。が・・・
まあ、そら人間大のリアルな昆虫モンスターとか、女性は拒否するし、嫌いな人は嫌いだよなってなる。噂によると、同じく人間大のサイズの黒光りするアレも居るらしいしな。そんな森なのだが・・・
「でも、大人気なんですよね?」
「そうなんだよなあ。しゃあない、俺と数人が行くか」
この中で昆虫は苦手ではないラインでさえ嫌そうな顔からお察しなのだが・・・・・・が、しかしだ、昆虫の甲殻は非常に軽いわりに硬く、防具に向いており、自分達の狙いの【シルク・スパイダー】がドロップする糸は上質な糸の為、生産職には大人気と言う側面を持っているのだ。昆虫のリアル顔や死に戻りの際に食われるとか無ければだけどね・・・
「ん?あれ?ライン、ライン」
「ん?・・・・・・・・・おぉ!おいおいおい!皆も見てみろよ!」
何かないかなとネタ鍛冶リストを探してると、非常に良い物を見つけた。それは普通に考えれば平凡な物だが、皆の顔が笑顔になったり、「リベンジだ」とか言葉が出てくる辺り、察して頂きたい。
「素材はこんなもんだがどうだ?」
「安心しろ、俺のクランが全力傾けてでも揃える」
「私のクランからも協力しよう、代わりに採集に付き合わせてくれ」
自分の言葉にライン、そして、リュウカさんが乗った。
「あ、ウッド。森に行く当日は配信するからな」
「え?」
・・・・・・・・・・・・え?良いの?
人間大の黒光りするアレが居るかもしれない森って恐ろし過ぎますよね、そら。




