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第10話 ファンタジーに喧嘩を売るスキル

「と、書かれていたわよ?」


「なんでやねん」


いや、まあ、オリハルコンで色々やる予定だから、色々あるだろうけど、やらかしまではいかない・・・・・・筈。あれ?自分でも自信無くなって来たぞ???


「て言うか、様から神て・・・」


『 妥 当 』


ぐふっ!知り合い3人の言葉が否定出来ねえ。チクショウ。


「で、炉。うん、熱い。暑いじゃなくて熱い」


こう、自分で言うもなんだがアレである、クランの工房に置かれたドワーフの国の工房にあった件の炉は普通の炉では考えられない温度の為、隕石の光みたいな熱を放ち、周りは熱さのあまり、空気が陽炎のように歪んでいる。フフ、怖いな、これに近づくの。でも、近づかないと鍛冶が出来ないんだよね。


「君達、もっと近づかないかい?」


『いいえ、私達は遠慮しておきます』


ええい、こういう時だけ団結しおってからに!とりあえず、HPが削られる可能性が高いので、ポーションを並べる。炉についてはそれほど苦労せずに手に入った。と言うか、ケット・シーの国のドワーフから貰った地図通りに国の方に行けば、報酬として購入権が貰えたのだ。当然、購入した。そして・・・


「種族解放条件がまさかの()()()()()()()()()()()()()


「もう片方が酒飲み大会で草生えるわ」


自分の言葉に対するラインの言動はマジである。ラインに同行してもらい、ドワーフの国に行ってみた訳だが、酒を鑑定してもらうと、ヤバいほどにまでアルコール度が高い。いや、ゲーム内だから酔いはバッドステータスだが、ここの運営だからリアルにも影響でそう・・・という訳でオリハルコンの加工を選んだという訳だ。

勿論だが、20歳で成人しているので、酒については問題ない。無いのだが、使われるお酒を見た瞬間、鑑定するまでなくアカン!オーラがプンプンしていたのだ。アカン・・・ではなく、アカン!である。大事な事なのでもう一度言っておく、アカン!である。多分、余程酒に関する自信がない限りは絶対に失敗する条件なのではないだろうか?コレ挑戦して、酒がトラウマになったりはしない・・・・・・よね?


「で、作るのコレなんだけど」


実は作れるのだが鉄では不安だったモノが一つある。かなり前に言ってた気になってたモノなんだが、オリハルコンをその部分に使えば良いのでは?と閃いたのだ。


「おい、ウッド、これって・・・」


「だろうね。だから、試しておきたい」


ラインが唸る。おそらく、スキル開発者が目指した方向性はコレじゃないかな?リームとレインにも説明すると、ああ、なるほどと言う感じの顔になる。だから、自爆スイッチとかあったのねってなるからなあ。


「最終的に、かなり高い確率でアレになる訳だけど、どうする?」


「お披露目したいとこだが、販売はなあ」


自分の言葉にクランリーダーであるラインはう~むと言う感じで悩む。


「う~ん、ちょっと良いかしら?多分、貴方達が考えてる心配は無いと思うわよ」


そこに入ってきたのは掲示板やホームページなどをマルチタスクで色々調べ終えたレインだった。自分やライン、リームに見えるように外部ページ等を見せていく。


「こいつは・・・」


「なるほど、可能性は高いな」


ラインとリームの言葉に自分も頷く。レインが見せた資料は現状判明しているユニークスキルを纏めた物だ。うん、これはおかしい。何がって?


「ネタ鍛冶のユニークスキル持ちは1人。つまり、自分だけだ」


そう、これはおかしい。自分はゲーム開始から、かなり時間が経過したはずの第4陣プレイヤーだ。そんな自分のユニークスキルがたった1回しか発見されてないというのはあり得ない。つまり・・・


「つまり、ワンオフ装備ならぬ、ワンオフスキルの可能性が高い。私はそう思ってるけど、どう?」


レインの言葉は普通のゲームならあり得ない。だが、ここまで根拠があるとあり得る。第4陣までに日本だけでなく世界中にゲームは配布されている。そんな中、1回だけしか見ないユニークスキルなんかある訳ない。とすれば、本当にこのゲームでは1つしかない可能性が高い。


「つまり・・・」


「そういう事だな」


自分の言葉に対するラインの言葉がコレ。GOサインは紡がれた!よし、作るぞ、作るぞぉ!





「思った通りだなあ、コレ」


今、ラインのクランの庭は驚きに包まれている。まあ、無理もないよなあ。


「まあ、こうなるよな。見ろよ、丘の上とか有名プレイヤー、クラン問わずに偵察しに来てるぜ」


「作る為の庭園拡張が仇になったわね。でも、同時にお披露目になったわね、コレ」


そう言ったリームとレインの視線の先は自分が作った巨大な物が鎮座している。うん、これは仕方ないな。



メカニカルアーム:その破壊威力は現存するあらゆる格闘武器を超える。ただし、特例を除き、筋力・体力共に200超えなければ扱えない 種別:格闘 攻撃力:4500



うん、こう書いてる事は普通なんだが・・・・・・うん、なんだ、でかい。完全に、コレ、ロボットの腕である。装備出来るの?って奴である。ここに工夫を加えたのがシリンダーと接続部分である、ここをオリハルコンを使う事で強度を増したのが攻撃力増加の原因かもしれない。本来なら2000らしいからね。ただ、まあ・・・


「うん、装備は無理だね」


「ああ、無理だが、これで確証を得たな」


うむ。これはもう間違いはないだろう。うん、掲示板で更に騒がれるね、コレ、間違いない。


「このスキルを上げると・・・・・・巨大ロボが出来る。ファンタジー世界でだ」


「しかも、その可能性自体がこのスキルの名前にあるよな。ネタであり、武器であり、防具であり、アクセサリーである」


「スッゲエ屁理屈の上の屁理屈」


「「だが、嫌いじゃない」」


自分の言葉にラインが頷き、リームと自分はうんうんと頷く。いや、もうね、浪漫でしょ?乗り込める系のロボットって。なんで、ロボットが完成すると分かるって?今までの一部の浪漫装備を思い出してほしい。


「鉄の塊ソード、自爆スイッチ、リアクティブ・アーマーにロケットパンチに、この腕。レベル4以降に残りとアレだろうなあ、多分」


並べてみると、なるほどなとも思うが、スキルを育てないと気付く事すら出来ないという事だ。こうなると、これからの事も明確になってくる。


「ライン、リーム。相談してた事、頼めるか?」


「まかせとけ、良し。行動するぞ」


「こっちも行くとしますか」


2人に頼んだのはこれから必要になりそうな素材集めである。特に鉱石関連とゴム関連。特に後者はアレ関連で絶対必要になるだろうしなあ。ただ、最前線系クランに全部頼むものもな?と思ってたが、浪漫だからね、仕方ないね。


「レイン」


「間違いないのね?」


「間違いないだろう」


「分かった、準備するわ。そっちもよろしくね」


そう言うと、レインはにやりと笑い、色々操作を始める。う~ん、まあ、仕方ないと言えば仕方ないんだがね。さて、自分も工房に籠って精を出すとしよう。ちなみに、当然ながら種族解放クエストは成功したのだが、ハイドワーフの皆さんから質問攻めを受けたのは言うまで無い事である。

ところで、ハイドワーフの国に、コレのフルオリハルコンコーティングのでかい腕並ぶとか・・・・・・ないよね?ないよね?

こう、イメージとしてはアレです。本の付録に1個づつパーツが付いてきて、本を全部揃えると完成するロボットです。大きさは比較すら出来ませんが(爆)

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