説得があっさり終わってしまった。
谷の上部に着いた。周り見渡すがアクア達の姿が見えない。
「ここら辺にいると思ったんだけどな」
「【魔力感知】をしてみては?トア様の眷属の魔力を見つける事ができるかもしれません」
神龍フーレスティエが【魔力感知】の新しい使い方を教えてくれる。俺はてっきり体内の魔力を感じ知ることができるものだと思っていたが周りの魔力も感知できるらしい。
俺は【魔力感知】を使用し、アクアやクラーマの魔力を探す。この2人を探す理由は俺の眷属の中で魔力が多い2人だからだ。
「どうやら山頂の方にいるらしいな」
「分かりました。では、そちらの方へ向かいましょう」
俺と神龍フーレスティエは山頂へ向う。すると、21人の集団が見えてきた。
「帰ったぞ」
「し、始祖様!?」
「マスター、合図は?」
「まさか見逃した!?」
アクアとクラーマ、その他の吸血鬼達も不安そうな顔をする。合図を見逃したのならば俺1人でドラゴンを殲滅してきた事になるからだ。
「いや、普通にドラゴン達と和解してきた。みんなが怒っているのは分かるけど、もし争ってお前達が死んだら嫌だしドラゴン達も和解を望んでいたからな」
「確かにこちらの被害は家と地形を荒らされたぐらいですしね」
吸血鬼達も怒りが冷めたみたいだ。
「マスター、そちらの方は?」
アクアが神龍フーレスティエに気付いたみたいだ。ここで紹介するより町で全員に紹介した方がいいよな。
「町に戻ってから話す。まぁ、新しい仲間だと思ってくれればいい」
俺達は町へ向かう。今回は神龍フーレスティエが居るから徒歩による帰宅だ。しかし、1時間くらい歩いたところで俺の足が疲れ始めた。
「なぁ、フレースティエさん」
「なんでしょう?」
「翼だけ出せないか?流石に1歳児の足だと【魔装】を使っていても疲れてきた」
「できますよ。一部だけ【人化】すればいいだけですので」
「早く言ってくれよ。翼出せるのが分かっていたらこんな山道歩いておらんわ!全員、飛ぶぞ」
「「「分かりました」」」




