第二回布団内戦争
クラーマ達を助けた日の夜。俺は布団で寝ていた所、いつもの如くアクアが入り込んで来た。俺とアクアは初日からほとんど毎日一緒に寝ている。アクアをいくら布団から追い出してもすぐに潜り込んで来るからだ。
アクアが入り込んでから1時間ぐらいした時、それとは別にもう1つの温もりも感じた。
「なぁ、アクアはいつもの事としてなんでクラーマも居るんだ?」
「私は始祖様に救われました。ですので身も心も捧げます」
「いや、おかしいだろ?なんで1歳児に夜這いするんだ?」
そうだ!アクアを起こしてクラーマを追い出そう!
「アクア!起きろ!ヘルプ!」
俺は隣で寝ているアクアを揺すって起こす。
「なんですか?マスター」
アクアが眠そうに眼を擦っている。
「クラーマを追い出すのを手伝ってくれ」
「クラーマさんもマスターの魅力に気付いたんですよ。それにマスターはその年で美少年と分かるほど顔がいいんですから」
確かにこの前、自分の顔を確認するために湖に映った自分の顔を見て自分でも惚れそうになったが流石にほぼ初対面の人と寝るのは駄目だと思う。アクアはなんか心から信頼できるからいいけどクラーマは駄目だろ。
「でも、マスターの横は私の場所です!誰にも渡しません!」
そう言うとアクアは血を使った【液体操作】でクラーマを引っ張り出した。
そもそも、なんで俺の横がお前の場所なんだよ。たまに1人で行動してるじゃないか。
「寒いです。まだ私の家ができていないのでここで寝かせて下さいよ」
クラーマは理由を付けて一緒に寝ようとして来た。
どんなけ一緒がいいんだよ。そうだ。あれがあったけ。
「それじゃあ、アクアのがそこら辺にあるからそれを使え」
俺はアクアのためにDPと交換していた布団を指指す。するとようやく諦めたようでその布団に入って行った。そして、布団に入ったクラーマは1時間ぐらい泣き続けた。
「うぇぇぇん。ぐすん」
あ〜。うるせえ!眠れねぇじゃねえか。
「分かった分かった。一緒に寝ていいから泣くな」
「マスター。私の時と対応が違いませんか?」
「お前と違ってこいつは面倒臭いんだよ」
俺が許可すると、物凄く嬉しそうな顔だが少し目の周りが赤くなっているクラーマが布団から出て来た。
本当に泣いていたのか。嘘泣きだと思ってた。
「始祖様!有難う御座います」
そう言ってクラーマは俺の布団に潜り込む。
「はぁ〜。面倒臭ぇ」
そう愚痴ると俺は目を閉じた。




