【ショートコント】('A`)は数字を考察するようです【SS】
キーンコーンカーンコーン
( ^ω^)「国語なんて要らないお。言葉なんて無くても僕らは繋がっているんだお」
('A`)「国語のテストが出来なかっただけだろ」
( ^ω^)「そんなことより、次のテストは数学だお……自分は数学が苦手なんだお」
('A`)「あれ?そうだっけ?算数は普通に出来てただろ?」
( ^ω^)「それはたかし君が居てくれたからだお。買い物くらい一人でできるし、毎日学校に遅刻しないギリギリの時間を見極める為に脳をフル回転してるお。
ありがとうたかし君。池の周りウォーキングは決して無駄ではなかった」
('A`)「しかし、中学校にたかし君はいない……と」
( ^ω^)「くそ!たかし君を返せ!彼が居なけりゃ僕ぁ……僕ぁ!!」
( ^ω^)「Xって何だ!誰だこいつは!名を名乗れクソッタレ!怪盗気取りか!怪盗X『貴方の大事なお宝は私が代入させて頂いた……』アホか!代入って何だ!方程式って何だ!?何で体積を求めるんだ!?何を裁く測りなんだ!?何の試験の時間なんだ!?」
('A`)「数学だよ」
( ^ω^)「知ってらぁ!!馬鹿にすんじゃねぇ!!」ドンッ!!
('A`)「お前が消えて喜びたい」
( ^ω^)「教え給う。教え給う。数学教え給う」
('A`)「仕方なかりけりなり」
('A`)「いいか、話を聞く限りじゃ、お前は計算じゃなくて、物事の抽象化が苦手なようだ」
( ^ω^)「ちゅーしょーか?チューしよーか!?」
('A`)「男子中学生みたいの事言ってんなよ」
( ^ω^)「いや、自分ら男子中学生だお」
('A`)「数学ってのはな、物事の抽象化何だよ」
( ^ω^)「抽象化って何だお」
('A`)「抽象化(ちゅうしょうか、英: Abstraction、独: Abstraktion)とは、思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は無視する方法だ」
( ^ω^)「わ!まるでWikipediaみたい!」
('A`)「例えばだな、数字、1、2、3……ってのは現実世界には存在しないだろ?」
( ^ω^)「?」
('A`)「お前は『1』っていう物体を見たことあるか?」
( ^ω^)「う~ん……数字以外じゃ見たこと無いお」
('A`)「因みに数字はその数を表す記号に過ぎない。この世には『1』は存在しない。『1』があるのは俺たちの頭の中ってワケだな」
( ^ω^)「じゃあ数字ってなんだお?」
('A`)「ここででてくるのが『抽象化』だ。人の目から見て『個』と分別できる最小単位を『1』とした。だから、この鉛筆も、消しゴムも、俺も、お前も、全部『1』だ」
('A`)「さらにその『個』に似たモノが側にあったら、そのモノをまとめて『2』と表した。例えば、俺とお前は同じ人間だから、ここには『2』人居るんだよ」
( ^ω^)「ちょっと!ちょっとまって!」
('A`)「なんだ?」
( ^ω^)「それってテストに出る?」
('A`)「出るわけねぇだろ」
( ^ω^)「話は終わりだ。表にでろ」
('A`)「待て。物事には基礎基本というものがある。それらを一から知ることが、全てに繋がるんだ」
( ^ω^)「!聞いたことがあるお!……『全は一、一は全』!」
('A`)「そう……全、つまり森羅万象一切合切は、ただ一つのビッグバンから始まったスペクタクル……」
( ^ω^)「全ては繋がっていたのかお……?」
('A`)「繋がっているとも見える。分たれているとも考えられる」
( ^ω^)「そんな……それじゃ、自分は何を……何を信じれば……」
('A`)「自分だよ」
( ^ω^)「え!?」
('A`)「自分を信じれ無い奴は、全にも一にもなれない……ただのゼロになっちまう」
( ^ω^)「でも……どうやって……?」
('A`)「この鉛筆を使え」
( ^ω^)「これは?普通の鉛筆にしか見えないお」
('A`)「これはお前に信じる力を与えてくれる」
( ^ω^)「そんな心強いモノがあるのかお!」
('A`)「ああ!自分を信じることができれば、次のテストで100点だって取れる!さあ!この鉛筆!今ならたった1,000円!!」
( ^ω^)「うおぉぉぉぉ!買ったぁぁ!!!」