3/4
始まりはいつも
飯を食い、だいぶ経ち俺は自室で寝てしまったようだ。
トットットッ、誰かが階段を上がってくる。
俺の部屋のドアが大きくバンッと開く。
「奏閉!あんたまた学校に行ってないの?まったく、どうしてあんたは───」
母親が帰ってきたんだ。またいつもの怒号が始まった。
うるさいなぁ。俺だって罪悪感くらいある。
「ちょっと、聞いてるの?!」
「聞いてるよ。毎日同じことしか言わないじゃん。」
「あんたが同じこと言わせるからでしょ!!ちょっとはお母さんの身にもなってよ!」
どうでもいい母親の言葉が脳裏をぐるぐる巡る。
──プツン、と俺の中の細く透明な糸が切れた。
「・・・俺なんか居なければよかったんだな。」
逆ギレだって分かってた、でも居た堪れなくてこの場に居たくなかった。何故か今日は衝動が抑えきれなかった。
俺は咄嗟にリュックを背負って、母親を押しのけ玄関のスケボーを持って外に出た。
背中から俺を呼ぶ声が聞こえた。もうどうでもよかった。何も考えたくはなかった。