表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しょーとしょーとー  作者: むー
8/62

ほらふきじいちゃん

ぼくのおじいちゃんは、周りの人からほら吹き爺さんと呼ばれている。すぐにうそをつくし、いい加減な話をするからだ。お母さんにも、あまり話をしてはいけませんなんてよく言われる。


でも、ぼくはそんなおじいちゃんの話が大好きだ。特に、若い頃にした冒険の話は、何回聞いてもドキドキワクワクする。1人で海を渡って、大きなタコやサメと戦った話。山賊に捕まって、命からがら逃げだした話。砂漠の中から金銀のお宝を見つけ出した話。


みんなは嘘だっていうけれど、ぼくはそうは思わない。おじいちゃんはきっと、本当に冒険をしてきたんだ。



今日も、ぼくはおじいちゃんの話を聞いている。嵐の中、2人の仲間と山を越えていると、すぐ近くに雷が落ちて大きな穴が空いた。その穴をのぞいてみると、何かが埋もれている。掘り返してみると、それは宝箱だった。中には金や銀、ネックレスに短剣なんかも入っていたそうだ。



おじいちゃんは、そのお宝をほとんど仲間にあげてしまったらしい。

「別にお宝が欲しいわけじゃない。冒険するのが好きなんだ。」

そんなことを言っていた。



ある日、ぼくはまたおじいちゃんのうちに行った。でも、中には誰もいなかった。暇だったから、おじいちゃんの机をなんとなく開けてみた。



そこには、汚れた服で笑っている男の人が3人写っている写真があった。写真の裏には、

「楽しい冒険だった。また会おう。」

男の人の手には、短剣が握られていた。



その後も、ぼくはおじいちゃんの話を聞いている。

海賊に捕まった話、大きな鳥の背中に乗って空を飛んだ話、お姫様と恋をした話。



みんなは嘘だっていうけれど、僕はそうは思わない。



おじいちゃんは、本当に冒険をしてきたんだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ