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6話 訪問者

あのお茶会から数日


第一王子の婚約者ということで王妃教育が始まり、日々忙しさが増している


雪の記憶があるため座学は国の歴史や周辺諸国のことを学ぶだけだ


だが向こうではお茶会なんて開かないし、ダンスなんて踊らない

だから一番大変なのは実技だ


今、家庭教師のミストワネットにダンスを習っているのだが…間違えないようにステップを踏もうとすると姿勢が悪いと注意され、姿勢を気にして踊ると相手役の足を踏んでしまう


「エレオノーラ様、ステップを覚えるのではなく体でおぼえるのです

頭で考えると曲から遅れますよ」

「はい、ミストワネット」


あ、また踏んでしまった


相手役の人の顔は引きつっている


そうだろう、これで12回目だ


いくら6歳とはいえ、足を踏んだら痛いだろう


まだ初めて数日とはいえ、踏みすぎなような気がする…


お母様に相談したら始めはそんなものだとおっしゃってくれたけれど、回数を伝えたら呆然としていたもの…


うーん…うまくいかないわ…


「トワネット様、エレオノーラ様にお客様がお見えです」

「わかりました、切り上げますわ」


考え事をしている間に誰かが来たようだ


今日のダンスレッスンはこれで終わりになった


でも誰が来たのだろう?

今日来客の予定は聞いてないけれど…


レッスンを終え、ダンスホールから客間に向かう途中で殿下にあった


え?なんで殿下がいるの?


「やぁ、エレオノーラ

今日もきれいだね」

「ごきげんよう、ルーカス殿下

本日はどうなさいましたの?」


動揺を悟られないように挨拶を返す


いきなり我が家に来るなんて、よほどのことがあったに違いない


「いや、特に用事はないのだが…可愛い婚約者に会いたくて来てしまったよ」


は?

今なんて言った?

カワイイコンヤクシャ?


意味を理解した途端、顔に熱が集ったことがわかった


「そ、それはありがとうございます」

「照れた顔も可愛いね

殿下なんて他人行儀な呼び方などせず、ルーとよんでくれ」


「ありがとうございます…ルー様…

私もエレンとお呼びくださいませ」


「ルーだよ、エレン」

「る、ルー」


「本当に可愛いね、エレン

さあ、お手をどうぞ?

案内はここまででいいよ、あとはエレンに案内してもらうからね」


だっだれこれ!?

ルー様が私のことをかっ可愛いって!?


それにルーって呼べって!

私のことエレンだって!!

もうなにもかんがえられない


私は混乱しながら殿下にエスコートされ、客間に向かった

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