四話 王子とのお茶会2
ルーカス殿下にエスコートされながらガーデンから温室に向かう
あああぁぁああ!!
生ルー様だよ!かっこいい!
私が悪役令嬢じゃなければとっても幸せなのにぃぃいい!
私がゲームの中で一番好きなキャラクターはルーカス殿下だった
顔も好きだが、国のために体を張って頑張るルーカス殿下がとってもカッコよかった
ヒロインの聖女をかばって負傷するスチルが一番好きだった
今は処刑を回避するためにもあまり近づかないようにしなければならないけど
確かエレオノーラと婚約するのは、エレオノーラがルーカス殿下に一目惚れし、エレオノーラが無理を言ってアルバーン公爵家から婚約の打診をしたはずだ
国の筆頭公爵家でありエレオノーラ自身も国で一番の魔力を持つことから断ることができずに婚約したという設定があった
だからこっちから婚約を打診しなければ大丈夫だとおもったのにぃぃい!!
「……ラ
……ノーラ
エレオノーラ!」
「え?
申し訳ございません殿下!」
やばい!考え事をしていて殿下が呼んでいるのに気づかなかった!
「いや、きにしないでくれ
温室についたので声をかけただけだ」
そう言って温室の扉を開ける殿下
目の前にはたくさんのバラが咲き誇っていた
「きれい…」
「だろう!
母上の自慢なんだ!」
キラキラと目を輝かせ説明をする殿下
もう、かわいいな!
近づかないって決めたばかりだけどこのままでもいいのではと思ってしまう
「ルーカス殿下は王妃様が大切なのですね」
「ああ、母上も父上も公務で忙しい中、俺を大切にしてくれる
2人だけじゃない2人を支えてくれているベアトリス妃も弟のウィリアムも大切だ
だからこそみんなが暮らすこの国を守りたいと思うし父上のような家族を作りたいと思っている」
「殿下…」
すごい…
まだ6歳なのにこの国を守ることを考えているなんて
私も6歳には見えないかもしれないが、私は前世の記憶があるから6歳とは言えないし
「エレオノーラも家族が大切だろう?」
「……えぇ、大切ですわ」
雪の記憶を思い出したからか、エレオノーラとしての記憶はほとんどない
でも目覚めた時に心配してくれたのも抱きしめてくれたのもとても嬉しかった
私は雪だけどエレオノーラでもある
だから2人を大切にしていきたいし2人の大切なものを守りたいと思う
「なら、俺とこの国を守ってくれないか?」
………プロポーズ?
え?ちょっと待って…おかしいよね?
ほんとに6歳?
いくら王族が早熟だとしても早すぎない?
あ、そうか!臣下としてしっかりと仕えろという意味なんだ!
「ええ、殿下
臣下として殿下にお仕えし、国を良くしていきたいと思います」
「……そういう意味ではないのだが…」
「何かおっしゃいましたか?」
「いや、これから頼む」
殿下が何かをつぶやいていたがよく聞こえなかった
なんと言ったのか気になったが聞いてはいけない気がしたので聞かなかった