ねぇアキラくん、あかりちゃんと二人で話したいからちょっと出ててくれないかな?
どうしよう。
アキラくんにはあぁいったけど、いざ二人で話すとなるとキンチョーしてきたぁー!
あかりちゃんて意外とキッツイ事言ってくる子だったんだ、言われた言葉もショックだったけど、普段ニコニコ笑顔のあかりちゃんにキツイ事言われたって事の方がショックだった。
怒ってる?怒ってるよね?ずっと座ったまま黙ってるし。
あたりまえだよね、私が煽ったんだから。
てっきり拗ねたリ嫉妬してくれるかと思ったのに、まさかあんな展開になるなんて全然思ってなかった。
別に本気でちゅーなんてするつもりなかったのに・・・したかったけど。
海に行ったときはまだ気づいてない感じだったけど、さすがにもうこれは自分の気持ちに気づいちゃったって感じ?
でもさ~あかりちゃんってアキラくんの事好きじゃなかったんだって思ったから、私だってこれは行っていいヤツなんだって思ったんだよ?
だから私悪くないもん。
悪いけど。
そうなんじゃないかなー?って思ったよ、思ったけどさぁ~。
違ったらいいなって思ってた。
だってあかりちゃんとケンカしたくなかったもん。
いつかこーいう日が来るんじゃないか、って思ってたけど、まさかこんなに早く来るなんて。
こっちは全然心の準備してなかったんだから!
準備不足で見事に泣かされちゃった。
でも泣かされちゃったおかげで、あんなことされちゃった。
言ってみるもんだね。
でも、好きじゃないのに何で抱きしめてくれたんだろ?可哀想だと思われただけ?
もしかしたら、もしかしたりする!?
ないか。
ありならもっとわかりやすい反応してくれるよね。
勢いで大好きっていっちゃった。
違う、勢いじゃない。
キッカケはオムライスだったけど、会うたびにアキラくんがどーいう人なのかだんだんわかってきて・・・。
楽しい。
アキラくんの事、考えてるだけで楽しい。
あかりちゃんも同じ気持ちなのかな?
同じ気持ちなの?って聞きたい。
楽しくおしゃべりしたい。
もう友達とは思ってくれてないかも。
確実に嫌われたよね?
悲しい。
諦めないとダメかな?
ダメっていうか、そもそも相手にされてないっていう。
あっちは相思相愛だもんね。
おまえはそもそも対等な立場じゃねぇからー!ってね
誰かそうつっこんでよ。
わかってるよ。
「はぁ」
溜息出ちゃった。
この流れはどう考えても私が退場の流れだよね?
邪魔しちゃってごめんね、だからふたりで幸せになってください。
そんな事言えるわけない。
手紙にしようかな?
待って。
そもそも私、諦める気ないから!
略奪愛!
世の中そーいう方法で幸せになった人だっていると思うし。
でも、あかりちゃんを確実に傷つける事になる。
アキラくんをふったのがわるいんだよ~って言えば・・・よくない。
待って待って。
そもそもアキラくんが私を好きになる?
あかりちゃん好き好き言ってたし、無理だよね。
無理やりそうしなきゃいけないような既成事実を作れば~って。
おいおい。
それはやりすぎだろーって。
誰かつっこんでよ。
やだな。
私にはそーいう方法しかないんだね。
色々やってみたけど全然効果ないだもん。
でも悪い気はしないって言ってた!
手を握られるとドキドキするって言ってた!
手が小さいって言われた、これは誉め言葉なの?
プラス思考で行こう。
ぎゅぅぅぅぅぅぅってされた。
しかもナデナデのオマケつき!
ちょっとえっちな気分にもなれたしヤバかった!
やっぱりもしかしたりする!?
今度はないって言ってた。
じゃあないか。
プラス思考終わり。
もうないんだ。
抱きつくのは簡単、でも抱きしめられることはもうないんだね。
ついでにちゅーしとけばよかったぁー!
あの状態でちゅーとかされたら・・・。
ヤバイ、想像しただけでヤバイ。
ねぇあかりちゃん、やばくない?
あかりちゃんならこの気持ちわかるよね?
だって、同じ人を好きなんだもん。
ねぇ。
「あかりちゃぁん・・・ごめんねぇ・・・」
あ、涙出て来た。
急だな。
鼻かみたい。
「どうして謝るの?」
どうしてって・・・。
わたしなんで謝ったの?
「わかんないぃ」
「じゃあ謝っちゃだめだよ」
「あかりちゃん、怒ってるぅ?」
怒ってるよね。
知ってる。
じゃあなんで聞いたの?
「怒ってるっていうより、嫉妬してる」
怒ってないんだ!
良かった。
「わたし、アキラくんの事諦めるね」
やだ。
「ふたりで幸せになって」
そんな事思ってない。
「わたしアキラくんの事そこまで好きじゃないから」
違う、大好き。
「だからっ・・・だからぁ・・・友達でいて」
涙が止まらない。
鼻かみたい。
これでいい。
これで全部うまくいく。
「だめ」
「え?」
友達もだめなの?
そうだよね。
そこまで嫌われちゃったんだ私。
「あきらめちゃだめだよ」
???
「アキラくんのどこが好き?」
「へぇぁ?何言ってるのあかりちゃん」
「私は優しい所が好き」
「わ、わたしも!!」
あんまり優しくされた事ないけどね。
あかりちゃんはいっぱいされたんだね。
うらやましい。
でも私、あかりちゃんが知らないようなアキラくんの事知ってるから!
「わたしがちゅーするとね、びっくりする顔が好き」
声震えちゃった。
「そうなのぉ?じゃあ私も今度してみるね」
「あ、あぁっ、だめぇ・・・それ、私だけ知ってる顔だからぁ・・だめぇ・・・」
「やーだ、するする」
「やだっ!あかりちゃん!しないでぇ・・・ちゅーしないでぇ・・・」
「ふふふ、やーだ、絶対するもーん!」
なんで笑ってるのあかりちゃん。
「笑ってる場合じゃないよあかりちゃん」
「うん、そうだね、笑ってる場合じゃないね」
まだ笑ってる。
「ここ、怒るところ、おまえ私の好きな人とるんじゃねぇよ!って」
「やすなちゃん怒ってほしいの?」
「ほしくない」
ケンカしたくない。
「だよねー?だから怒らない、だって怒ると、やすなちゃん泣いちゃうし、あ、もう泣いてたね」
「うぅぅぅ、これは泣かされたわけじゃありませーん!私が勝手に泣いただけですぅー!」
「さっきはひどい事言ってごめんね」
あかりちゃん。
そうさせたのは私だよ。
あかりちゃんは悪くないよ。
「あかりちゃん・・・ごめんねぇ・・・」
「どうして謝るの?」
「あかりちゃんの事、悪者にしちゃった、でもちがう、あかりちゃんは悪くない、悪いのは私」
「そうなのぉ?」
「うん!だからごめん」
「じゃあ、私もごめんね」
なにがごめんなの?悪いのは私って言ったよねぇ?
ねぇ、あかりちゃん。
あかりちゃん?
「何で泣いてるの?」
「悪い事したからだよ」
また笑った。
なんで泣きながら笑ってるの?
器用だね。
「違う、悪いのは私って言ったよね?」
「そもそも私がアキラくんをふったのがいけなかったんだよ、あの時、あの時に気づいてればこんなことにならなかった」
「いけなくない!あかりちゃんがふってくれたから、私、アキラくんに好きって言えたの!」
わたしなにいってるの?
「あぁそっかぁ、じゃあ逆に良かったのかなぁ~」
「そうだよ!あかりちゃんは悪くないよ!」
「じゃあもっとアキラくんの事話そうよ」
えぇ?
「話すって、何を?」
「恋バナだよぉ」
なんで嬉しそうなの?
おかしくない?
だって私達同じ人を好きなのに、それの恋バナっておかしいと思う。
でもおしゃべりしたい!
「あかりちゃんは抱きしめられたことある?」
「あるよぉ」
「うそぉ!ど、どどど、どうだったの?ドキドキした?」
「う~ん、あつい」
「えっはぁっ!あついってなに!!」
予想外の言葉に思わず変な笑い方しちゃった。
鼻水垂れちゃったよ。
「わぁっあつっ!って感じ!アキラくん体温高いんだと思う、やすなちゃんはどうだった?」
「ドキドキした!すっごいドキドキした!あとついでに癒された!」
楽しい。
「え~いいなぁ・・・わたしも癒されたい!今度言ってみようかな?うぅ~んでも言うの恥ずかしぃ」
あかりちゃん顔真っ赤。
可愛い!
楽しい楽しい!
「だめっだめぇ・・・あの感覚味わったらあかりちゃん、もっとアキラくんの事好きになっちゃうよ!」
「そうなのぉ?でもやっぱり言えないよぉ・・・急に何言ってんだコイツって思われたらやだし」
「アキラくんはそんな事思わないよ!いっちゃえいっちゃえもう!感想聞きたい!」
「えぇ~むりむりぃ」
「むりじゃないぃぃ!あ、あと、ちょっとえっちな気分にもなるよ、ぐひひ」
「むひっっ!ぷふぅ」
あかりちゃんも鼻水出した。
興奮しちゃったの?可愛い。
「え、えっちって・・・ど、どんな気分だったの??」
きたきた。
可愛い顔してエロエロだもんねあかりちゃんは!
「なんか、あの、きゅうううって!きゅうううってしちゃった!」
「なにが?なにがきゅうううなの?」
「ぐへへへ・・・わかってるくせに~」
「やすなちゃっ!だめだよそんな顔しちゃ!えっち!えっちだからぁ!」
どんな顔してた、私
あかりちゃんだって結構やばいよ。
「あかりちゃんもえっちな顔してるよ?その顔アキラくんに見せたら何て言うかな?撮るか!撮っちゃうかぁ~!?」
「やだっやめてっ!嫌われちゃう!」
あかりちゃん手で顔隠しちゃったかわいいなぁもぉ。
「逆に今より好かれちゃうかもよぉ~ あかりちゃん!えっちだね!俺あかりちゃんとえっちしたい!とかいわれちゃうかも!ふひひひ」
「いやぁ!やだぁ!わたしそんな!そんなことしなくていぃぃ!」
その顔はしてほしそうに見えるけど?
「マジバナしよっ!どうなの?あかりちゃんってどうなの?アキラくんとしたいって思ってるの?」
「やだやだっ!しらないっ!そんなの思ってないっ!」
鼻水出しすぎだよあかりちゃん!
あぁ、私もか。
でも拭いてる場合じゃないってコレ!
「仮に!仮にそうなったらまずなにする?なにされたい?」
「かっ、かりにっ、かりにのはなしだよ!」
おーおーのってきたのってきた!
「・・・さわってほしぃ」
「きこえなぁーい!もっとおおきなこえでいいましょう!」
「ぉ、ぉ・・・」
「お?おってなに?なになになになに?まさかあかりちゃん!」
「おなか、おなかさわってほしい・・・なでてほしい!!」
「ふっへはぁぁ!なにそれぇぇ!逆に!逆にそれえっちだからぁぁ!あかりちゃんのえっち!!」
「んいやぁぁぁ!言えっていったのにぃぃ!ひどいよぉぉ!あはははっ!」
なんでおなか!
他に普通もっとあるでしょあかりちゃん!
「ちち!ちちは?おっぱいは?」
「きぃぃぃゃぁぁあぁ!!やすなちゃっあああ!!!いいかたっ!いいかたげひいいん!」
あかりちゃん大暴れしすぎ!
あらら大変!転げ落ちちゃった!
「だいじょっぶちょっ!!起きて!起きて!どうなのどうなの?ふつうそーいうとこでしょ!?」
「おなか!おなかでいい!ちちとかいーい!おなかでいいのぉぉ!」
「なんでそんなおなかがいいの?てか、すわりなよっ、あはははっ」
「だってお腹撫でてると安心するし」
なでてると安心ってことは・・・
「あかりちゃん自分でおなかなでてんの!?えっち!えっちえっち!」
「ひぃぃやぁぁぁぁ!ちがう!ちがう!ちーがーうううう!」
恥ずかしがり方が尋常じゃないよあかりちゃん。
ひとりでそんなことしてたんだ、意外。
意外でもないか?
「毎日触ってるの?」
「さわってないよぉ」
急に小声になった。
これはうそ。
「じゃあ、触りながらアキラくんの事考えたりしてるのぉ?」
「してないよぉ」
ウソウソ、可愛い。
もっと近くで顔見たい。
あかりちゃん可愛い。
「昨日触った?」
「ウン」
あら、かわいい。
「きもちよかった?」
あ、あ、あ、目が泳いでる。
そうなんだ、そうなんだ!
「アキラくんにおねだりしてみたら?」
「変態だっておもわれちゃう・・・きらわれちゃうよぉ」
「おなかぐらいだったらいいって、だいじょうぶだって、おなかいたいーなでてーとか軽い感じで言えばいいよ」
「そう言えば、なでてくれるかなぁ?」
「くれるくれる!もしなんだったら私も一緒に言ってあげる、二人で一緒に言えば恥ずかしくないでしょ?」
ごめんあかりちゃん、私も撫でられたくなってきただけ。
「じゃあ今度一緒に言お?」
なにこれかわいい!何でわたしに上目遣いとかするの!
「きゃぁぁぁぁ!あかりちゃんかわいいいい!!!」
あぁごめん、抱き着いた拍子に髪に鼻水ついちゃった。
後で拭いてあげよう・・・。
さっきまでお互い泣いてたのに、今は一緒に笑ってる。
仲直り出来てよかった。
こんな可愛い子好きになって当然。
コレじゃ勝てない。
私は絶対選ばれない。
それはもう仕方ない。
それでも私は好きでいよう。
でもちょっとぐらいは気にしてほしいな。
私は二人とも大好き。