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供述調書

                  供   述   調   書





1月2日、たぶん(午後)9時頃だったと思います。

マオちゃんから携帯に連絡があったんです。

たった一言「たすけて」と書いてありました。

彼女の身に何か危険が迫っている、私はそう思いかなり動揺しました。


今どこにいるの?と送るとすぐ近くのコンビニにいると返事が返ってきました。


マオちゃんの家は私の家から遠いのに、なぜそんなところにいるのか不思議に思いました。

でも、そんな事はどうでもいいと思うぐらいに焦っていました。



その時私はおねぇちゃん・・・姉とテレビを見ていました。

気づかれないよう平静を装いコンビニに行くと言って家をでました。



「どうしてその事をおねーさんに言わなかったの?」



姉を危険な目に遭わせたくありませんでした。

今思うと言えばよかったなと、反省しています。


「家を出た後、あなたはどうしましたか?」


すぐにコンビニに向かいました。

自転車もあるのになぜか私は走って向かいました。

危険が迫っていると思っているのに、走るとか意味不明ですよね?


私バカなんですよ。


それはどうでもいいですよね。


コンビニにつくとマオちゃんが外にいました。

駐車場のすみっこに座って暗闇に同化してました。


頭から角が生えて暗闇の中にいたんでちょっと怖かったです。


角っていうはコスプレをしてたんです。

真っ黒な衣装で・・・ゴスロリってわかります?


で、その時点で危険は無いなと察し、私はホッとしました。

だって危ないのにそんな恰好しませんよね普通。


でも、マオちゃんはひどく怯えていました。

私は安心させようと抱きしめました。


凄く震えていました。


色々な事を考え、震えている理由を聞いていいものか迷っていると、マオちゃんの方から話してくれました。


私は人間をやめるとか

今日から魔王になるとか


意味不明な事を言われました。

お酒でも飲んでるのかな?って思いましたが、そんな感じでもなく冗談を言ってるようにも見えませんでした。


いや別に普段からお酒飲んでる子ってわけじゃないですよ?

マオちゃんはまじめでいい子ですから、私と違って。


そんなまじめなマオちゃんのいう事ですから、意味不明な言動にも何か意味があるんだと思いました。

私はマオちゃんの話を真剣に聞こうと思いました。


なぜ魔王になりたいのか聞いてみると、魔王にならないと何も出来ないと言われました。

なので、何をやりたいのか聞きました。


私驚きました。


まさかそんな事を言われるとは全く思っていませんでした。


だって、私が好きな男の人の事を好きとか言って来たんです。


「その男性について詳しく教えてもらえる?」


詳しく・・・。

うーん、まぁ見た目は結構イケてるっていうか、ちょっと童顔で・・・。

あぁ、そーいう事じゃない?

詳しくっておねーさんがいうからですよぉ~。


おねーさんは彼氏いるんですか?


「それよりその男性の名前を教えて」


いやわかってますって、それだけ教えてくださいよ!


そんな鬼みたいな顔しないでくださいよ。

わかりましたよ、まじめにしますから!


アキラって名前です、名字は知りません。


「その男性とあなたの関係を教えて」


関係!?

おねーさんまじめな顔してそーいう事聞いちゃう!?

そりゃもうピュアピュアな関係ですよ!!

まだちゅうしかしてませんけど、今後は色々やっていける関係になろうと思ってます!


その色々が聞きたいですか?


「その男性についてはもういいです、さっきの続きを話してください」


はいはいわかりましたよ。


魔王になっちゃうぐらい好きだと言われました。

言ってる意味がよくわかりませんでしたけど、凄く好きな事は何となくわかりました。


だって死にたいって言ってきましたから。

アキラと一緒になれないぐらいなら死んだ方がマシって。

あと、私が生きてるとみんなに迷惑をかけるので死にたいとも言われました。


途中から凄い泣いてて、もう何言ってるかよくわかりませんでした。

とにかく死にたい死にたいを連呼してました。


マオちゃんカッター持ってたんです。

あ、これいっちゃまずいですよね?

聞かなかった事にしてくれません?


無理ですか。


銃刀法違反ってやつでマオちゃん逮捕されないですよね?

私のせいで逮捕されちゃったら嫌ですよ!


そうですか。

ならいいですけど。


そんな物騒な物を持っていたので、ガチで死にたいんだなって思いました。

手首に包帯が巻いてあったので、あぁ、もうこれやってるなって思いました。


私怒りました。


駄目ですよねそんな事したら。

気持ちはわかりますよ。

そんな時もありますよ私にだって。


そしたらこれただのファッションですって言われて・・・。

紛らわしい事するな!って私怒りました。

まぁでもよかったですよ。


もちろんカッターを渡せって言ったんですけど、渡すぐらいなら死ぬって言われて無理でした。

仕方なく諦めましたよ。

だって死んでほしくないですからね。


これからどうしたいのかをマオちゃんに聞きました。


アキラに想いを伝えたいと言われました。

伝えるまでは家に帰らないと言われましたので、お金を渡してネカフェに泊まるよう言いました。


よく考えればそこでアキラを呼べばよかったんです。

なぜそうしなかったのかと言われれば、私がバカだったからとしか言いようがありませんね。


帰りが遅いと姉に気付かれると思い、その日はそれで別れました。


次の日なんですが、姉が出掛けたのでマオちゃんと会うことにしました。


マオちゃんは物凄いやる気でした。

だって変なメイクしてたんです、告白するから化粧したって言ってたんですけど、ただ顔が薄黒く汚れていただけでした。

でも意気込みは感じられました。


応援したいと思いました。

だって友達ですからね。


上手くいったらそりゃ嫌ですよ。

私だってアキラの事大好きですからね。


でもマオちゃんの事も好きですから、上手くいけばいいなとも思いました。


私やっぱりバカなんです。

今自分で言ってて意味が分からないと思いました。


凄い説明しづらいですけど、私達の関係って複雑なんですよね。

今はそんな事どうでもいいですよね。


マオちゃんにがんばってねと言って送り出しました。

ついて行こうとも思いましたが、その場に姉がいる事を知っていたのでバレたら絶対怒られるので私はネカフェの前で待つ事にしました。


しばらくしてマオちゃんが帰ってきました。


告白したのかどうかと聞くと怖すぎて無理だったと言われました。

顔が引きつって震えていました。

まぁだいたい察しました。

何が怖かったのかはあえて聞きませんでした。


しばらくしてマオちゃんが落ち着いてきたので、再び送り出しました。


マオちゃんの帰りを待っていると、姉から着信がありましたが無視しました。

そしたら数分後になぜか姉がやってきました。

びっくりしましたね、超怖かったです。


電話がかかってきた時点で逃げとけばよかったですよ。

今思えばその時点でバレてたんでしょうね。


バカですねホント。


物凄いスピードで走ってきて蹴りをいれられました。

これ暴行罪ですよね?

逮捕はしないでほしいですけど、なんかちょっと言っといてくれませんかね?


だめですか?

あぁはい、そうですか。


何で居場所がばれたんだろう?

女の勘ってやつですかね?


私も女なのにそれが無いんですよね。

不公平ですよね。


勘にしても居場所がわかるなんて・・・。

恐ろしい姉ですよホント。


うちの姉は凄いちっちゃいんですよ。

見た目は小学生なのに中身は悪魔なんです。


私の携帯返してくれたら見せてあげますよ?


え、いいですか。


じゃあ姉の恐ろしさを語るので聞いてください。


いいって言われてもひとりで喋ります。

愚痴ぐらい聞いてくださいよ。


蹴りを入れられて転んでる所にさらに蹴りをいれてきたんです。

むちゃくちゃですよ。


蹴りより先に事情聞きますよね普通。

めちゃくちゃ怖かったですよ。

言葉は悪いですけど、ガチで殺されるんじゃないかと思いました。


殺人未遂ですよ。


まわりにいた人が止めてくれなきゃ延々と蹴ってたでしょうね。

それぐらい恐ろしい姉なんです。


姉は力が弱いので、アザにはなりませんでしたけど。


まぁそんなに怒るのは私が悪い事をした時だけなんですけどね。

でも今回のは私悪い事してないと思うんですよ。


それなのにあんまりですよ。


怖さよりも悲しくて泣きました。

私は悪くないのにボコボコにしてきましたからね。


言っても全然わかってくれませんした。

私悪くないですよね?


違います、さっき反省してると言ったのはそーいう事じゃないです。


それは、あの時点で言っていればこんな大事にならなかったって事で反省してるって意味です。

まさかニュースになるなんて思いませんでしたし。

警察沙汰にもなりましたし。


私のせいなのかなぁ。


私がバカじゃなければもっとうまくできたのかも。


おねーさんはどう思います?


おねーさんならどうしましたか?


そうですよね。


止めますよね普通。


でも死んでほしくなかった。


私はそれしか考えられませんでした。


告白させれば死なずに家に帰ってくれる。

バカなのでそう思ったんです。



友達なら止めるべきでした。



私が出来たのに。


私にはそれが出来たはずなのに。


本当に私は頭が悪いですね。


もっと大事になっていたかもしれませんよね。


みんな死んじゃってたかも。


私を残してみんな死んじゃってたかも。


怖いですね。


そうならなくて本当によかった。



もしそうなってたら、反省してますじゃ済まないですよね。


あぁそっか。


だからおねーちゃんはあんなに怒ってたんだ。


私の行動ひとつで、人が死んでたかもしれないと、そう思ったのかな。

恐ろしいおねーちゃんですよ。


でも、あの時点でそこまでわかる?

勘じゃなくて、もう未来予知のレベルだし。


おねぇちゃん人間やめちゃってるんじゃないかな。


悪魔じゃなくて魔王だよ。


そんな事言ったらまた蹴りいれられそう。


ちょっとそこの人!こんな事も書いてるの!?


マジですか。


それ姉に見せませんよね?


そうですか、それを聞いて安心しました。




まだ帰りませんよ。



姉の愚痴聞いてくださいよ。



この前なんか・・・・・・・・・・。





_   _    _    _    _




これ以上調書に残す必要無しと判断しました。



供述内容から判断し、厳重注意に留め、処分なく帰しました。



ただ、補導歴が数回見受けられる事から写真撮影と指紋を採取しました。





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