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「アキラくん起きて!」


「ふぇ?」


頭痛がする。

これが二日酔いってやつか、初めてなったな。


「おきたぁ?朝御飯できてるから、みんなで一緒に食べよ」


だるい体を起こして、あかりちゃんに手を引っ張られながら、リビングについた。


テーブルにはすでにお父さんとやすなちゃんがいた、どちらも俺と同じく二日酔いのようで頭をおさえて唸っている。


みんなで朝食を食べ始めた。

テーブルの上のお皿には食パンとソーセージとオムレツとサラダとスープがあった。

頭痛のせいで食欲はなかったが、せっかく作ってくれたので全部ちゃんと食べよう。


「あかり、パパこんなで車の運転はできそうもない、水槽は友達と一緒に買ってきてくれないか」


「うん、わかったぁ」


お父さんは俺よりもかなり飲んでたもんな。


「あかりちゃぁ~ん、わたしもむりぃ・・・頭痛がひどくて体もだるいし、こんな状態で歩けなぁ~い」


やすなちゃんは俺より飲んでなかったけど、お酒に弱い体質なのかもな。


「アキラくんは?」


「俺は大丈夫だよ」


頭痛とだるさはあるけど、あかりちゃんを一人で行かせるってのもちょっとな。

______________________


ということで二人で水槽を買いに街へ出た。


今日のあかりちゃんは何だか凄く機嫌がいいな。

さっきからずっとニコニコしていて、いつものツインテが歩くたび風になびいている。

黒い色で耳と目とヒゲだけが書かれた白い大きなシャツを着ていて、うっすらその下から黒いタンクトップが透けて見えている。

あかりちゃんが着てるってことはたぶん猫なんだろうなコレ。

大きなシャツに半分以上隠されてしまってはいるが、デニム生地のヒラヒラしたミニスカートを穿いている。


「どしたの?なんか機嫌いいね」


「だって、パパがね、アキラくんとやすなちゃんの事すっごく気に入ってくれたから嬉しいの!」


お酒は一緒に飲んだけど、やすなちゃんはともかく、俺の事は「気に入る」とまではいかないような・・・。


「そうかなぁ~?」


「そうだよぉ!!だってあのワインすっごく高いんだよ!それを何本も開けちゃうなんて・・・それってすっごく気に入った!ってことでしょぉ?」


そうなんだ、やっぱアレ高いやつだったんだ・・・。


そんな話をしてるうちに、お店についた。


お店で俺が水槽の魚を見ている間に、あかりちゃんが買い物を全てすませていた。


「水槽、今日中に送ってくれるって」


「そっか、じゃあかえろっか」


用事もすんだので早く帰りたい。

元々二日酔いの症状が出てたところに夏の日差しのせいで、だんだん体調が悪くなってきていた。


「アキラくんどうしたの?汗いっぱいかいてるよ」


俺の事を凄く心配そうな表情でみつめてきた。


「なんでもないよ」


「ウソ、体調悪いんでしょ」


あかりちゃんが少し怒ったような顔をしたので、正直に言う事にした。


「わかった、じゃあ早く帰ろ」


あかりちゃんが手を繋いできた。

急ぎ足で俺を引っ張って歩こうとする。


「大丈夫だよ、そこまで体調悪いわけじゃないからそんなに急がなくても・・・」


「いいから早く」


怒ってるわけじゃないんだろうけど、反応が冷たいな。

俺を心配してくれての事なんだけど、ちょっと怖い。


「あっ」


誰かの驚く声がした、俺達の前に、昨日夏祭りで会った女の子が立ちふさがった。

あれ?女の子の着ているシャツってあかりちゃんがこの前買った猫の顔Tシャツと全く同じだ、手には俺でも知ってるようなブランドもののバッグを持っていた。

そして白い短パンを履いていて、すらっと伸びた綺麗な足の先には厚底な黒いヒールをはいていた。

こーいう格好していると結構大人っぽいな、この子いくつなんだろ?

赤みがかったロングの髪が日差しに反射して綺麗に輝いて見え、その髪を手ではらって、女の子がコチラを睨むように見て来た。


「邪魔」


あかりちゃんが完全に敵意剥き出しの低い声を出した。


こわ。



「ナニオコッテンノー?わたし何にもシテナイヨー?」


まるであかりちゃんを挑発するかのように、わざとらしく口調を小バカにする感じで喋ってきた。

無視してあかりちゃんが俺を連れて先へ行こうとしたが、またその前に女の子が立ちふさがってきた。


「どいて、アキラくん調子悪いの、見ればわかるよね?」


「わかるよぉ・・・ねぇアキラ、私とラブホ行って休憩しよ?そこで休めばすぐに良く・・・きゃぁぁっ!!」


驚いた。

女の子の叫び声にではない。

あかりちゃんが女の子を平手打ちで殴ったからだ。


「いったぁぁ!!!なにすんだよてめぇ!!」


女の子が、あかりちゃんの胸倉をつかんでキレてきた。


「そーいう事したいんだったら、他の誰かにして、アキラくんはいまそれどころじゃないの」


胸倉をつかまれてるような状況だというのに、低い声のまま、少しも動揺せず喋るあかりちゃんに恐怖を感じた。


「おまえなぁ!!だからホテルで休もうかっていったんだよぉ!!急にキレてんじゃねぇよ!!!」


「キレてないよ、キレてるのはそっちでしょ」


あかりちゃんがそう言って、少し笑みを浮かべた。

なんでこの状況で笑えるんですかぁ!


「はぁぁ!?殴っといてキレてないとかイミワカンナーイ!!」


その意見には少し同意です。


「ふざけてたから殴ったの、もう一度言うからよく聞いてね?アキラくん体調が悪いの、だから早く家に連れて帰りたいの、それじゃ」


あかりちゃんが無視して俺を連れて先に進もうとしたが、胸倉をつかまれたままだったので、シャツがひっぱられた、ひっぱられても尚、無理やり行こうとするので。


「まってまって!シャツ破れるって!ねぇ君!手をはなしてあげてよ、怒りたい気持ちもわかるんだけどさ、あかりちゃんはただ俺を心配してるだけなんだよ」


「だからって殴るのオカシクナーイ?謝ったら離してやってもイーケドォ?」


「ごめんなさい」


はやっ!あかりちゃんはやっ!頭まで下げてるし!!

でも本気で謝ってるようには見えないな・・・。

あまりの速さに驚いたのか、女の子が手をはなした。


「アキラくん行こ」


「う、うん」


呆気にとられた表情をしていた女の子だったが、みるみるうちにその表情が怒りへとかわっていった。


「バカにしてんじゃねぇぇぇぇ!!」


驚いた。

女の子の大声にではない。

あかりちゃんの頬を女の子が平手打ちしたからだ。


今の大声でやじうまが徐々に集まってきた。


「気が済んだ?これでおあいこだねぇ・・・もういいよね?」


あかりちゃんまた笑みを浮かべてるよ、でも怖い。

俺の手が強くつかまれて引っ張られた。

結構痛い。


「あんたやっぱり悪女だわ!聞いてた話と全然ちがう!何がニコニコしててポワポワしてて、どこが凄く良い子なの!!!」


バッグが飛んできて、あかりちゃんの腰のあたりにぶつかって地面に落ちた。


「ねぇアキラ!!!これがこの女の本性だから!!!こんなの見てもこの女が好きなの!?」


急に何を言ってるんだこの子は・・・。

たしかに今のあかりちゃんは怖いよ、でも本当は素直で優しい女の子なんだ!


「好きだよ!!」


言ってやった。


「はぁぁぁぁ!?おかしいでしょぉぉ!!こんな女のどこがいいの!?あんたの近くには!小さくって可愛くてっ!!凄く甘えん坊なもっといい子がいるでしょぉぉぉ!!」


小さくて可愛くて甘えん坊な・・・。


それはまさか・・・。


ま、さ、か、この子の顔の既視感の謎が解けた。


やすなちゃんに少し似ている!!


「君はもしかして、やすなちゃんのおねーさん?」


「ちげぇよ!!」


あれ?


「じゃあ・・・おかーさん?」


「んなわけねぇだろ!!!」


じゃあ残るの選択肢は・・・。


「いもうと?」


「それしかねぇだろ!!!妹で何か文句あんのか!!」



「「えええええええ!?」」



俺とほぼ同時に、あかりちゃんまでびっくりして声をあげた。

だってあの小さいやすなちゃんの妹って・・・。

誰がどう見ても、やすなちゃんの方が妹って言うでしょ。


「うそぉ!!!やすなちゃんの妹さんなのぉぉ!?あ、あ、どうしよ・・・殴っちゃった・・・どうしよどうしよ!アキラくんどうしよ!!やすなちゃんに怒られちゃう!!」


「あぁ!?急にかわいこぶってんじゃねぇよぉ!!」


女の子がまたあかりちゃんに掴みかかろうとしたのでその腕を俺が掴んだ。


「もうやめとけ、まわりをよく見てみろ」


俺達を取り囲むように、やじうまがかなり集まっていた。


「とにかく続きはここを離れてからな」


俺達はその場を離れた。



___________________


大型店舗内にある、人があまり来ない自販機の場所までやってきた。

その前にある長椅子に俺とあかりちゃんが座って、目の前にさっきの女の子が腕を組んで立っていた。


「アキラくん、調子はどう?」


あかりちゃんがハンカチで俺の額の汗を拭いてくれている。


「大丈夫、涼しい場所でジュース飲んだら結構元気になってきたよ」


実はまだちょっとしんどいけど、元気になってきたのは本当だ。


「ほんとぉ?しんどくなってきたらすぐに言ってね?」


凄く俺の事を心配してくれているな、嬉しいけど・・・なんだか申し訳ない。


「うん、ありがとう、あかりちゃん」


「オイオイ、そうやってアキラをいっつも誘惑してんのかぁ?おっそろしぃ女だなぁ!!」


「あ、あの、あのね・・・さっきはひっぱたいてごめんね・・・アキラくんの事、早く連れていきたくて・・・それで・・・」


あかりちゃん、かなりそわそわしているな、今度は本気で謝ってる感じがする。


「オイオイオーイ!!私にそんな手は通用しないゾー??私の事ナメチャッテくれてますぅ?」


「なめてないよ・・・ごめんね・・・気のすむまで私の事殴ってくれてもいいから」


そう言ってあかりちゃんがイスから立ち上がった。


「あかりちゃん!何もそこまで・・・あのさ、かわりに俺の事殴ってよ、君の気のすむまで俺を殴ってくれていいから」


俺もイスから立ち上がった。


「だめだよ!アキラくんは何もわるくないっ!悪いのは殴ったわたしなんだからっ!!」


女の子が顔をしかめた。


「きもちわるっ!ナニ?何かばいあっちゃってるノォ?これじゃまるで、まるで・・・」


女の子は何か言いたげだったが、その先を言わずに口をつむんだ。


「そんなに仲がいいなら、さっさと付き合えばいいでしょ!!アンタたちがハッキリしないから!!おねぇーちゃんだって諦めきれないんでしょ!!!」


・・・。


この子の言いたい事はよくわかる。

そんなのわかってるよ!


「いろいろあるんだよ!俺たちには色々あるんだよ!!」


「いろいろってナニィ?どうせおねぇちゃんの事キープしてんでしょぉ!?この女に飽きたら、おねーちゃんに乗り換えようって考えてんでしょぉ!?」


「そんな事考えるわけないだろ・・・おれは、おれは、やすなちゃんの事、傷つけたくないんだよ・・・俺達はこれでいいんだよ!!」


俺達はこれでいいんだよ、だって結構うまくいってるじゃないか。

昨日だって一緒にお祭り楽しんで、そのあともみんなですき焼き食べて、そのあとお酒も一緒に飲んで・・・。


「いつまで続けるつもりナノォ?今の状態を一生続けるつもりナノォ?その女を好きって言い続ける姿を一生おねぇちゃんに見せつけていくつもりナノォ?」


痛い、胸がいたい。


この子の言葉が心に突き刺さっていく。


「じゃあどうしろっていうんだよ・・・俺とあかりちゃんが付き合ったら、君のおねーちゃんは深く傷つく事になる・・・あかりちゃんとやすなちゃんの関係だって壊れてしまうだろ」


「それで壊れるぐらいの関係だったらさっさと壊しちゃえばイージャン!!」


「やだぁ・・・やだっ!やすなちゃんとずっと仲良しでいたいもん!!」


あかりちゃんが涙声でそう訴えた。


「ムリムリムリィ!!そんなの絶対ムリィ!!どうしてもおねぇーちゃんとずっと仲良しのままでいたいんだったらさぁ・・・アキラをおねぇーちゃんに譲ってよ!!」


「やだぁっ!!!」


あかりちゃんが大声を出した。

表情には少し怒りの感情が見えはじめ、目には涙をためていた。


「ホラホラやっぱりね!!おねぇーちゃんより結局男をとるんだからっ!!これがこの女の本性!!これでもこの女が好きっていうの!?」


「好きだよっ!!あかりちゃんはなぁ!!嫉妬で怒り狂って鬼みたいな顔する女の子なんだぞ!!そんな子が、そんな子がなぁ!!俺と付き合う事より、やすなちゃんと仲良しでいられる道を選んだんだよぉ!!それがどーいう事かわかるだろぉぉ!!」


「はぁ?何言ってるかゼンゼンイミワカンナイ!!」


イライラしてきた。

この子に、あかりちゃんがやすなちゃんを大好きな事を、どうしてもわからせてやりたいからだ。


「あかりちゃんは、あかりちゃんはなぁ・・・やすなちゃんの事が大好きなんだよぉ!!!」


「そんなに大好きなら、おねぇーちゃんに男譲ればいいでしょ!?」


「それでやすなちゃんが喜ぶと思ってんのかよぉぉ!!!きぃつかって男譲られて!!それで君のおねぇーちゃんは本気で喜ぶと思ってんのかよぉぉぉ!!!」


涙が出てきた。

あかりちゃんだって色々考えてんだよ・・・。

俺なんかよりもっと苦しいはずなんだよ。


「なんなの・・・あんたたちはそれが正しい事だとおもってんのぉ!?クソっ!クソクソクソォッ!!!


女の子のバッグが俺に投げつけられ、顔にぶつかった。

その拍子に中身が飛び出した。

あかりちゃんがそれらを拾っていく。


「きたねぇ手でさわんじゃねぇよ!!」


あかりちゃんの手を叩いて払うも、あかりちゃんが気にもせず中身を拾い集めて、バッグを女の子に差し出した。

それを強引に奪い取るようにして受け取る女の子。


「アンタたちは間違ってる!!そんなやり方おかしい!!全然何も正しくなんかないっ!!さっさと付き合って二人でおねぇーちゃんの前から消えてよぉぉ!!おねーちゃんをこれ以上くるしめないでぇぇぇ!!」


そう叫んで女の子が走り去っていった。

泣いていた、あの子は泣いていた、あの子はきっとやすなちゃんの事・・・おねぇーちゃんの事が大好きなんだ・・・。

あの子の言う通りだ、これが正しい事だとは思わない、でも・・・それ以外に方法が思いつかない。


「あきらくん・・・ありがとう」


「お礼を言われるような事は何もしてないよ」


「私の事かばってくれたよね?だから、ありがとう」


かばったとかそんないいもんじゃない。


「俺はただ・・・あかりちゃんが・・・あかりちゃんがやすなちゃんを大好きだって事をあの子に伝えたかっただけなんだ・・・」


「ウン・・・ありがとぉ・・・うれしい」


あかりちゃんが涙を流しながら俺に笑顔を見せてくれた。


「わたしって鬼みたいな顔してたの?」


「あ、いや、それは・・・言い過ぎました・・・」


「ふふふ、別に怒ってないよぉ?」


あかりちゃんが俺の頭を撫でて来た。


二人でイスに座った。


「ねぇあかりちゃん、俺はあかりちゃんの事好きだよ」


「どしたの急に?」


あかりちゃんが不思議そうな表情を俺に見せてきた、少し頬が赤くなっている。

照れてるな、可愛い。


今更かもしれないが、あかりちゃんに俺の気持ちを、今考えている事をちゃんと伝えよう。


「俺はあかりちゃんと付き合いたいと思っている、でもそれは、やすなちゃんを傷つける事になると思って出来ないでいるんだ」


「うん」


あかりちゃんは俺の目をじっとみつめてきた。


「えぇと、その、誤解しないでほしぃんだけど・・・やすなちゃんの事は結構好き!でも、それは恋愛感情ではないんだ」


「うんうん、大丈夫、鬼みたいな顔しないから安心して、ふふふ」


よかった笑ってくれて。

ちょっとそうなるんじゃないかと怖かったんだ。


「やすなちゃんの事、可愛いと思う、俺にとって結構大事、ハッキリ言って、友達以上の感情を持っているのかもしれない、でもそれは恋愛感情じゃない、それはほんとに間違いないんだ」


「うん、わかるよその気持ち」


「手を握られたり、抱きしめられたリ、ちゅーとかされるとドキっとしてしまうけど、それでも恋愛感情は湧いては来ない、あかりちゃんの事が好きだから、やすなちゃんを好きになってはいけないと思ってるんだ」


「うん」


あかりちゃんが少し眉をひそめた、さすがにちょっと嫉妬されたか。


「じゃあ、もし私を好きじゃなかったら、やすなちゃんを好きになってた?」


「う~ん、それ言わなきゃだめ?」


「うん、言って」


鬼みたいな顔になりませんように。


「もし、あかりちゃんよりも先に、やすなちゃんに出会っていたら・・・好きになっていたかもしれない・・・」


「むぅぅぅ」


あかりちゃんが唸ってきた。

顔が少し怒ってるような気もする。


「いやでもさ、もしもの話より、今の話をしようよ、俺はあかりちゃんが好き!やすなちゃんに恋愛感情はない!」


「むぅぅぅ・・・変な事聞いてもいい?」


「あ、はい、どうぞ」


なんだろう?あかりちゃんの顔がさっきよりも赤い。


「やすなちゃんとえっちしたい?」


「は、はぁ?・・・確かに変な事聞くねぇ・・・いや、あの、それは・・・したくない・・・です」


ぶっちゃけ微妙な所だな。

悲しいかな男の性。

やすなちゃんを性的な目で見た事はないとは絶対言い切れないぞ。


「もしやすなちゃんに迫られたら拒否できる?我慢できる?」


「それは大丈夫!!きっとそーいう場面になればあかりちゃんの事を考えて、俺はそれを受け入れない!」


ほんとにそうか?

頭ではそう思っていても、実際そーいう事になったら拒むことが出来るんだろうか?

いや、断る!だってあかりちゃんが好きだから!!


「ほんとにぃ?・・・前にそんな感じでからかわれた事あるんだけどね、やすなちゃんが冗談だよ~って言ってくれなきゃ、私ヤバかったかも・・・アキラくんにあれを拒否できるとは思えないなぁ」


「凄い事してんねきみたちは・・・やすなちゃんにあかりちゃんを寝取られる日が来るかもね」


「わぁ、それは大変だぁ・・・もっと変な事聞いていい?」


今度は耳まで赤くなってきたぞ。


「どうぞ」


「えぇっと・・・うぅ・・・わ、わた、わたしと・・・その・・・えっちしたいとか思う?」


「凄い質問してきたね、ま、まぁ・・・それは考えなくもない、だって好きな相手に対してそーいう事考えるよね普通」


なんか凄い話してるな俺達。

まわりに人がいない事をたしかめた。


「そ、そうなんだ・・・私ってそーいう魅力全然ないと思ってたから・・・その、そーいう事思ってくれてて、うれしい」


あかりちゃんは恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべた。


「魅力無い事はないよ、あかりちゃんは十分魅力的だと思うよ?」


「どのへんが?」


「えぇと・・・足、とか」


俺はあかりちゃんの足をチラ見した。


「えぇ~うそぉ!足すっごい太いよ!これのどこが魅力的なの!?」


なぜかちょっと怒った顔をされた。


「あかりちゃんは太いって思ってるかもしれないけど、俺にはそれが魅力的な足に見えるの!!ぶっちゃけちょっと触りたいとか思うし・・・あぁぁ!!今の無し!!」


勢いで変な事を言ってしまった。


「うぅ・・・足を触られるのは恥ずかしいからむりぃ・・・でも触られてもいいかなぁ~ってちょっと思う・・・でもやっぱりむりぃ!」


あかりちゃんが赤い顔でかなり動揺しはじめた。


「いや、あの、触らせろって言ってるわけじゃないから、まぁ、落ち着いてよ」


「ふぁぁ・・・あつい、あついね・・・」


あかりちゃんが自分の顔を手で扇ぎ始めた。


「ねぇ・・・やすなちゃんとはくちにちゅーしたぁ?」


今回は前置きないんだな。


「してないよ、ほんとだよ?なんだったらやすなちゃんに確かめてもいいよ」


「そんな事しなくても信じるよぉ・・・・あのね、ほっぺはいいけど、口にはしちゃだめだよぉ?」


凄く不安そうな顔をしながらも顔が真っ赤だ。


「しないしない、ていうか、ほっぺにも俺からした事ないからね?」


「そうなんだぁ・・・じゃあ、あの、あのね・・・ふぅ・・・はぁ・・・あのね・・・ほっぺ・・・ふぅ・・・ほっぺにぃ・・・ちゅうしてほしぃ」


真っ赤な顔で、潤んだ瞳をコチラに向けて来た。

瞬きを凄い速さで繰り返していて、その緊張がこちらにも伝わってくる。


「唇じゃなくていいの~?」


少しからかうように言ってみた。

してって言われたらどうしよう・・・。


「それはむりぃ・・・だって恥ずかしいもん」


俺から目を反らした、ほんとに可愛いなぁこの子は。


「じゃあするから頬向けて」


「だ、だれもいないよね!?撮影されてネットに拡散されたら恥ずかしいよ!!」


「だいじょうぶ、誰も来てないよ、早くしないと誰か来ちゃうかもよ?」


あかりちゃんが頬を向けたので。


「いいんですかね?もうしますよ?」


「はいっ!心の準備は出来ておりますよ!」


お互い変な口調になっていた。


緊張、してきた。

唇にやったらどうなるんだろう?凄く恥ずかしがりそうで、ちょっと見てみたい。

もしかしたら物凄く怒るかもしれない・・・。


それはやめておこう。


ゆっくりとあかりちゃんの頬にちゅーした。

柔かいほっぺだな、そして熱い。


「はふぅ」


力の抜けたような声が聞こえ、身震いしていたのが可愛かったので、もう一度した。


「ふぁぁ!もういい!もういいよぉ・・・」


あかりちゃんが身を引いて体を縮こまらせた。


「えへへへ・・・ぞわぞわする・・・うれしぃ・・・」


鳥肌でもたっているのか、腕を手でこすりながら照れ笑いしている。


「ふへへへへ・・・んぅ・・・ちゅっ」


あかりちゃんが頬にちゅーしてきた。


今回はびっくりはせずに、普通に嬉しかった。


「おかえし」


そう言ってまた照れ笑いを浮かべた。

とんでもなく可愛いと思った。


_________________


手を繋いで帰路の途中、あの子、やすなちゃんの妹について話そうと思った。


「ねぇあかりちゃん、あの子の事、今日会った事、やすなちゃんに話そうか」


「うん、あと、3人で、これからの事について色々と話がしたい」


これからの事。

あかりちゃんがそれをどーいう意味で言ったのかはわからないけど・・・。

俺もそれなりの覚悟をしないとな。



家につき、リビングに入ると、パジャマ姿のままのやすなちゃんがソファで寝っ転がっていた。

体をビクっとさせると、すぐに素早い動作で起き上がってきた。

顔を見た感じ、寝てたっぽいな。


「おかえりぃ~!見て見て!二人が出掛けてる間に水槽がとどいたのぉ!」


まじかよはえーな。

まぁ色々あって帰るの遅かったからな、まだおやつの時間だけど。


水槽を見ると、明らかにやすなデメキンの方が綺麗で立派な水槽で、中のオブジェも草やらサンゴやら豪華な神殿や大きな沈没船みたいなものまでついていた。

やすなは沈没船の中をゆっくり出たリ入ったりを繰り返している、遊んでるのかな?

アキラあかり水槽の方にも多少オブジェが追加されていたが、やはり、やすなのほうが豪華だ。


「手のかかる子ほど可愛いってね!ひとりで寂しそうだったし、これぐらいしてあげたって別にいいよねぇ~」


「やすな、よかったねぇ~おかーさんにお家作ってもらえてぇ~」


あかりちゃんがニコニコしながらやすなをみつめた。


「あ、あかりちゃん、お父さん急な仕事が入ったとかで出かけたよ、でも今日中に帰れるよって言ってた」


「そうなんだ・・・あ、あのね、やすなちゃん・・・ちょっと話があるんだけど」


「・・・なに?」


あかりちゃんの態度で察したのか、やすなちゃんが神妙な面持ちになった。


「とりあえず、座って話そ・・・」

_________________________________________


やすなちゃんに妹と会った事を話した。

言われた内容についても少し話をしておいた。


「くぁぁぁぁ!!ほのかのやつぅぅぅ・・・おねぇちゃんに恥かかせんじゃないわよぉ・・・なんてことしてくれたのあの子」


やすなちゃんが頭を抱えた。

あの子は「ほのか」っていうのか。


「あの子いっつもそうなの!他人の問題に首つっこんでかきまわして・・・ほら、この前のカラオケの時に遅れたのだってあの子が原因で・・・まぁそれはいっか、身内の恥をわざわざ話す必要もないし・・・」


頭を抱えたまま、テーブルに二度ほど額をぶつけた。


「ごめんなさい!!私があの子に少し話しちゃって・・・でも別にそんなに詳しく話してないよ?ただ・・・ただちょっと、友達と同じ人を好きになったって言ったぐらいで・・・くぅぅぅ!何で話しちゃったんだろ・・・私どうかしてた!ほんとにごめん!ごめんなさい!!」


そしてまたテーブルに額を何度かぶつけた。


「別に謝らなくてもいいよ、私の方こそごめん、妹さん、ほのかちゃんの事、ひっぱたいちゃって・・・」


「えっマジ!?いいのいいの!!どんどん殴っちゃえばいいんだってあんなヤツ!!でも驚いたぁ・・・あかりちゃんって怒ると怖いって思ってたけど、手までだしちゃうんだねぇ」


「あぅぅぅ・・・ごめんなさいぃ」


あかりちゃんが両手で顔を隠した。


「別に責めてるわけじゃないよ?・・・ねぇアキラくん、浮気したら骨一本どころじゃすまないかもね?あはは」


「怖い事いうなよ、笑い事じゃないって・・・」


いやマジで怖い。


「だいじょうぶだよ、アキラくん浮気なんかしないよねぇ?・・・ね?」


「はい、致しません」


あかりちゃん笑ってるけど怖い。


「あのね、やすなちゃん・・・わたしね、やすなちゃんの事大好き」


「ほぁっ!急にどうしたのぉ・・・照れるよぉ」


やすなちゃんが照れ笑いを浮かべて赤くなった。


「アキラくんもやすなちゃんの事好きって言ってたよ」


「あぁ、うんうん、恋愛感情なしでって事でしょ」


「うん、でも、やすなちゃんに対して、友達以上の感情を持ってて、結構好きって言われたよ」


それ言っちゃうんだ。

まぁいいけど。


「ふぇぇ・・・なにそれぇ・・・よくそんな事あかりちゃんに言ったねぇ・・・どの指の骨にヒビが入ってるのかなぁ?」


恥ずかしながらも冗談を言う余裕あるなんて、さすがだな。


「ねぇやすなちゃん、私に対して何も気をつかわなくていいよ、アキラくんの事・・・えっちな事で誘惑しても構わないから」


何言ってんのあかりちゃん!?

驚きのあまり、言葉が出て来なかった。


「あかりちゃん!それはだめでしょー!だってアキラくんはあかりちゃんの事好きなんだし・・・それを誘惑しちゃったらまずいでしょー?」


「うん、まずいね!私嫉妬で鬼みたいな顔になるよ!」


それ結構気にしてるんだね。


「じゃあだめじゃん!私そんな事しないよぉ・・・今のこの関係でいいよ・・・あかりちゃんとも、アキラくんとも、ずっと仲良しでいたいもん」


やすなちゃんが優しく微笑んだ。


「やすなちゃんはそれでいいの?辛くない?ん~ん、辛いよね?・・・だから、アキラくんを誘惑して寝取ってもいいよ」


「何言ってんのあかりちゃん!?」


今度は喋れた。


「あかりちゃん・・・あかりちゃんはやっぱりすごいね!無理だよ無理、これじゃ敵わない!あはは・・・寝取るとか無理だって・・・そんな事したら、あかりちゃん泣いちゃうでしょ?」


「うん!泣いちゃうね!泣きすぎて干物になっちゃうよ!でも、やすなちゃんが泣くのもやだ!!」


「あはは・・・ねぇ、二人とも、今すぐ付き合っちゃいなよ」


「やだね!!俺はやすなちゃんを傷つけたくない!!」


「私もやだっ!」


「いいよそーいうの・・・だってやだよ・・・私のせいで二人が幸せになれないんて・・・別に付き合っても、そんな泣かないって!まぁ、少しは泣くけど」


やすなちゃんが無理に笑みを浮かべた。


「でも付き合ったらやすなちゃんとは、もう友達でいられないよね?私、やすなちゃんとずっと友達でいたいよっ!」


「それは大丈夫・・・私友達でいられるよ!!・・・まぁ、付き合ってる二人を見るのは辛いかもしれないけど・・・時間が解決してくれる、とかってよく言うでしょ?」


そうかな?

解決してくれるとしても、その間ずっと辛いんだよ?


「ねぇやすなちゃん、あえて言うけど、俺はあかりちゃんと付き合いたいと思ってる」


「おぉ!良かったねあかりちゃん!ホラホラ!付き合っちゃいなよぉ!」


そう言ったやすなちゃんの目から涙がこぼれきた。


「違う!これは違うの!私はホントに・・・二人にっ!!幸せになってほしいって思ってる!!!」


涙声になってきた、その言葉は本心かもしれない、けど、泣くほど辛いんだ!!


「やすなちゃん、さっきも言ったけど、俺は君を傷つけたくない!!君の事も大切なんだ!!」


「アキラくんそれはだめ、それは意味わかんない、恋愛感情の無い大切ってなに?友達以上の感情ってなに?」


それを上手く言葉にする自信がない。

感情をそのまま心にぶつけられたら楽なのに。


「ちょっと待って!今考えるから!!」


「今考えるの!?あはははっ!なにそれっ!!あはははははっ!」


やすなちゃんが笑ってる間に考えるんだ。


やすなちゃんに対して恋愛感情は間違いなく無い。

ただ、この子を大切にしたいって思う。

傷つけたりしたくない、泣かせたりしたくない、いつも笑っててほしい!


そう今みたいに!!大爆笑しててほしい!!


「やすなちゃん!!」


「はぁ~い!あはははっ!考えはまとまりましたかぁ?あはははっ」


「俺は君に笑っててほしい!!」


「今笑ってるよ!あはははは!」


「そう!!そうやって笑ってる君を側で見ていたい!!友達じゃない!!もっと別の何かとして一緒にいてほしい!!」


自分で言ってて意味が分からない。

でもこうとしか言えなかった!


「えぇ?なにそれぇ?ねぇあかりちゃん、アキラくん意味わかんない事いってるよ?いいの?」


「うん!私も意味わかんない!!でもなんとなくわかる!!アキラくんはやすなちゃんの事大好きだって!!」


え?そうなの?俺はやすなちゃんの事大好きなのか・・・。


「そ、そうだ!俺はやすなちゃんの事大好きだ!!」


「ねぇなにそれ?それには恋愛感情がないんでしょ?」


「ない!」


「でも私の事大好きなの?」


「そう!!」


やすなちゃんが困惑している。

俺だってわけがわからない、自分の事なのに。


「何て言えばいいからわからない!!とにかく一緒にいたい!!この3人で一緒にいたい!!」


「うんうん!!私もおんなじ!!アキラくんとやすなちゃんと、わたしっ!3人でいっしょにいたいよっ!!」


「あのさぁ、二人ともどうかしてるでしょ?ふっふふふ・・・じゃあどうするの?私のせいで一生付き合えないけどそれでもいいの?そんなの無理でしょ?ね?」


やすなちゃんが俺の顔を見てきた。


「あかりちゃんとは付き合いたいけど・・・でもやすなちゃんに笑っててほしいから付き合わない」


「えっ、だからそれだめだって・・・私はそれがいやなの!!あかりちゃんは?アキラくんと付き合いたいでしょ?ね?」


今度はあかりちゃんの顔をじっと見つめている。


「わたしはねぇ・・・アキラくんより、やすなちゃんの方が大事だから付き合わない!!」


「うおまじか!それはそれでショックだけど、まぁしょうがないか!!」


やすなちゃんがさらに困惑しはじめた。


「おかしいよ、おかしい・・・何でも二人とも私の事ばかり考えてるの?何で私を優先させてるの?笑ってほしいとか、私の方が大事とか・・・全然意味わかんない」


やすなちゃんの目から大粒の涙がこぼれてきた。


「意味わかんない・・・意味わかんないのに・・・何で嬉しいのかな?・・・でも私はアキラくんの事好きなの・・・ちゅーもしたいし、えっちなこともしたいよ!!でも、でもね!もうなんかそーいうのどうでもよくなってきた!!あはっあはははははは!」


やすなちゃんが笑っている、泣きながら大笑いしている。


「私も3人一緒が良いよ!この3人がいい!!でも私はやっぱりアキラくんが好き、さっきどうでもいいって言ったのにおかしいよね・・・ねぇあかりちゃん!アキラくんがもし私の事を好きになったらどうするの?ありえないけど!!」


「泣く!!でも、やすなちゃんに幸せになってほしいから、おめでとうって言う!!」


「なにそれっ!!あっははははは!!おかしい!おかしいって!!私、略奪愛しちゃうかもしれないよぉ?アキラくんの事、寝取っちゃうかもしれないよぉ?あははははっ」


やすなちゃんが手を叩いて笑っている、目から涙があふれ、どんどんこぼれ落ちてゆく。


「ねぇアキラくん、これって結局どうしたらいいの?」


やすなちゃんが半笑いで聞いてきた。

どうしたらいいって・・・。

どうしたら一番いいんだ??


「あかりちゃん!どうしたらいい?」


「やすなちゃん!どうしたらいい?」


「あっはははははははははははは!!」」


やすなちゃんがまた手を叩いて笑い出した。

つられて俺もあかりちゃんも少し笑ってしまった。

笑ってはいけない気がしたけど、つられて笑ってしまった。


「あはっ!なにこれっ!おかしっ!みんなバカじゃないのっ!!とくにアキラくんが一番バカだよっ!!」


「えっ俺かよ!!」


「笑って側にいてほしいってなに!?よくあかりちゃんの前でそんな事言えるね!!バカじゃないのっ!!あははは」


「いや違う、笑ってる君を側で見ていたい、友達じゃなくて、友達じゃない別の何かとして一緒にいてほしい!だよ」


やっぱり、自分で言ってて何言ってるか全然わかんねーな!


「別の何かってなに!?」


「わかんねーよ!!自分でも何いってるか全然わからん!!」


「あはは・・・あぁ・・・さすがに笑いすぎて疲れて来た・・・ねぇアキラくん私とえっちしたい?」


平気な顔で何聞いてるんだよ。

あかりちゃんみたいな事聞くなよ。


「したくない!!」


「うっそだぁ・・・もしここで私が裸になるって言ったら見たいでしょ?」


「見たいよ!!でも見ないよ!!」


思わず本音が先に出てしまった。


「じゃあえっちは?」


くそぉ、その顔だ、俺をいつもからかう、その顔だ!


「あーあーあー!!俺は負けない!頭でそーいう事考えてても、俺は絶対にしないからっ!!だって俺は君を大切にしたいから!性欲なんかに負けねぇよ!!」


これじゃやりたいって言ってるようなもんだろ。

あかりちゃんの時と答え変わってるし!絶対鬼の顔されてるわ、あかりちゃんの方見れない。


「うん!その言葉が聞きたかった!うれしい!!」


やすなちゃんが満面の笑みを浮かべた。


「ねぇあかりちゃん!一緒にアキラくんにちゅーしよ?」


「うん!しよしよ!!」


えぇ!?

あ、あかりちゃん、別に鬼の顔してなかった。


「待つんだ二人とも!話がまだまとまってないだろ?」


そうだよな?結局俺たちはどうしたらいいのかよくわからん。


「えっ?だから3人一緒にずっといようって事でしょ?」


「それはまぁそうだけど、やすなちゃんはそれでいいの?」


「いいかって聞かれたら、ハイってハッキリ言えないけど・・・二人にとっては3人でいられる事が幸せなんだよね?」


幸せか・・・。

3人一緒で楽しい事が幸せというならそうかもな。


「私はしあわせぇー!」


あかりちゃんが元気よく答えた。


「俺だって幸せだよ!だって3人でいる時って凄い楽しいじゃん!」


「じゃあいい!私それでいい!!私のせいで二人が不幸せになるのが嫌だったけど・・・二人が幸せだって思うんだったら私はそれでいい!!」


・・・。


「ん?あれ?話がまとまったのこれ?」


なんか色々、強引にまとまった気がする。


「やすなちゃん!コレまとまったのー?」


あかりちゃんがニコニコしながら聞いている。


「知らな~い!何か問題出てきたら、その都度またこうやって話せばいいんじゃないの?」


「やすなちゃん、それは名案だな」


「うん!やすなちゃん、それは名案だな」


あかりちゃんが俺の口調をマネてきた。


「よぉ~し!話がまとまった所で、今からみんなでえっちな事するぞぉー!」


「はぁ???」


やすなちゃんが拳を高くあげて、いきなりとんでもない事を言い出した。

いやいや、3人仲良くってそーいう意味じゃないだろ!!


「するするー!!」


「あかりちゃんまで何言ってんの!?」


どうしてこうなった!?

わけわかんない事ばかり言いすぎたせいで、二人とも頭のネジがはずれたか!?


「二人とも落ち着けって!!そーいうノリでやっちゃうとか良くないって!!俺はそーいうの嫌だからな!!!」




「「あっははははははは」」



二人が笑ってる。


俺の顔を見て、とても楽し気に笑いあってる。


何で笑ってるの?やっぱり頭のネジが飛んで・・・。



あ。



顔が熱くなってきた。


凄い恥ずかしくなってきた。


だって俺。


からかわれて笑われてるんだからな。


「おまえらなぁ!!」


「そーいうノリでやっちゃうとか良くないってぇ!!」


俺がさっき言ったセリフを俺のマネをしながらやすなちゃんが叫んだ。

ひょっとしてその変な顔も俺のマネしてんのか?


「俺はそーいうの嫌だからなぁ!!!」


あかりちゃんまでぇ・・・。


また二人とも大笑いしてるし!!!


「なんだよぉっ!!マネすんなよっ!!」


二人が笑いながらイスから降りてこっちにやってきた。

そして座っている俺の両脇に立った。


「んふふ、おこっちゃだーめっ・・・ちゅっ」


やすなちゃんから左頬にちゅーされた。


「アキラくん、ごめんね・・・ちゅっ」


あかりちゃんから右頬にちゅーされた。

両脇に立たれた時点で、なんとなくそうなんじゃないかと思っていたので、それほど今回は驚かなかった。


「あらら?反応なくない?・・・ちゅっ」


やすなちゃんからまたされた。


「あきらくぅん・・・すきぃ・・・ちゅっ」


「ぐっ」


あかりちゃんが右耳に甘えた声を聞かせた後、すぐにちゅーしてきた。

これはちょっとヤバイ。


「あかりちゃんやるぅ!・・・じゃあ・・・あきらくぅん・・・おっぱい・・・ちゅっ」


「ぐぉ!ってなんだよそれぇ!!」


ただちょっと左耳にえっちな言葉をささやかれただけで、反応してしまった自分が情けない。


「なるほどぉ!そーいうのもアリかぁ」


「いやいや、あかりちゃん!感心しなくていいから、マネとかしなくていいからね?」


「う~ん・・・デメキン・・・ちゅっ」


「うぉぉい!」


何でデメキンで反応したんだ?

俺にもわからん。


「あっれぇ?デメキンってえっちな言葉だったかなぁ?」


わざとらしく俺に顔を近づけて、俺をからかってくるやすなちゃん。


「で、め、き、ん、」


やすなちゃんが耳元でデメキンをセクシーな感じで言ってきた。


「金魚だろ!!デメキンは金魚!!そこで泳いでるのがデメキンだよぉぉぉ!!」


俺は水槽でゆらゆらと泳ぐやすなを指さした。


「アキラくんは金魚に興奮しちゃう変態さんなのかなぁ?あはは」


くっそー!

やすなちゃんめ・・・。

もう許さん!!


俺は携帯を取り出して操作し、夏祭りで撮ったやすなちゃんのうっとり顔を見た。


「ちょおおおっと!何見てんのおぉぉ!!」


「俺をからかった罰だ!!今からこれをずっと目の前で見続けてやる!!」


「やーめーてーぇ!はずかしーぃ!!みないでぇぇぇ!!」


やすなちゃんが飛びついてきそうだったので、俺はイスから立ち上がって、携帯を高く掲げ、画像を見ながらリビングを小走りに移動した。


「やーだぁ!みちゃやーだ!あぁぁぁん!!」


やすなちゃんが真っ赤な顔で恥ずかしそうに追いかけて来た。


後ろ向きに歩いて、やすなちゃんをからかっていると、やすなちゃんが携帯を取ろうと飛びついてきた。


飛びつかれた事でバランスを崩し、俺といっしょにやすなちゃんもズッコケた。

後頭部に鋭い衝撃と痛みが走った。


「いってぇ・・・頭うった・・・やすなちゃん?だいじょう・・・ぶ?」


無意識だった、無意識に一緒にズッコケたやすなちゃんをかばったのだろう、俺はおもいきりギュッとやすなちゃんを抱きしめてフローリングに転がっていた。


やすなちゃんは動かず、ただじっとして胸に顔をうずめて、俺の体の上に乗っかっている。


「もぉ~ふたりともぉ、あぶないよぉ~?ケガしてなぁ~い?」


あかりちゃんが心配そうに俺を見下ろしてきた。

ぐっ!?

白い下着がスカートからちょっと見えた、俺は慌てて目線を逸らした。


やすなちゃんの背中に回していた腕を離すと、やすなちゃんが一人でフラフラと起き上がった。

俺も起き上がると、少しフラフラした。


「ねぇアキラくん!3人で写真撮ろ!」


「う、う~ん、わかった」


後頭部をさすりながら、携帯を撮影モードにしていると、二人が擦り寄ってきた。

携帯を自分達に向けると、3人並んではいるが、やすなちゃんの背が小さいので微妙に映りが悪い。


「やすなちゃんは真ん中にいって、俺とあかりちゃんが両脇に立つから」


言った通りに、真ん中に移動して俺たちが両脇に並んだが、なんというか・・・親子みたいだな。

俺が父親、あかりちゃんが母親、やすなちゃんが娘っていう、ね。

言うと怒りそうだから言わないけど。


「なにこれ、わたしが二人の子供みたいでヤダ!」


みずから言うんですか。


「じゃあこうしよっかぁ・・・」


あかりちゃんが少し屈んでやすなちゃんの頬に自分の頬をくっつけた。


「アキラくんもして」


「ぇ、う~ん」


それってやすなちゃんに思い切りほっぺをくっつけろって事でしょ?

ちょっと恥ずかしいな。


「うぅぅ、屈んでて腰がいた~い、はやくぅ~!」


あかりちゃんが急かすので、思い切って屈んだ状態でやすなちゃんに頬をくっつけた。

柔かいほっぺだな、そして暖かい。


「ふにゅ、ふにゅぅぅ」


やすなちゃんが弱々しい声を出しながら、顔を真っ赤にしてかなり鼻息が荒くなってきた。

これぐらいでそこまで照れなくても・・・。


「こしょこしょぉ~!」


カメラ目線のまま、やすなちゃんの脇腹をくすぐりだすあかりちゃん。


「あかりちゃっ!やんっ!やっ!くすぐったい!あはっ、あははははは!やめっ!やめてぇ~!」


よし今だ!



シャッター音がなり、画像を3人で確認した。


くすぐられているやすなちゃんは、顔を赤くしながら満面の笑みを浮かべている。

あかりちゃんも凄く楽しそうに笑っている。


俺はというと・・・ちょっと笑ってるか?

二人に比べれば全然だな。


「ナニコレ~!私わらいすぎぃ~!」


「いいねいいね!凄くいい写真が撮れたよ!」


たしかに、とてもいい写真だな。


ハッキリ言って、俺達の関係は変だ。

その自覚はある。


三角関係?

いや、それとはちょっと違うような。


さっきの話し合いだって、ホントにあれで話がまとまったと言えるのだろうか?



:何か問題出てきたら、その都度またこうやって話せばいいんじゃないの?:



やすなちゃんの言葉が脳裏に浮かんだ。

そうだな、やっぱそれしかない。

そんなすぐに解決できるような簡単な関係じゃないんだ俺たちは・・・。


この画像のように、いつまでも3人仲良く頬をくっつけあう事が出来る関係でありたい。


________________


やすなちゃんと二人で駅に向かって歩いていた。

そういえばやすなちゃんの着ている服はあかりちゃんから借りたんだろうな。


ふてぶてしい顔の猫がプリントされたピンク色のシャツと青色ヒラヒラミニスカートを穿いていた。

サイズがあってないのか、ちょっとぶかぶかしてて可愛い。



あかりちゃんが夕御飯もいっしょに、と言ってたが、俺達はそれを断り帰る事にした。

あんまりずっとお世話になるのも悪いしな。


「楽しかったね」


やすなちゃんが視線を前に向けたまま、不意に話しかけて来た。


「そうだね、夏祭りから始まって、すき焼き食べて、ワインも飲んで、この二日間で色々あって楽しかったよ」


「ずっと一緒にいられればいいのにね」


どこか不安気な感じでやすなちゃんがそうつぶやいた。


「そう決めたじゃん!ちょっと強引な感じだったけどさ・・・やすなちゃんも言ってたじゃん!問題が出てきたらまた話し合おうって!」


「そだね」


元気がない。

どうしてだ?

なんでそんな悲しい顔してるんだ。


「何考えてるの?」


「う~ん・・・あのね、3人一緒でいる事には何の不満もないんだけど、それによってあるひとつの問題が発生しちゃってるんだよねぇ」


さっそく問題が出て来たか!


「その問題、今度3人で話し合って解決しようよ!」


「う~ん・・・あかりちゃんにはちょっと話しづらい問題かなぁ?」


やすなちゃんが苦笑いをした。


「じゃあ、俺になら話せるの?話してよ」


すぐにその問題を聞いて、俺がそれを解決してあげたい。


やすなちゃんが歩みを止めてまわりを見渡している。

人に聞かれたらまずい話なのか?

俺も立ち止まって周りを見たが、誰もいなかった。


「じゃあ言うけど・・・アキラくん、あかりちゃんとえっちできないよ?」


「・・・」


何て返していいかわからなかった。


「仲良くしていく為には、そーいう事一切できないよ?」


たしかに、たしかにそうだな。

そーいう事になるんだ、俺達って。


「それは、うん、しょうがないね」


そーいうしかなかった。


「ねぇ、代わりに私とえっちする?」


「またそーいう事言う」


わかってるよ、俺をからかってるんでしょ?

あれ?


いつも俺をからかってる時の顔じゃない、真剣な眼差しで俺を見ていた。


「だめだよ、代わりとかダメにきまってる」


「わたしはいいよ、だって私、アキラくんとえっちしたいもん」


頬を赤くして少し照れ笑いを浮かべたが、どこか悲し気だった。


「ほんとにいいと思ってるの?思ってるわけないよね?」


しまった、ちょっと怒る感じで言ってしまった。

だって、そーいうの凄く悲しいじゃん。


やすなちゃんがしょんぼりしてしまった。


「あ、いや、怒ってるわけじゃないんだよ、ごめんね」


自然とやすなちゃんの頭に手が伸びた。

小さい頭だな、優しく頭を撫でた。


「じゃあ、代わりじゃないならいいの?」


しょんぼり顔のままそう聞いてきた。


「それもだめでしょ」


「どうして?私とえっちしたくないの?」


「そうじゃなくて、俺達がそーいう関係になったら、あかりちゃん悲しむでしょ?」


「ナイショでしちゃお」


あ、その顔は俺をからかってるな。

そうだよな、あかりちゃんを悲しませるような事したいなんて本気で思ってないよな?


「しないしない」


そう言って頭を撫でた。

やすなちゃんが気持ちよさそうに微笑んだ。


「ねぇ、あかりちゃんには内緒にしてあげるから・・・私とえっちがしたいかどうかだけ、ちゃんと本音で聞かせてよ」


またその話か。

それは・・・。

どうなんだ?

悲しいかな、男のサガってやつか。



「ほんとに内緒にしてくれる?」


「するする!」


何でそんな楽しそうなんだよ。


「俺だって男だからな、これは男のサガでしょうがない事なんだ・・・ぶっちゃけ、そーいう対象としてアリ、かな」


顔が熱くなって恥ずかしくなってきた。


「えぇ~きっも~い!私みたいな子供に欲情してるの?きもいんだけどぉ~!」


俺を軽く蔑むような目で見ながら、口に手を押さえて嫌な笑みをうかべてきた。


「なんだよ!そっちが言えっていうから・・・」


くっそ。

またからかわれたのか。

しょうがない、ここは例の画像で俺も反撃・・・。


「ほらほら~!ヘンタイろりこぉ~ん!」


そう言って俺に身を寄せ、俺を見上げた状態で両手でシャツの首回りを引っ張り、その中身を見せつけて来た。

元々サイズがあってなかったせいか、完全に下着が丸見え状態になっている。


苺?さくさんぼ?リンゴの可能性も!

俺はすぐに目を逸らした。

一瞬過ぎて、白い生地に、そのどれかの柄だった事だけはわかった。


「見えてる!中身全部見えてるから!」


「えっ!中身!?」


やすなちゃんが素早き動きで俺から離れて両手で胸元を押さえて顔を真っ赤にしている。


「うぅ・・・そこまで見せるつもりなかったのにぃ・・・」


「だ、だいじょぶ、一瞬しか見てない!一瞬過ぎて何の柄かもわからないぐらいだったし!」


「え?柄?・・・あ、あぁ・・・」


やすなちゃんがホッとした表情をした。


「中身ってそーいうことかぁ・・・てっきり胸まで見られたのかと思った」


「見てない見てない!」


見てないよな?

そういえばちょっと下着がぶかっとしてたような。

いやいやいや、今はそれより。


「俺はロリコンじゃないから」


そこ重要。

誤解しないでくれ。


「んふふ、でも私ってどう見ても子供でしょ?・・・どう見ても子供じゃないし!」


自分で言って突っ込むなよ。


たしかに、男のサガでそーいう感情が湧いてくるんだけど。

それは違う、別にやすなちゃんがちっちゃいからとか、そーいう事で思うんじゃない。


「違う、見た目がどうとかじゃない、俺は、俺は、やすなちゃんっていう子としたいって思うんだ、例え姿形が全く同じ人がいても、俺はやすなちゃんの方を選ぶ!でもやらねぇからな!!」


「ふぇぇ・・・何恥ずかしい事いってんの・・・」


顔を真っ赤にして、やすなちゃんが身を縮こまらせた。


「俺はロリコンじゃない」


「わかったぁ・・・それはわかったからぁ・・・」


そう言ってやすなちゃんが少し笑みを浮かべた。


「私の中身、私そのものがいいってこと?」


「そう!中身がやすなちゃんじゃないとそーいう事思わないから!」


「なんかうれしい・・・変な話してたのに・・・なんでもっと好きになるような事いうの」


そう言って先ほどよりもハッキリとした笑みを浮かべた。


「大切ってそーいうこと?恋愛感情はないけど、私そのものが好きって事?」


「あ、うん、はい、結構好き、意味わかんないよね?はは・・・」


我ながらほんとに意味がわからない事をいったもんだな。


「そうだね・・・何言ってるかやっぱりよくわからないけど・・・でも嬉しいってなぜか思っちゃう・・・変なの」


再び駅に向かって歩き出すと、やすなちゃんが手を繋いできた。


今日は「握り返して」って言わないんだ。

握ろうかな?握ったら喜ぶよな?どーいう反応するか気になる。

何度か握ったけど、あせって握ったのと、無意識で握ってしまったのと、ちゃんと握り返したって感じじゃないんだよな・・・。


でもなぁ、恋人じゃないから恋人繋ぎはだめだよって俺が言ったんだよな。

でも握ってあげたいなぁ・・・。

どうしよっかなぁ。


「ねぇやすなちゃん、恋人じゃないから握り返さないって、この前いったけどさ・・・」


「うん、もう握ってとか言わないから」


どこか諦めた口調に、ますます喜ばしてあげたくなった。


「あ、いや、俺が言いたいのは・・・えぇと・・・握り返されたらうれしい?」


「そりゃ嬉しいけど・・・握ってくれるの!?」


期待感満載の目で俺を見て来た。


「やすなちゃんが喜ぶところを見たいから握りたいんだけど、いいかな?」


「私の喜ぶところが見たいって・・・何でさっきからそーいう嬉しい事ばかりいうの?・・・なんで?・・・下着を見せたから?」


困惑と喜びと羞恥、それらがいりじまじった複雑な表情をやすなちゃんは見せて来た。


「違うよ、そんなの全然関係ないよ、単純に喜んでほしいなって思っただけだよ」


「もぉ・・・そんな事言われたら、もっともっと好きになっちゃうでしょ・・・責任とってくれる?」


そう言って俺の手を力強く握ってきた。

責任取って握り返してとその手が言っている。


俺も同じように強く握り返した。

やっぱり小さいなやすなちゃんの手は、そして凄く熱い。


「ふぅぅぅぅ・・・やばいやばいやばい・・・嬉しい!嬉しすぎる!!私を喜ばせる為とかやばいって・・・やった!やったぁぁぁ!!」


満面の笑みを浮かべて喜んでくれた。

子供みたいな喜び方だな。


「幸せ!今凄く幸せ!!やったぁ!やったぁぁぁ・・・あぁ・・・握ってる!握ってる!!!やったぁぁ!!!あはは!!」


握り合った手をブンブンと振り回して喜びを表してくれた。

そこまで喜んでくれるとは正直思わなかった。

そんなに握り返して欲しかったんだな・・・。


それから駅につくまでずっと、やすなちゃんは子供のようにはしゃいでいた。

握ってる事を確かめるかのように何度も何度も手を見ては、ニコニコと笑っていた。

そしてブンブン振り回してくるので、腕が少し痛くなった。


駅につき、さすがに周りに人がいるせいか、少し大人しくなったが、それでもずっとニコニコしていた。

やすなちゃんの降りる駅についてもなかなか手を離そうとはしなかったが、ドアが閉まりそうになったので、何とか説得して降りさせ、手を振った。

ドアが閉まり、子供のように両手を振ってニコニコしながら俺を見送るその姿を見て、少し笑ってしまったが、とても可愛かった。


窓の外の景色を見ながら脳裏にあの言葉がよぎった。



:その女を好きって言い続ける姿を一生おねぇちゃんに見せつけていくつもりナノォ?:


:おねーちゃんをこれ以上くるしめないでぇぇぇ!!:



やすなちゃんの妹、ほのかちゃんの言った言葉が心に深く突き刺さっている。

3人一緒でいる事には何の不満もないって、やすなちゃんは言ってたけど・・・。




ほんとうにそうなのか?


これでほんとうによかったのか?


携帯を操作して、3人でうつったあの画像を見た。


もし俺があかりちゃんを選んで、ハッキリした態度を取れば・・・こんなふうに仲良く3人で笑えただろうか?


わからない。



けど、もう決めてしまったこの関係を、今更やっぱりやめようか?なんて言えないしな。


:ずっと一緒にいられればいいのにね:


やすなちゃんはそう言ってた。


だからもう苦しいとか思ってないんじゃないのかな?

そもそも、やすなちゃん本人が苦しいって言ったわけじゃないし。


都合のいい解釈ばかりをして、俺は俺自身を納得させた。






これで、いいんだ。







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