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亡国のレギオン  作者: 高井高雄
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世界の真実 第1章 協力者

 みなせん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。

 混成小隊に同行している第1統合任務艦隊第1空母航空団第2部長の笠谷(かさや)(なお)(ゆき)2等空佐は宿屋の食堂で朝食をとっていた。

「米と味噌汁が食べられないのが、ここまできついとは・・・」

 そんな事をつぶやきながら、彼はパンをかじり、野菜やベーコンが入ったスープを飲んでいた。

「持ち込んだ米や味噌汁も底を尽きましたから、米や味噌汁が口を入れられるのは艦隊に戻ってからになります。もっとも、あればの話ですが・・・」

 混成小隊長の久松(くまつ)(しょう)()2等陸尉がパンにかぶりつきながら、言った。

「そうだな。米や味噌の補給のあてを探さなければ、自滅するかもしれんな、・・・そんな事はない、と考えたいが・・・」

 笠谷の言葉に久松の顔が曇る。

 都市国家・アルテウスで発生した内乱は市民たちに大きく打撃を与えた。

 市場が破壊された事により、流通がストップしてしまい。食糧難が発生してしまった。

 笠谷は混成小隊が持ち込んだ食糧を市民たちに配給した。町の英雄である彼らの行いに、都市の治安を守る衛兵たちが自分たちの食糧庫を開放し、市民たちに与えた。

 さらに、事態を知った近隣の町や村が食糧を提供し、食糧問題は解決した。

 混成小隊は町の復興にも貢献した。しかし、施設隊の資材がなかったため、ほとんどを手作業で行った。

 笠谷もスコップ等を手にし、瓦礫の撤去をした。

 これには、多くの者たちが目を丸くした。彼は、この世界では貴族階級でなければなれない参謀にあたる身分である。貴族が庶民のために埃まみれ、泥まみれになる事等ありえない事だ。

 そのため、出発は遅れるわ、食糧はなくなるわ、である。

 人道支援の代償である。

 笠谷と久松が暗くなっていると、松野海士長が明るい笑顔で場の空気を明るくした。

「油田が見つかったんです。きっとお米もお味噌も見つかります。きっと」

 松野の言葉に笠谷と久松は顔を見合わせて、苦笑した。

「そうだな。探せば見つかるかもしれんな、ありがとう。松野」

 笠谷の言葉に、松野は花を咲かせたような笑顔で、「はい!」と言った。

「尚幸さん!!」

 明るい声で、宮林可奈(みやばやしかな)陸士長が飛び込んできた。

 久松、松野を押しのけて笠谷に抱きつく。

「な、ななな・・・」

「尚幸さん、キレイな景色が見れる所がありますよ。いっしょに散歩にいきません?」

「・・・・・・」

 強引ともいえる、宮林に松野は、口をパクパクさせ、笠谷は唖然となって言葉を発する事もできない。

「さ、行きましょう」

 女性の力とは思えない怪力で引きずられた。

「ダメです!!今は食事中です。邪魔しないで!!」

 笠谷の腕を松野がつかむ。

 こちらも強い。

「お・・・おい・・・」

 久松は止めようとした・・・彼は幹部としての責任を果たそうとしたのだ・・・一応。

「「!!!」」

 2人の女性、いや2頭の猛獣に睨まれて・・・やめた。

「い・・・痛いんだが・・・」

 笠谷は2人を交互に見ながら呻くように言った。

「尚幸さんを放しなさい!!!」

「いやよ、貴女こそ放せば!!!」

 笠谷の声は、完全に無視され2人は腕を引っ張る力をさらに強める。

「ギャアアアア・・・!!!」

 笠谷は悲鳴をあげて、久松たちにSOSを送る・・・だが。

「お、俺、煙草吸ってくる・・・」

 陸曹の言葉に、陸自隊員たちが次々に続いていく。

「俺も俺も」

「自分もです」

 禁煙者や未成年者も、煙草を吸うと言って席を立つ。

 1つ、言っておくが、彼らは煙草を吸うために席を立ったわけではない。ただ、そこから、戦術的退却をしただけだ。

 笠谷は、見捨てられたのである。

(・・・おい、マジかよ)



「終わったかな?」

「いえ。まだまだ地獄でしょう。もう少し、待ちましょう」

 外に避難した久松が宿屋に戻ろうとした時、部下がそれを止めた。

「・・・・・・」

 あの時の判断は正しい・・・はず。

 久松は、無理やり自分を納得させた。

「ガキのケンカには関わらないのが一番だ」

「そうだね、あれじゃあ玩具を取り合って最後に壊すってオチの子供のケンカだ」

「いっそ、第2部長を真っ二つにぶった切るってのもいいかもな」

「うん、仲良く2人で分ければ問題は解決だ」

「おいっ!!」

 放っておくと、過激な方向に進んで行きかねない高井たかい直哉なおや樹村きむら慶彦よしひこの会話。

「・・・スンマセン、ちょっと俺用足しに行ってきます」

 陸士が少し恥ずかしそうに、ボソッと言った。

「・・・今の屋内に戻る勇気のある奴はいないわな・・・」

「それじゃ」

 陸士は、そう言って藪の中に入って行った。

「・・・単独行動はやはり危険だ、直哉行ってくれないか」

 少し考えて久松は高井に声をかけた。

「なんで俺が・・・」

 そう言いながらも高井は後を追って行った。



「こんな所でこんな事をする、はめになるなんてな・・・」

 小声でつぶやきながら陸士は用を済ませ、戻ろうとした。

「・・・ん?」

 何か風の流れが変わった気がした。

「!!!」

 目の前で空間がグニャリと歪んで口を開けた。

「うわぁぁぁぁぁ!!!」

 そこから現れたものを見て陸士は悲鳴を上げた。



 陸士の悲鳴を聞いた高井は、レッグホルスターからM1911A1MEUを抜いて駆けつけた。

 アルテウスで見た魔物よりさらに醜悪な怪物が、陸士に襲い掛かろうとしていた。

「ちっ!!」

 とっさにM1911A1MEUを構えて撃とうとした時、怪物の背後から現れた白い風が一撃で怪物の首を斬り飛ばした。

「なっ・・・!?」

 ドウッ!!という音とともに、怪物は倒れた。

 白い風、銀色というより、白い髪のきゃしゃな身体つきの少女。

 少女の紫色の瞳と目が合ったとき、その水晶のような透明な美しさに、高井は一瞬心を奪われた。

「○△□□□※」」

 ペタンとへたり込んで、少女は聞いた事のない言語を発した。

「どうした・・・怪我でもしたのか?」

油断なく銃を構えたまま、高井は聞いた。

「○△○※□」

 何か、訴えるような目で少女は話をしているが、言葉がわからない。

 グウゥゥゥ~・・・キュルルル~

 腹の虫の音が、少女の言いたい事を代弁してくれた。

「・・・参ったな、レーションはとっくに底をついてるし・・・せいぜい乾パンと干し肉ぐらいしか・・・」

「□□○△※○」

 高井の表情から事情を察したのか、少女ががっくりと肩を落とす。

「○○○□□※」

 急に少女の姿が消えた。

「なっ!!」

 一瞬で高井の背後に回った少女は、その首筋に噛みついた。

 こいつ・・・吸血鬼か?

 高井の脳裏にその単語が浮かんだ。

 「直哉!?」

 久松の声が響いた。



 陸士の悲鳴で、久松、笠谷以下全員が駆けつけた。

 そして、その光景を見た時全員が心臓を鷲掴みされたように感じた。

「直哉!!」

 久松は、少女に狙いをつけて9ミリ拳銃を発砲した。

 パンッ!という音とともに、少女に向かった銃弾。

 次の瞬間、信じられない事が起こった。

「危ないではないか、コヤツに当たるぞ」

 少女は、飛んできた銃弾を素手で受け止めて言った。

「すまぬの。あまりに腹が減ったゆえ、止むお得ずお主から、献血をしてもろうた」

 献血の意味が違うだろう。という全員の視線を少女は完全に無視した。

「君は、何者だ?」

 笠谷が警戒するように、鋭い声で問う。

「妾はカーラ・・・カーラ・デ・ネーリ・・・お主らと同じ、こことは違う世界から来た者だ・・・日本国自衛隊よ」



 板垣は佐藤、警務官(MP)の高沢(たかざわ)(なお)()3等海尉と共に、作業艇でノインバス王国領のある港町に上陸した。

 フレア王女からの要請で、ある人物と会談をするためだ。

 正直な所、彼女からの要請でなければ断っていただろう。

「お待ちしておりました。わざわざご足労頂き恐縮です」

 一見すると、貴族の若君と思える青年が出迎えてくれた。

「正直、フレア殿下からの要請でなければ受ける気はなかった。要件を伺おう」

 冷たい板垣の反応にも、青年は特に気分を害する事もなかった。

「イタガキ提督の言葉は当然でしょう、しかし私の口から申し上げる訳には参りません。詳しくは我が主が申し上げます」

 あくまでも礼儀正しく、しかし毅然とした態度で青年は断った。

(これは、一筋縄ではいかないな)

 佐藤が隣の高沢を見ると、彼も同感だと言うように目で答えた。

「では、ご案内します」

 青年に、促されて一同は会談が予定されている場所へ向かう。

「3尉、例の手はずは?」

「問題ありません、すでに配置に付いています」

「第2統合任務隊より、目標島海域にて待機中との連絡が入っています」

「そうか、彼女たちには損な役回りを押し付けてしまったな」

「いや・・・なんか・・・喜んでやってるような・・・」

 微妙な表情で佐藤は答えた。 



 彼らがこれほど警戒するのは、相手が[海賊オルティス団]と名乗る集団であるからだ。

 本来なら、犯罪集団との話し合いなどもっての外なのだが、このオルティス団は、海賊と名乗っているものの、実際は非正規の軍隊といった集団であった。

 どの国にも属さず、主に依頼を受けて他国の商船の護衛を行ったり、戦時には傭兵として雇われるなど、である。

 言ってみれば、異世界版の[村上水軍]的なものと考えたほうが、いいかも知れない。

 もちろん略奪、海賊行為なども行うが、相手は、もっぱら領民から不当な搾取を行う貴族であったり、悪辣なやり方で利益を貪る悪徳商人などであるから、諸国の民衆には義賊として人気があり、吟遊詩人が好んで題材にしていると言う。

 何しろ、その団長は絶世の美女という噂なのだから、物語も作るのに力が入るというものだ。

 もちろん、板垣たちにとってはそんなことはどうでもいい事であった。

「こちらです」

 非の打ち所がない程、優雅な仕草で青年が1つの扉を指し示す。

「君が開けろ」

 高沢が感情のこもらない声で応じた。

「ずいぶんと、用心深い方たちですね」

「変な気は起こさない事だ。それなりの準備はさせてもらっている」

「・・・この辺りに潜んでいる方たちですね・・・もっともな事でしょう」

 どうやら、特警隊(特別警備隊)と特戦群(特殊作戦群)を配置している事は筒抜けのようだ。

 もちろん、それは折り込み済みのことではあるが・・・

「それだけではない。我らの本拠地をいつでも攻撃できる態勢をすでに整えている」

「「「!!」」」

 全く気配を感じなかった。

 振り返ると、腰まで届く濃い金髪の30代と思える美女が、薄く笑いを浮かべて立っていた。

「ようやく、会えたな。レギオン・クーパー(異世界からの軍勢)・・・私が、オルティス団団長ソニア・オルティスだ」



「なんて、でけえ船だ・・・あれが、レギオン・クーパーの艦隊か・・・」

 オルティス団の本拠地、名も無い島なのだが、彼らは勝手にソニア島と呼んでいるが、その海上に、姿を見せた3隻の軍艦を見て見張りの男は望遠鏡を覗きながらつぶやいた。

「昨日から、全く動きは無いな」

「へい、ずっとあの位置からピクリとも動いてませんぜ」

「じゃあ、放っとけ、こっちが何もしなけりゃ向こうさんも何もしねえよ」

「・・・副団長・・・団長大丈夫ですかね・・・」

「大丈夫に決まってるだろ。天下のソニア様なんだぜ・・・おい、望遠鏡を貸せ」

 副団長と呼ばれた男は見張りから望遠鏡を奪い取った。

「どうしたんです?」

「・・・女が乗ってる・・・しかも美人が2人・・・」

 望遠鏡を覗きながら、副団長はつぶやいた。



[ながと]の飛行甲板で水島(みずしま)(かなめ)海将補は仮称ソニア島の港湾施設を眺めていた。

「司令、そろそろ艦橋に戻って下さい」

「・・・・・・」

 首席幕僚の三枝(さえぐさ)理子(りこ)・タチアナ・シュタインベルク1等海佐に声をかけられても、聞こえてないようだ。

「司令」

「・・・なんだ、板垣海将から連絡か?」

「いえ、まだ何もありません」

「そうか、向こうの動きもないようだ・・・お互い様子伺いってところか」

 もちろん、こんな所でのんびり観光をする気はない。板垣からの命令があるか、1発でも大砲を撃ってこようものなら、即座に[はつせ]と[きくづき]の艦砲射撃を喰らわせる。

 演習終了後、5日でミレニアム帝国の偵察拠点2か所を一気に制圧した海将補は、凍りつくような冷たい視線をソニア島に向けていた。

「何を考えていたんです?」

「・・・いや、単なる疑問なんだが・・・第1統合任務艦隊や我々、米軍が向こうから来たという事は、こちらから向こうに行ったのがいるのか・・・と考えていただけだ」

 水島の疑問は、ある意味当たっていた。



 ソニアに案内され、板垣たちは建物の屋内に足を運んだ。

「本来なら我々がフリーダム諸島に出向くのが筋なのだが、貴公らにも、我々にもそう簡単にいかぬ事情があるためこのような手間を取らせた」

「要件を伺おう」

「まず、貴公らに礼を言わねばならん。先日我らが護衛していたある国の商船団が海賊の襲撃を受けた。その時に貴公らの軍艦が援護してくれたおかげで、事なきを得た。感謝する」

「?」

 どの艦だと思った。

 シーレーンの警備は主に海保が担当している。[あさひ]や[はつかぜ]なども米軍と連携しながら哨戒任務を行っているが、特にそういった報告は上がっていない。

「この海域です」

 青年がわざわざ、海図で説明してくれた。

「ここは、第2統合任務隊のミレニアム帝国の偵察拠点の発見、制圧のための行動海域ですね」

 佐藤が海図を見て言った。

「・・・確か、作戦行動中に周辺海域を哨戒していた[きくづき]が、遭遇した海賊船を撃沈したと報告が上がっていたな・・・」

 どうやら、たまたまケンカを売ってきた相手を正当防衛射撃で撃沈しただけ・・・と、水島は認識していたのだろうが、結果的に変なところで恩を売ってしまったらしい。

(水島海将補らしい・・・)

 板垣と佐藤は心の中で同じ事を考えた。

「そこで・・・だ、イタガキ提督。我々と手を組む気はないか?」

 ソニアの突然の提案に、3人は驚いた。

「どういうことだ?」

「受けた借りを返すというのが1つ。それと・・・1つ聞くが、貴公らは今の群島諸国がどういう状態かご存知か?」

「・・・・・・?」

 シビリアンコントロールを当然と考えている民主主義国家の軍隊は政治的な事にはあまり詳しくない。特に自衛隊はそれが顕著だ(米軍は別物)。

「貴公らはかなりの数の海賊を捕らえたが、中には特定の国や貴族と契約し他国の商船を襲う者たちもいるのだ。当然その雇い主は貴公らに反感を持つ。事実そういった連中が、密かにミレニアム帝国と通じているとの情報が入っている。そして、明確に反ミレニアム帝国を表明しているのは、ノインバス王国とマレーニア女王国、ラペルリ連合王国や、ミドルフォートくらいで他はどちらつかずで様子見、といった状態だ」

 さすがに、ソニアの情報能力は、アウトロー的な存在だけに裏事情まで網羅しているようだ。

「ここで、我らが貴公らに付けば、どちらつかずの連中も、立場を明確にせねばならなくなるし、うかつに帝国に通じようとする輩を牽制もできる。いかがだ?」

 彼女の言いたい事はわかった。佐藤は口をはさむ。

「しかし、それならノインバス王国かマレーニア女王国に申し込むのが筋では?」

「・・・理由はもう1つ、貴公らに興味がある・・・貴公らと組むのが楽しそうだ・・・どうかな?悪い話ではなかろう」

 そう言ってソニアはにやりと笑った。

 確かに防衛省から派遣されて来た文官の諫早(いさはや)歩生(あゆむ)も、各国の使節の交渉での反応を見て、似たような感想を漏らしていた。

 差し出た口を挟むようですが・・・と前置きしながら、可能な限り群島諸国の国々を我々の戦いに巻き込むべきでは・・・と、意見を述べていた。

 物事を、表面だけでしか判断しない人間が聞けば不快感を覚えるだろうが、諫早は背広組出身にしては、戦略を知っている。

 自分たちだけで、ミレニアム帝国と戦い続ける事はできない。

 キレイ事だけで、済むという夢物語はすでに終わっている。

 もはや、自分たちは今までのように公務員意識ではいられない。

 板垣は、目を閉じ1つうなずいて目を開けた。

「ソニア団長、我々と同盟を結んで頂けないか?」

「つまり、我らと手を組む事を了承してもらえるという事か」

「そうだ」

「よかろう」

 そう言って差し出されたソニアの右手を板垣は力強く握った。


 世界の真実第1章をお読みいただき、ありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。

 次回の投稿は今月の12日までを予定しています。

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