もう、二度と会えないかもしれない
ジオ達は港町でガル・シーランドに出会い、ガルの家に泊めてもらう事にした。
その後、ジオは突如現れたクラーケンにより負傷する。
しかし、ガルの治療により復活した。
そして夜に温泉に入った後、ガルの家で一泊した。
次の日、遠い所にある街で事件が起きたの事。
その事件を解決する為に、ジオ・ノイン・ガルの3人はその街に向かった。
朝目が覚めると、隣にはガルさんが居た
(...そう言えばガルさんに抱かれて寝たんだっけ)
...なぜか僕は自由になっているけども
「ん...外に出てみよう」
僕は外に出てみた
外では明るい日差しが射していた
「んー...気持ちいいなぁ」
港町は僕しか人が外に出ていなかった
今の時刻は朝の6時だっただろうか
(早く起きすぎたかな...)
「...ん?誰か居る...」
空を飛んで街を見ていると、一人の紫色の竜人が居た
僕はその竜人の人に近づいた
「あのー、おはようございます」
僕は挨拶をした
すると、目の前に居る竜人の人は
「っ!」
僕を見て逃げてしまった
「あっ待って!」
僕はその竜人を追いかけた
暫くの間追いかけていると、竜人の人は立ち止った
「...!」
行き止まりのようだ
いつの間にか港町を離れ、洞窟に来ていた
「あのっ...なんで...逃げるんですか...」
僕はそう言った
すると、竜人は
「っ!」
その場に座り込んで震えだした
「あ、あの、危害は加えないので...本当ですから!」
「...」
竜人は涙目で僕を見た
すると、竜人は紙を取り出し、その紙にこう書いた
『本当?』
僕はその問いに答えた
「はい!本当です!」
僕はそう言った
竜人は落ち着いたようで、笑顔になった
『突然逃げ出してごめん...僕、喋れなくて...』
「そ、そうだったんですか...」
『...あ、敬語じゃなくて大丈夫だよ、僕、多分年下だと思うし...』
「あ、そうなんだ...何歳?」
『16歳なんだけど...』
「そうなんだ、僕も16歳だよ!」
『へぇ...』
「...あ、もしよかったらなんだけど...」
『何?』
「僕と...友達になってくれないかな?」
『...え?』
「突然でごめん...けど、友達が居ると安心できるでしょ?」
『...そう...だけど...』
「...何か...問題が?」
『...僕...普通の竜人じゃないんだ』
「...どういう事?」
『...驚かないでくれる?』
「うん」
『...そう』
『突然で...ごめんね』
竜人は紙にそう書くと、その竜人の体がスライム状になった
「えっ!?これってどういう...むぐっ!?」
僕の口にそのスライム状になった竜人の一部が流れ込んできた
「ゴホッ...ゴボォッ!?」
竜人は僕を取り込み始めた
そうして僕の体は...
竜人と同じ、スライム状になっていった...
*****
次に目が覚めると、僕の体は青から紫になっていた
「...君、気を失ってたんだよ」
「...そうだったんだ」
「...大丈夫?」
「...大丈夫......あれ?君喋れないんじゃ...」
「この状態になると...聞こえるみたいだね」
「そっか」
「...動かし方とか分かる?スライム状の...」
「慣れればいけるかも...」
「そっか...」
「...あ、そろそろ行かなきゃ」
「...また会おうね」
「うん、またね」
僕は洞窟を後にした
*****
港町に戻ると、ノインさんとガルさんが起きていた
「あ、ジオ、お帰りー」
「ただいま、ノインさん」
「どこに行ってたんだ?」
...正直に話すべきだろうか
...嘘は吐きたくないけど
「ん、ちょっと散歩に」
「そか、朝ご飯できてるから適当に座ってくれ」
「はーい」
*****
「んー、お腹いっぱいー」
「はぁー...ん?ジオ、どないしたんその体」
「え?」
「ほら、青色から紫色になってるで」
「あぁ...これですか...まぁ色々ありまして」
「ふーん...」
「...あ、そう言えば散歩帰りに聞いたんですけど、遠い街で事件があったそうなんですけど...」
「あー、そういやそんな話聞いたことがあるな...」
「僕、その街に行って事件解決したいです」
「はは...ジオらしいわ」
「よし、準備をしたらその街に行くか」
「はーい」
*****
「...よし、それじゃあ行くか」
「ですね」
「どんな所なん?」
「確か...ヘドロシティだったか」
「うわぁ...何その名前」
「何でも、最近スライム状の怪物が現れたとか...」
「ま、とりあえず行きましょうか」
「あ、ガル、よかったら運んだろか?空飛ぶから」
「お、悪いな」
「それじゃ行くでー」
僕達は空を飛んで街に向かった
その最中
(...ねぇ)
「...ん?」
(...聞こえる?さっきの竜人だけど...)
(...聞こえるよ)
(よかった...ヘドロシティに向かってるんでしょ?)
(そうだけど...)
(...お願いがあるんだ)
(何?)
(...危険区域って場所があるんだけど...その場所、君以外の人を入れないで)
(はぁ...何で僕はいいの?)
(...その先、僕達見たいにヘドロじゃないと行けないんだ)
(...へぇ、分かった)
(それじゃ)
「...オ、ジオ」
「ふぇ?何ですかノインさん」
「ほら、見えてきたで、ヘドロシティ」
ノインさんが指した方を見ると、そこにはリベリータウンの様な賑やかな街があった
(...こんな場所に危険区域が...)
「それじゃ、市長さんに話を聞いてみるか」
「そうやなー、それじゃジオはお留守番で」
「え、何故ですか」
「何でも、市長さんが居る場所には子ども厳禁だそうだ」
「はぁ...」
「それじゃ、行ってくるなー」
「ジオはヘドロシティの広場で待っててくれ」
「はーい」
*****
...まさか広場で待てだなんて言われるとは
はぁ...暇だ...
「...!ジオ君ではないですか」
「え?...あぁっ!」
そこにはテオさんが居た
「テオさん...どうしたんですかこんな所で」
「ここの市長さんとお話がありまして...」
「そうなんですか」
「...ん?ジオ君、体の色が変わっていませんか?」
「あぁ...まぁ色々ありまして」
「そうなんですか...」
「あ、市長さんの所にノインさん行きましたよ」
「そうですか...それでは」
「はーい」
...まさかテオさんに会うとは思わなかったな
僕は感動に浸っていた
そして感動に浸っていると、一人の男の獣人が近付いてきた
「おーいそこの」
「...ん?何か用ですか?」
「いや、中々みない顔だからなぁ、一応言っておこうと思って」
「はぁ」
「向こうの方に門があるだろう?」
「...あ、門番さんがいるあの門ですか?」
広場から遠くない場所にある門を指した
「そうそう、その門には近づかない方がいいぞ」
「え、何故ですか?」
「そこから先は危険区域なんだ、だから門番がいるんだが」
「なるほど...」
危険区域...あの先か
(...ごめん、突然で悪いんだけど)
(...何?)
(...その人、悪者だよ)
(え!?どういう事!?)
(その人、危険区域なのに何度も出入りしてるんだ)
(うーん...でも何で駄目なの?)
(...危険区域は僕の状態...ヘドロを使って作った場所なんだ)
(...危険区域は君が作ったのか)
(そう...だから僕はヘドロシティには顔をだせないんだけど...広場に黒いコートを着た竜人が居るでしょ?)
(...あ、居た)
(それが僕だよ、...後で話しかけてきて)
(ん、分かった)
(...その人、危険区域には宝物があるとか勘違いしてて...だから出入りしてるんだ)
(なるほど)
(...危険区域は僕の家...すなわち生息場所とでも言おうか)
(...!まさか怪物って言うのは...)
(...僕の事だろうね、そう言われてるとは思わなかったけど)
(...とりあえず、その人から離れて、その人を遠隔操作で殺すから)
(え、どうやって...)
(...相手の足もとにヘドロがあるでしょう?)
(...うん)
(それを動かして...その相手の口の中に入れるんだ)
(それで?)
(あとは簡単、ヘドロを変形させて...ヘドロを鋭利にするんだ)
(ヘドロでも鋭利にすれば凶器って事か...)
そして、僕はその相手から離れた
「それじゃあご忠告ありがとうございました」
「どういたしまして」
...あとは黒いコートを来ている君に近づくだけだ
「...離れたよ」
「ん、それじゃあ見てて」
ヘドロは相手の口の中に入った
相手は違和感を感じたみたいだけど...もう遅いみたいだ
「...いくよ」
そう言うと、隣に居る竜人はヘドロを鋭利に変形させた
...何故か見えるんだけどね
そして...
その相手は体内から大量の鋭利な棘に串刺しにされた
それを見ていた周りの獣人達は騒ぎ始めた
突然そんな光景を見たのだから仕方ない事か
「...そろそろ行こうか、危険区域」
「...門番が見張ってるよ?」
「...君、死神なんでしょ?」
「...分かった」
僕は鎌を出した
「き、貴様、何のつもりだ!」
「申し訳ございませんが...死んで貰います」
僕は門番の一人を頭から下に鎌を振った
目の前に居た門番は血まみれの肉塊と化した
「な...た、たすけ...」
「逃がしません」
もう一人の門番を隣に居た竜人がヘドロで捕まえた
そしてヘドロを相手の口の中に入れていき
さっきと同じ殺し方をした
「...それじゃ行こうか」
「...そういや僕の名前はジオ・ヒポクリットって言うんだけど...君は?」
「...ギア・サイレンス」
「そっか...それでギア、この先...ヘドロで沢山だけどどうするの?」
危険区域と呼ばれたそこにはとても広い穴が出来ていた
その穴の中には大量のヘドロしか見えなかった
「普通に飛びこむだけ」
「そっか」
「...少し苦しくなるかもしれないけど...」
「ん、分かった」
そしてギアはヘドロの中に飛び込んでいった
僕も飛び込もうとした
その時
「...!居た!」
遠い場所から声が聞こえた
「おい、そこのお前!そこは危ないぞ!」
「ほんまやで!危険区域って言われてるんやろ!?」
「飛び降りるのは止めてください!」
きっとガルさん、ノインさん、テオさんだ
...皆、僕がジオって事が気付いてないみたいだ
...でも、貴方達とは二度と会えないかもしれない
...僕は聞いたんだ、ギアに
(...その先、僕達見たいにヘドロじゃないと行けないんだ)
...だから
貴方達には二度と会えないかもしれない
そして、ノインさんが手を伸ばしてきた
...僕はその手を
...掴まなかった
...僕はヘドロの中に飛び込んだ
...さようなら
そう言って...
あれれ、BADEND?まぁいいか(無責任)
突然の急展開!
まさかの仲間とのお別れです。
次回はどう書こうか迷いますね。
それではまた次回。




