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episode
「名探偵になる気はないんだよ」
その言葉に込められた想いとは・・・
ほのぼのあり、シリアスありの物語。
弘幸と冬弥のかけ合いもぜひ楽しんでもらいたいと思います。
ちなみに2人の会話、出合った時からかなり雰囲気変わっていきますよ!
――暗く静かな部屋――
闇が全てを覆い隠している。まるで、光など闇の前では無力な存在であると告げるかのように。
しかし、その闇も・・・部屋に漂う気配までは隠すことができない。
そう。
風もない部屋で、何かがかすかに揺れている気配。
それは・・・今は暗闇に覆われているが、いずれ光の下に晒される光景。
天井から吊り下がる一本のロープ、そして・・・その先で揺れている一人の少年。
右手を包む白い包帯が、寂しく揺れていた。
それは、短い春も終わりに近づいた、ある一夜の出来事であった。