夢に潜る者

過労死の末に目覚めたのは、剣と魔法の異世界の小さな村だった。
右も左も分からないまま暮らし始めた主人公を待っていたのは、子供や女性が相次いで失踪する不気味な事件。
そんな折、彼は自分が「他人の夢に入り込み、潜在意識や記憶の断片を覗ける力」──“夢渡り”を持っていることに気づく。

夢に潜れば、犯人しか知り得ない証拠や秘密が見える。
だが同時に、夢の中には狂気が形を取り、命を狙って襲いかかってくる。
もし夢の中で死ねば、相手も現実で死ぬ……危うい力だった。

唯一、この秘密を打ち明けられたのは、村で出会った元奴隷の少女。
二人はやがて「夢」と「現実」の狭間で繰り返される事件に巻き込まれ、否応なく世界の闇へと踏み込んでいく。

――夢に潜ることで見える真実は、救いか、それとも破滅か。