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読書感想#4「絵のない絵本」(アンデルセン)

 書籍名:「絵のない絵本」

 著者:アンデルセン

 訳者:山野辺五十鈴

 出版社:集英社文庫


 ジャンル:童話作家であり詩人であるアンデルセン(「人魚姫」や「みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」などの作者)が若き日に書いた短編小説


<あらすじ>

 大都会で暮らす貧しい絵描きに、月が語りかけてきた。

 世界各地の物語を月は語り始め――。



<第一夜の感想>

 インドが舞台。

 冒頭でお月さまの語りで出てきた『プラタナスの木』ってどんな木だろうと思ってGoogleで画像検索をした。ふつうの木だった。取り立てておもしろい形をした木ではなかった。干ばつに強いらしい。そして、西アジアが原産だそうだ。


 ブラマがヒンドゥー教の創造神ヴィシュヌのことを表すとは知らなかった。

 文章が独特だなと思った。こまぎれに、ぶつぶつに、切り落とした肉みたいな文章だなと思った。短い言葉がつらなっていて、なんだかぎょっとした。



<第二夜の感想>

 にわとりがたくさん出てきてほっこりした。

 また、物語の結末が、意外な理由で女の子がにわとりを追いかけ回していたと分かって、ちょっと意外だった。



<第三夜の感想>

 盛りを過ぎたバラのツタが、リンゴの木に巻き付いているところが情景が美しいなぁと思った。リンゴの木っていえばイギリスな気がするけど、舞台はイギリスなんだろうか。


 ちょっと悲しい話ではあった。

 ろくでもない亭主が、病人の妻に「稼げ!」と言って、最終的に妻が死んでしまうのは(そしてそれを月が見て嘆いているだけなのは)、なんともいえない気まずい物語だなと思った。



<第四夜の感想>

 ドイツが舞台。ろうそくがぽたぽたと汁をこぼしているのが、なんとも情緒があって素敵だなと思った。

 現代人はろうそくなんてあんまり(アロマキャンドルでもたかない限りは)使わないような気がするので、なんとなく「ろうそく」に惹かれた。



<第五夜の感想>

「この少年はフランスの玉座で死ぬだろう」という予言が、まさか、第二のナポレオンになるということではなくて、そういう意味だったとは……と思った。ちょっとビターな物語だなと思った。


<第六夜の感想>

 蜜酒の角杯美味しそうだなと思った……。角杯は、獣のツノを模した形のお酒とか飲み物を飲む器のことだそうです。

 全体的にこの物語は文章がきらきらしていて、綺麗な雰囲気でした。



<第七夜の感想>

 馬車ががらがら通り過ぎていくという言葉が、音をイメージさせて楽しかったです。シャーロック・ホームズのシャドウゲームでくらいしか馬車なんて見たことがないですが、馬車って面白いなぁと思います。


 また、自然を絵描きが絵の具で切り取っても、その自然の美しさを真には表現できないだろうというような部分は、「写真で撮ってもその美しさを真にすべてすみずみまで切り取れる訳では無い」ということに通じてるかなとも思いました。

 

 いや、写真も絵もすきですけどね……!



<第八夜の感想>

 セント・ヘレナ島はアフリカにあるイギリス領でナポレオンが流刑になった場所と知ってびっくりしました。


<第九夜の感想>

「氷の張り付いた裸の岩石」という言葉が美しいなぁと思った。

 生きてる人間を海に生きたまま流すという、なんともおぞましい内容だけど、文章の雰囲気が小綺麗だなと思った。


<第十夜の感想>

 人はいつか死ぬんだなぁと思った。


<第十二夜の感想>

 ヴェスヴィオって何かと思ったらベスビオ山のことだった。イタリアの火山。西暦79年にポンペイをめちゃくちゃにした火山のことだった。


<第十三夜の感想>

 編集者3人が詩人の提出してきた本に感想を言うんだけれど、凡作のほうが「最高傑作!」と(身内のコネなどで)褒められて、才能がある人のほうが「あんまり調子に乗らせないほうがいいから」という理由で辛口の批評を貰うのは、なんだか理不尽で現実的だなぁと思った。


<第十四夜の感想>

 ニワトコが花盛りという文章を読んで、ニワトコってどんな花だったっけと思った。白くてちっちゃな花が大量につく植物で、葉っぱが長いということが分かった。


<第十五夜の感想>

 聖書の引用が多いなぁと思った。


<第十六夜の感想>

 コロンビーナが浮気な女の道化役で、アルレッキーノが悪党の道化役というのを初めて知った。


<第三十三夜の感想>

 お祈りで「日々の糧のパンをください」の他に「バターもたっぷりと乗せてください」とたくさんのバターを欲しがる子どもが可愛かったのと笑ってしまった。



<全体としての感想>

 歯に衣を着せない率直な感想としては、アンデルセンは童話を書くほうが向いていて、あんまり小説を書くのにはそこまで向いていないような気がした。


 いや、私が現代人だから、刺激的なハリウッド映画とか少年漫画とかに慣れ親しんでるからかもしれないけど、ちょっと読むのが辛かった。

 何が言いたいのかさっぱり分からない話もあった(私が知識量が少ないからかもしれないけど)。



……でも三十三話のバターの話は笑えた。

 可愛いな、と思った。

 なんとなく、バターたっぷりのトーストが食べたくなった。

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