読書感想「割に合わないことをやりなさい コスパ・タイパ時代の「次の価値」を見つける思考法」(小玉歩)
実に1年ぶりになるのですが、読書感想をまた投稿しようと思います! ネタバレ控えめで、感想多めの読書感想です。
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読んだ本のタイトル:「割に合わないことをやりなさい コスパ・タイパ時代の「次の価値」を見つける思考法」
著者名:フロントラインワークス主宰 小玉歩
出版社:KADOKAWA
本の概要:AI時代に生き残るための戦略について
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著者は言います。
時代はコスパ・タイパ(効率)を重視していましたが、AI時代になってから、人間がコスパ・タイパ(効率)でAIに勝つことは不可能になりました。そのため、AIと同じ土俵(効率)で戦っても人間に勝ち目はないと著者の小玉歩さんは言います。
では、効率のかわりになにを重視するべきなのか?
それが、この本で語られていることです。
この本は1章から6章までで構成されています。
第1章 効率化時代の「次の価値」
第2章 AI時代の最強兵器「感動資本」
第3章 「失敗」と「寄り道」こそがあなたを強くする
第4章 あなただけの価値を生み出す「逆張り思考」
第5章 「ムダ」から生まれる深いつながり
第6章 効率主義の先で人生を「味わう」
というようなタイトルが各章にはつけられていて、第一章ではSNSやコスパ・タイパ至上主義(効率主義)がもたらしたモノ――短期間でなんでも成果を求めようとしたり、結果が出なさそうなことは全部避けたり、成功が保証されていなさそうならやらない、というような考え方に著者の小玉歩さんは警鐘を鳴らしています。
そして、第2章から第6章までは「じゃあ、実際に、どうしたらAI時代に生き残れるの?」という疑問に答える形になっています。
私が特にいいなぁと思ったのが、第3章の内容です。
大量に試さないと見えてこないものの話を読んで、なるほどな、と思いました。
ちょっと脱線しますが、私は小説を趣味で書いていて、将来的にいつかチャンスがあれば作家になりたいという野望をこっそり持ちつつ、成人女性向け恋愛小説をムーンライトノベルズというサイトで自分の書いた小説を投稿しています。
そして、そんな私がこの本の第3章を読んで「確かになぁ」と深くうなずいたのは、以下の点です。
・SNSでショート動画が伸びないと嘆く人は、3本~4本動画を投稿しただけで、諦める人が多い。
・しかし、大量に試さなくてはなぜ、その人の投稿したSNSのショート動画が伸びなかったのかは分からない。
・30本など大量に投稿してみて、その中から比較的伸びたものを確認して、テロップの入れ方なのか、音楽や効果音なのか、内容なのか、話し方なのか、そういうものを検証していって、最適化していくことでしか、なぜSNSショート動画が伸びなかったのかは分からない。
・つまり、大量に試してみないと分からないことが多い。
という話を読んで、私はこれは小説にもすごく当てはまるなと思いました。また小説だけでなく、ブログでもSNSショート動画でも、動画でも、漫画でも当てはまると思います。
たとえば、小説を投稿するなら、自分の型みたいなものを探したり、読者様の反応が良くなるのはどういう内容をどういう構成でどうやって書いた時なのか、どういうときに離脱されるのか、は短編や中編などを大量に投稿してみないと分からないなと思いました。
それは小玉歩さんのおっしゃっていた、SNSショート動画の話にそのまま当てはまると思います。
たとえがムーンライトノベルズの女性向け恋愛小説で申し訳無いのですが、たとえば、「流行っているはずのハッピーエンドの圧倒的な上位互換(魔王とか悪魔とかAIとかアンドロイドとか吸血鬼)の存在の人外の美形男性と恋愛する話を短編で書いたのにぜんぜん伸びなかった。もう小説を書くのやめようかな」ではなく、伸びなかったのはなぜなのかを考える時に、短編を大量に投稿していれば、以下のようなことが分かるかもしれません。
・地の文が硬すぎて、読者が離脱している。具体的にいうと難読語彙が多すぎる。読者様は気分転換に読みに来てくださっているのであって、現代文のテストを受けに来ている訳ではない。
→キャベツを甘藍、ゆりかごや幼少期のことを揺籃と書くのはやめようかな。
・主人公が応援したくない性格だった。
→主人公が学校や会社の愚痴を、3ページにわたって3万文字も語るのは、やりすぎたかな。
・本題に入るのが遅すぎた。具体的に言うと、物語が始まる前の国の歴史を2ページにわたり、書くことや、主人公が3歳の頃から始まるのが今回の題材では良くなかったのかもしれない。
→せめて、冒頭でイケメンとのドキッとするような恋愛を匂わせる会話あるいは死体を転がす・殺人犯に追いかけられるなどの「どうなっちゃうの!?」と思わせるフックを作ってから、つまらない日常パートを(それでもなるべく短く、でも主人公の性格が伝わるような長さで)書こうかな。
→また、3歳の頃からどうしても始めたいのなら、それでもイケメンの存在を長期にわたり匂わせるか、書きたいエピソードを書いたら次のページではもうティーンエイジャーか大人にしようかな。
→国の歴史はセリフに混ぜたり、作中で物語が進む展開のなかで自然に書こうかな。少なくとも冒頭数ページを歴史の説明にさくのは、あまり作者にとっても読者様にとっても今回の場合にはメリットが無いかもしれない。
みたいなことも、短編を何度も投稿して、星評価で平均1~3を過去に(消してしまったアカウントで)取りまくったからこそ、分かることなので、やっぱり「小説を書きたかったら、読んで読んで読んで、書いて書いて書いて、試行錯誤してみるしかない。魔法はない」みたいなことをスティーヴン・キングも「書くことについて」という自伝でおっしゃっていたし、小玉歩さんも「SNSショート動画を伸ばしたかったらたくさん投稿して、そこから統計取ってみてなにが伸びてなにが駄目だったかを調べてみるしかないよ」みたいなことをおっしゃっているので、ああ、やっぱり、楽して簡単に成功! みたいなものはないんだなあと思いました。
――楽して簡単に成功!
そんなものを説く人がいたらそれは詐欺師か生存者バイアスかたまたま天性の適正が小説を書くことについてあった人で、どの場合においても一般的な再現性がないので、信じちゃだめなんだな……と思いました。
今回はこんな感じです。久しぶりの読書感想文でドキドキですが、読むのも書くのも楽しかったです。
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