読書感想#10「2040年の未来予想」(成毛眞)
書籍名:「2040年の未来予想」
著者:成毛眞
出版社:日経ビジネス人文庫
ジャンル:未来について語る本(知っている人だけが悲劇を避けられる)
<買った理由>
未来のことが知りたいというのもあります。
そして、知っている人だけが悲劇を避けられる、という危機感を煽る帯に惹かれて買いました。また、成毛眞さんが元日本マイクロソフト社長だったこともあり(そう書いてあった)、余計に気になりました。
<感想>
・【6Gというものが2030年頃に始まる可能性が高い】ということや、【衛生によって世界のどこでもネットに繋げられる時代が来る】、という話が面白かったです。
私はこの間5Gについて知ったばっかりというか、5Gを搭載(?)してる機器を手に入れたばっかりだったのでまだその上があるのかー! と驚きました。6G! びっくりです。
・6Gは同時に接続できる機器の数が1000万台! というのに驚きました。1000台じゃないです、誤字脱字ではなく、1000万台です。
また、3G、4G、5Gなどの規格が約10年くらいごとに更新されているというのもなるほどーと思いました。
また、スマホや飛行機が出てきた時に民間人(大衆)は「そんなもの何になるの」と初めは必ず言っていたことや、そういう冷笑をかわして冷静に「これは来るぞ!」とアンテナを張っていた人達がたくさんの利益を手に入れているという事実が、そうだったんだ……という気持ちになりました。
確かに、私が子供の頃(10代の頃)にはすでにスマホがありました。当時小学生だった私は「スマホなんてなにそれ、要らない。ガラケーで良いじゃん」などと思っていたし、両親にもそう言いました。それはスマホ料金が今より高かったはずというのもありますが、そもそも「わざわざスマホを買う意味が分からない」と当時の私は本気でそう思っていたからです。
「液晶スクリーンをタップすることで操作できることや、直感的に操作できることが素晴らしく良い」というのが分からなかったからです。
でも気がついたら、私も(親に買って貰ったのは18歳の頃でしたが)スマホユーザーになっており、今ではヘビーユーザーです。愛用している自分のスマホが無いと生活が送れません。
イノベーションが起きると、まず人々が冷笑し、賢い人々やめざとい人々が「アッ、これは来るな……!?」と気づく。
そんな構造があるのかと思いました。
ていうか、私が子供の頃はまだスティーブ・ジョブズさん生きてたんだよな……と思うと、なんだか切ないです。2035年まで生きていたら、スティーブ・ジョブズさんもがんの治療とか簡単にできてたはずで、本当に惜しい人が(昔に)亡くなったなと思います。
・遅延なくリアルタイム翻訳がされるようになる(外国の人と難なくコミュニケーションがお互い母国語でとれる)という話が、なかなかえぐいなと思いました。
私が英語を一生懸命勉強した意義はどこに……!? と嘆きたくもなりますが、よく考えたら翻訳機器を使っても脳は賢くなりませんが、外国語を勉強すると脳の認知機能などが向上するという研究があったように思います(TED EducationとかBBCの動画でYouTubeで観た)。
だから私の英語リスニングスキルを高めたことや、イラストを描く技術の訓練をしてきたこと(そこまでハードにではなく、楽しいと思える範囲内でゆるくイラストを勉強してきたこと)は決して無駄ではなかったと思います。
・アマゾンが人間の手のひらとクレジットカードのデータを同期する、「アマゾン・ワン」を開発済みというのが凄いなと思った。これでクレジットカードを財布から取り出さなくて良いのと、決済までの時間が0.3秒なのが凄いなと思う。
これは手のひらにチップとかを埋めるという訳ではなく、手の形や指の太さ・長さ・大きさなんかをAIに把握させて、クレジットカードのデータと同期してしまおうぜ! という技術です。
アマゾンすごい。
・また、中国で個人のデータがスコア化されて、(「芝麻信用」と呼ばれているらしい)個人を5段階評価しているらしい。政府もそれに乗り気だとか。とんでもない話だけど、そんなSF(まるでスーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリーという小説みたいな世界)が現実のものになっていることが驚いた。そして何も知らなかった自分に愕然とした。
あと監視カメラのくだりや、文章生成AIなどのAIに大量の学習データを学習させている所が、さすが民主主義国家ができないことを平然とやってのけるな!? と思いました。国民数多いし独裁国家だから超ビッグデータをAIに学習・吸収させられるということか……! 良い意味でも悪い意味でもあの国は凄いなと思います。
このまま我々も、アメリカVS中国のAI&IT冷戦に巻き込まれていくんだろうか……。
・難しい遺伝子の病気が治る可能性が高い(がんなど)という話が、凄く面白かった。ほっとする人も多そうだ。
・やっぱり本は読まないといけないなと思った。とくにテクノロジーに関する本は、読んでおかないといけないな、と思った。今の段階でも知らないことが多くて最近まで5Gのことも知らなかったので、取り残されてしまうと感じる。
・天災についての話と、大学教育についての話が面白かった。また、人口が2040年にも増え続けるアメリカの話も、アメリカでは富裕層以外は大学に通うのはギャンブルだという話も知らなかったので衝撃だった。
・生態系で空白が生まれれば、ネズミがウサギくらいの大きさになるかもしれないという話が、えぐいなと思った。怖い。
・国がどうにかしてくれると思わずに、個人として最悪の未来に対する対策を練っておく必要があり、個人として幸せになろうというようなお話が面白かった。最悪の未来を想定しておけば、それ以上に最低になることはまずない、という話もその通りだなと思った。政府や他者に期待しない、というのは大事なこれからを生きていく姿勢だなと思った。
・一見すると辛辣にも見える成毛眞さんの「冷静かつ客観的な視点」が私には全然無かったものだから凄くこんな考え方の人が居るんだなと勉強になった。お話自体も物凄く勉強になったけど、冷静で客観的な視点というのも羨ましいなと思う。内容がロジカルで、テクノロジー全般の最先端の情報にとっても疎い私にも分かりやすく、読みやすかった。
また、むつかしいことを簡単に噛み砕いて伝える能力の高さが凄まじいなと思った。
私みたいなIT・AI・テクノロジーの素人でも眠らずに読了できました! 興味深いという意味で面白い話がたくさん書かれていて、扱うテーマは重厚かつ悲惨なディストピア的未来が垣間見えるような絶望的な雰囲気もただよいつつも、「テクノロジーの力を借りつつ、あなた自身がどう良い選択をしていくか。そこにかかっている。あなたの力を信じる」みたいなメッセージが詰まっている気がして、好きでした。
そう、なんとか、なる……はず。
(ならなかったら我々は死ぬのですが、そうならないためにも個人として生き抜くすべを身に着けたいなと思いました。大事なスキルは「良い情報にたくさん触れ、テクノロジーを活用し、自分の頭で思考し、自分で選ぶ力」かなと思いました。良い情報というのは書籍などでも勉強できるし、インターネットでも発信者をよくよく選べば見つかるだろうし、AIやテクノロジーを毛嫌いせずに利用できるところはとことん利用して、結局のところ自分の人生の運転席には自分を座らせ、人生のハンドルも自分で動かすことが大事なのだなと思いました)
(私が100歳まで生きられるかどうかは誰にも分からないし、あなた様が100歳まで生きられるかどうかも誰にも分かりませんが、なんとなく、お互い楽しい人生になるといいですね……!)
<読んで、何をしたいと思ったか>
もっと本や実用書のたぐいをいっぱい読みたいなと思った。面白かったし知らないことがたくさん書いてあったので、AIやテクノロジーや未来予想や理系の本などを読みたいなと思った。
そして最悪の場合(水資源や食料資源をめぐって戦争が起きた場合に備えて)、国外に亡命することも考えてきちんと英語の勉強をしておきたいなとも思った。
あと、健康管理とか自分の読書感想文などのコンテンツを充実させることとか頑張りたいなと思った。