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EP.8:現代戦闘において重要なのはやはり航空機

 【ブライアン村(仮)の戦い】

 アメリカ合衆国軍兵力

・自動車化歩兵三小隊


 魔法国家(仮)軍兵力

・不明


ーーーー


 【異世界基地司令室】


「何?敵意のある集団とジョン達が交戦し始めた?」

「はい。おそらく昨日野宿していた集団と思われます。最初の攻撃を受けた3人が重症とのことです」


 ここは知っての通り異世界の米国司令室(仮)。そこにスティーブとその一向が集まっていた。


「敵の人数は?」

「おそらく50人程度とのことです」

「数では有利のようだな」


 通信兵から報告を受けたマーカスが急いでスティーブへ伝えに来ていた。


「ですが、相手は魔法国家軍です。どんな攻撃をするかわかりませんよ」

「まぁ、そう焦るな。サラ、念のため出撃準備をしておいてくれ。支援要請が来るかもしれん」

「了解しました」


 この世界において初の戦闘である。それなりの上の立場としても全員緊張な面持ちであった。そんな中、一番冷静だったのは、やはり経験値のあるスティーブ中将だっただろう。

 しかし、そんな中将も含め全員が心配なことが1つあった。


「「「あのポンコツ(ジョン)大丈夫かなぁ…」」」


ーーーー


 【ブライアン村(仮)入り口】

「現在の状況はどうなっている?」

「村の入り口付近で巡回していた兵士が約500m先の丘に布陣した敵により攻撃を受けました!どういうわけか簡易的な塹壕のようなものがありこちらからの攻撃が非常に難しい状況です!」


 魔法国家軍はジョン部隊の存在を見て念のため防衛線を引いていた。塹壕は魔法で作ったとはいえジョン部隊にとっても予想外の状態だった。


「塹壕か、下手に突撃すれば攻撃に晒される…かといってバレずに塹壕に近づけるわけでもないしな…」


 今はジョン部隊が威嚇射撃を行い少しだけ損害を与えたことによって敵が塹壕に篭っている状況だ。その間にジョン達3人は作戦を立てている。


「あざらしさん、大和魂で突撃してきてくださいよ」

「五十嵐や!あと大和魂なんて持ってない!」

「貴様非国民か!?」

「違い違う、そうじゃない!」

「なたば祖国にためにも人民解放軍に突撃してもらうしか…」

「アメリカ軍や!アカ共とは違う!」


 3人はこう見えてもかなり真剣に悩んでいた…いやどこがやねん!


「まぁ真面目に考えて厳しいよなぁ…砲撃支援も要請できないし…砲撃支援があれば敵を混乱させる隙に突入することは可能なんだが…」

「ジョンさんっていつもはポンコツですけどこういう時は結構マシですよね…」

「こうなったら全員で万歳突撃を…」

「前言撤回します」


 しかし、実際に打開策がないのは事実であった。ジョン達は村に籠ることによって敵の攻撃からは免れているものの、敵から謎の遠距離攻撃を受けるせいで動くことができない。しかも500m先となると近づくことも容易ではない。トラックがあるとはいえ未知数の敵の攻撃を受ければどうなるか分かったものでもない。

 3人の頭がほぼ行き詰まったと思われた時、通信兵が1つの報告に来た。


「隊長、スティーブ中将からの伝達です。『空軍支援も可能だから遠慮なく支援要請してもらっていいよ〜♪』…とのことです」

「「「それだあああああああ!」」」


ーーーー


 【異世界基地司令室】

「航空支援要請か、用意しておいて正解だったな。既に用意しているおかげで直ぐに出撃できる」


 スティーブ中将達に支援要請が来たのは支援可能の旨を伝えてから2分も無かった。


「サラは既に出撃準備は完了してるか?」

「いいえ、空軍基地からの連絡によると少なくともあと3分はかかるとのことです」

「なるほど、了解した。マーカスはヘリも飛ばせるように連絡してきてくれ」

「了解しました」


ーーーー


 【異世界空軍基地】

 サラの率いるストレンジ隊が丁度離陸準備を完了していた。管制塔との最終確認を行うところである。


「こちら管制塔。ストレンジ隊、離陸準備は完了したか?」

『こちらサラ、5機とも全員離陸準備は完了してるわよ』

「了解した。最後に作戦内容を確認する。ストレンジ隊全機聞いておくように」

『『『『『了解』』』』』


「現在陸軍のジョン小隊は我々が発見した村にて敵対勢力と交戦をしている。敵は簡易的な塹壕に篭っておりジョン部隊達での攻略は容易ではない。よって我々空軍が近接航空支援を行う」


『こちらサラ、具体的にどのような段階で攻撃すればいい?』


「えっとだな…まず第一段階としてサラ隊長には低空飛行を行いマッハ0.9で敵勢力上空を通過してほしい」


『はぁ!?なんでそんなことする必要があんのよ?』


「落ち着いてくださいサラさん。まずマッハで飛行することによって衝撃波を起こしますこれで塹壕周辺の雪を巻き上げて敵の視界を奪います。次に他の部隊は空対地ミサイルで塹壕内を攻撃するってことです」


『なるほど。でもそれだと私がいなくても作戦は遂行できるんじゃない?』


「いや、そうもいかないんですよ。まず1つ目の理由として空対地ミサイル迎撃される可能性があるからです。敵に防空能力があればミサイルが迎撃されるリスクが少なからずあります。ただ、サラさんが雪を巻き上げた場合敵の視界を奪えるので防空能力の低下を起こすことができます。」


『なるほど。じゃあ2つ目は?』


「2つ目は空爆後にジョン隊が安全に進むことができるからです。少しの間とはいえ敵の視界を奪えるので安全に塹壕に侵入できる可能性が上がります」


『なるほど、了解したわ。まぁ、私は一応飛行経験は豊富だから、やってみせるわ』

「よろしくお願いします。ではストレンジ隊、離陸を許可する」


ーーーー


 【ブライアン村】

「航空支援開始まであとどれぐらいだ?」

「連絡によりますと後3分で開始するとのことです」


 ストレンジ隊が離陸して全速力で向かっているといえ支援要請から既に10分が経過していた。既に交戦した隊員3人が重症を負っている状況で、なんとか一命を取り留めている状況だった。

 いつ敵かたの全面攻撃を受けてもおかしくない。そんな状況だった。

 そんな中、ついに通信兵から報告があった。


「隊長!航空支援部隊との無線がつながりました!」

「本当か!直ぐに持ってきてくれ!」


 ジョン含めた全隊員が待ち侘びていた航空支援、それがついにきたのだ。

 ジョン達3人はは無線機のあるトラックへ駆け込む。


「サラさん?聞こえますか?」

『えぇ、聞こえますよ。待たせたわね』

「ありがとうございます!で、私たちはどのタイミングで動けばいいでしょうか?」

『そうね、とりあえず耳塞いでおきなさい。突入のタイミングはわかると思うわ』


 耳を塞ぐ?そんなキーワードに隊長3人組は困惑していた。そんな時だった。


「隊長!6時方向に航空機です!5機のうち1機は低空飛行してきます!距離約5km!」

「あっなるほど…総員!耳塞げ!村人全員も耳塞げ!」

『よく分かったわね。構えときなさいよ!』


 一瞬のことであった。サラの乗った戦争機は1秒もしないうちにブライアン村を超え、敵の塹壕を超えた。

 けたたましい轟音が鳴り響き、数秒後には敵塹壕も含め全体が吹雪かのような状況になった。だが、これで終わりではない。


『各機、空対地ミサイルを発射せよ!』


 4機から放たれた8発の空対地ミサイルはブライアン村を超え敵塹壕へと直撃した。敵の悲鳴はブライアン村で一番耳の遠い人物でも聞こえるほどだった。しかし、これでまだ終わりではない。


「今だ!全隊員、突撃ーッ!」

「天皇陛下バンザアアイ!」

Ураааааааа(ウーラー)!」

「「お前らふざけんのも程々にしろー!」」


 しかし、ジョン達の優勢は確実であった。敵は混乱状態で碌に反応もできず、壊滅状態にありジョン部隊の攻撃を受けるのみであった。多少の抵抗はあったものの、無事に敵の殲滅に成功した。そして…


「ジョン隊長!敵の指揮官と思われる者の捕縛に成功したとのことです!他にも5人ほどの敵兵を捕縛、その他敵勢力の全滅を確認しました!」

「よくやった!サラさん達には感謝しかないな。全隊員、航空隊に手でも振っておいてくれ!」



『サラさん、陸軍の奴らが手振ってくれてますよ』

「ふーん。返事してあげないといけないわね。全機、高度下げなさい!低空飛行するわよ!」



 ジョン部隊全員が異変を感じ取ったのはその直後であった。


「隊長…なんか航空隊がこっち向かってきてません?しかも低空で…」

「あっまずい…村の人達大丈夫かな…全隊員、耳塞げ!」


 その直後にストレンジ隊は低空を通過した。1度あることは2度あるということで村人達は耳を塞いでたものの、耳を塞ぐことができない捕縛された敵の指揮官は気絶してしまったようである。


「かっこいいけどこれうるさいんだよなぁ…まぁいいや。後で帰ったらお礼しよう」


 そんなこんなで、魔法vs科学最初の戦いは魔法陣営がほぼなす術なく終わったのであった。

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