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EP.7:第一村人発見

ジョン視点です

 どうも、ジョン・ハントです。スティーブ中将…俗に言う師団長の指示でサラさん達が見つけた村へ探索に行くことになりました。とはいっても私の部隊だけではないので、総勢150人ぐらいで行くことになっています。

 50人ごとに1部隊となっており、1つは私が率いるジョン部隊、2つ目が日系アメリカ人の五十嵐拓実(いがらしたくみ)さん率いる五十嵐部隊、3つ目がセルバー・スターリン率いる人民解放…おっと失礼、セルバー部隊です。

 とりあえずトラックで後々発見した舗装(仮)されているものと見られる道まで出て村に向かう予定。とは言ってもスティーブさんに指示されただけです。


「これであってますよね?あざらしさん」

「五十嵐や!あと合ってる!」


 合ってたらしい。とりあえずスティーブさん達と挨拶を済ませてから出発することになってるので、スティーブさん達と司令室で話しているところです。するとスティーブさんが怖いことを言い出した。


「実はな、昨夜下準備でサラ達が夜間飛行を行っていたんだがな、今日向かう街道っぽいところ分かるな?」

「えぇ、もちろんです」


「そこの街道を通っていくと村があるのはわかっていたんだがな、そこを超えた15kmあたりに何者かが野宿してるような場所があったらしいんだ。焚き火も見えたらしい。接触する可能性が結構高いから警戒しておいてくれ」


「了解しました」


 いや、この極寒の地の中で野宿したら凍え死ぬわ!


「もしかしたら魔法使える奴らかもしれないから、そこも警戒しといてね」

「え?この世界って魔法使えるんですか?」

「俺たちは使えないよ。とりあえず頑張ってね〜」


 え?魔法とか聞いてない。説明もほとんどない。村の人たちに魔法で攻撃されたらどうするんだよ…

 魔法という新たな不安もある中、とりあえず遠征部隊は出発したのであった。


ーーーー


「村があるって場所はこのあたりですかね、あざらしさん」

「五十嵐だよ!」

「人民解放軍のみんなぁ!準備できたかぁ!?」

「俺たちはれっきとしたアメリカ軍や!アカどもと違う!」


 全員の調子は良さそうだな。このまま村へ徒歩で行こう。


「トラック運転手は各隊に随伴しながら運転続行、他の隊員は徒歩で村へ行く。雪で足が取られやすいから注意しろ。あざらし部隊も人民解放軍もいいな?」


「「もうそのネタいいから!」」


ーーーー


 某村(名前はまだない)入り口付近


 おそらく入り口まで来たのだが…村人と見られる奴らに脅されてる。とはいえ相手は桑や斧と見られるものだ。多少形が違うとはいえ銃火器を使用するこちら側が有利なのは間違いない。強気に行こう。

 そんな考えを張り巡らしていると、あちら側が先に話し始めた。おそらくこの村の村長だろう。かなりお年寄りだ。


「お前達は何だ?最近噂の魔法国家の奴らか?」


「脅かしてしまったのなら申し訳ない。我々はおそらく異世界から来たものだ。ここにいる者以外にも仲間はいるが、探索していたらここに辿り着いたと認識していただけたらそれでいい。あとその魔法国家とやらとは違う。」


「なんと…異世界から…」

「あのお方の予言は本当だったんだ!」

「やったぞ!俺たちは助かったんだ!」


 相手は異世界と聞いた途端にざわざわし始めた。中には涙する者もいる。相手も武装解除した。

 甘いなぁ、こいつら。相手に何があったのかはわからんがすぐに武装解除しては相手が嘘をついていた場合敵に隙を見せることになる。そうなれば負けるのは確実だろう。

 ただ我々が嘘をついていないと信じてもらえたという点では喜んでいい。ただ、こいつらも馬鹿じゃない。すぐに武装解除したのには理由があるはずだ。


「あの…そこの村長っぽい方?」

「あぁ、わしのことですかな?」


 よかった、合ってたらしい。とりあえず質問を続けよう。


「我々がいうのも変ですが、警戒はもういいんですか?異世界に何か特別な意味があるとは思えませんし…」

「そんなそんな、異世界人はとても重要なのですよ。とりあえず、わしの家に来ていただけませんか?にしても人が多いように見えるのですが…」


 あ、まぁこの村において150人は結構多い方なのかもしれないな…住人も多くて50人ぐらいしかいなさそうだし。


「わかりました。あざらしと書記長は付いてきてくれ。他の隊員は村の周辺を警戒!中将の言っていた魔法使いが来るかもしれないからな!見つけたら報告するように!」


「わかったけどもう名前間違えんな!」

「書記長に関しては意図的だろ!」


 あ、バレてたか。


「アザラシさんとショキチョウさんも、どうぞこちらへ…」

「「違います!」」


 間違って覚えさせちゃったか…まぁ、面白いしいいか!


「「これだからジョンはポンコツって言われるんだよ!」」

「すまんすまん、ずっと気になってたんだけど…息ぴったりだね。」

「「どうでもええわ!」」


 あ、またぴったり。

 そんなこんなで村長の家へと案内されるのであった。


ーーーー


「異世界人の御三方、遅れましたがわしはこの村の村長をやっております、ブライアンと申します」

「これはどうも。我々はアメリカ合衆国陸軍の小隊長やっております、ジョンと…」

「五十嵐です」

「セルバーです」

「あ、あめりか…?がっしゅう…?しょうた…え?」


 …何だか困惑している様だが、そこは後で説明しよう。

 とりあえず自己紹介は終わった。早速だが本題に入ろう。


「先ほど我々が異世界と聞いた途端に警戒を解かれましたがなぜでしょうか?もう少し警戒するべきだと思うのですが…」

「それはあなた方も同じでしょう。歓迎ムードになったように見えて実は敵かもしれませんよ?」


 あ、確かにそうだ…師団長に怒られるなぁ…


「だからお前はぽんこつって言われるんだよ。」

「そういいながら五十嵐さんも一緒に来たじゃないですか」

「あ、確かに」


 まぁ、3人とも同じ責任ってとこだな!


「ちなみに、わし達は皆さんの敵ではないですぞ」

「あっはい」


 話が逸れてしまった。本当に本題に入ろう。


「それで、我々がなぜ重要なのですか?あと、魔法国家についても…」

「あぁ、わかりました。説明させていただきます」


 今気づいたけど、この爺さんはボケてないんだなぁ…


「時はおよそ5年ほど前、沿岸部にとある街がありました。この大陸の中では1番大きい街で、そこは我々を含めて他の集落との交流の重要拠点でした。しかし、突如として地平線から大艦隊が現れました。1隻も大きさはとても大きく、多少の違いがあるとはいえ、全長40mはあったとの噂です」


「あ〜、その艦隊が上陸して来て街をことごとく破壊した後植民地の足がかりにして、抵抗はあったものの勢力を広げていったと。そして植民地では搾取が行われていて、ひどい状況ってことですね?」


「なんでわかるんですか!?その…あざらしさんと言ったかな?」

「五十嵐です!」

「ああ、五十嵐さんでしたか、失礼。その認識で間違いありません。我々の村にはまだ魔法国家の軍と見られる者達はまだ到達していないものの、5日前にすぐ近くの村を取り込んでおり、ここに来るのも時間の問題となりました」


 なるほど…え?やばくね?


「そんな時、以前からこの村で伝えられてきた英雄の召喚が完了したのです!とてつもない時間がかかりました。しかも英雄はこの世界にランダムに転移するものです。ですが、いつか我々を助けてくれると思い、その日を待とうと思っていたところに、あなた方が現れたわけです!あぁ、なんと嬉しいことか!」


 え〜…つまり俺たちはこの人たちに召喚されたと…でもなぁ、政府が助ける道理なんてないんだよなぁ…俺たちは助けたいけど政府がどう思うかもわからないし…


「いや、事情はわかったんですけど…もちろん我々は助けたいんですよ?でもね?政府があなた方を助けようと思うわけがないんですよね…」


「あぁ、その件に関してですg…」


 バァン!

 戦車の主砲でも放ったのかと思えるほどの轟音とともに、ジョン部隊の隊員が駆け込んできた。


「小隊長!大変です!敵意があるものと見られる魔法使いっぽい奴らが攻撃してきました!巡回していた兵3人が重症で、なんとか生きている状態です!自衛権の行使の許可を!」


 来たなぁ。サラさんナイスだね。偵察が役に立ったよ!


「皆さん!助けてください!あなた方だけが頼りなんです!皆さんが助けてくれないとわし達は終わりなんです!」


 まぁ、今回に関してはあちら側から攻撃してきた。別に戦闘したところで問題ないだろう。


「わかりました。五十嵐とセルバーは各隊の指揮をしろ!そこの隊員は確か無線係だったな?師団長に連絡を取れ、戦闘が起こったと!」

「こういう時だけ名前は間違えないんだよなぁ…了解」

「了解した」

「了解しました!」


 こうして魔法vs科学における初めての戦いが始まろうとしているのであった。

あ、下の五段階評価といいねもお願いします!

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