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EP.1:異世界航空偵察

 現状況を説明しよう!異世界転移した!以上であり異常だ!以上!


「また声に出てますよ。それにまだ断定されたわけではありません」

「じゃあマーカス、説明してくれ」


「了解しました。本日12時30分に基地内の全ての気温観測所にて気温が急激に下がる現象を観測しました。これに気づいた隊員が外に出てみたところ吹雪が発生していることがわかりました。今の季節で降雪、それどころか吹雪など歴史的に見ても異常であり、誠に異常であります」


「進次郎構文いらないから進めて」

「サラさん冷たいンゴ(´;ω;`)」

「なんjもいらないから」

「はよ続けろやワレ!」


「うぉぉい。すいません。え〜、異常を確認した隊員の一部は司令室にいた我々に報告に向かい、他の隊員はまだ状況を確認していない部隊に対して無線や直接での連絡に向かいました。そして事態を知った基地の比較的外側に位置する部隊が基地外を覗いてみたところ、本来あるはずの平野ではなく針葉樹林が広がっていました。ここで我々が事態をある程度把握し全隊員を召集、外出中だった隊員を除き全員がいる事を把握しました。そして現在に至ります」


 つまり、まだ断定はできないが、別の世界へと来てしまったかもしれないというわけだ。とはいえこのような場合の対応方法なんて今まで学習したことはない。我々も混乱している。


「この状況はどうすればいいんでしょうかね…他の基地との連絡手段もないですしお寿司…」

「そもそもこの基地以外に転移した存在がいるとは考えにくいし…」

「サラさん、ネタ無視するのやめてもらません!?」

「お前ら本当にお気楽だよな。隊員達はわからないことばかりで恐怖だらけなのに」


 とはいえ、我々ができることも現時点ではない。何しろこの吹雪だ。晴れているならまだしも、雪だと偵察部隊を送ることも難しい。せめて…


「「「せめて上空から安全に偵察できたらなぁ…」」」


 …よく考えたらあるじゃん。


――――


 アメリカ合衆国?

 ニューヨーク州?空軍基地


「サラ、本当に大丈夫か?」


「師団長が言い出したことでしょう。それに私は総飛行時間4200時間のベテラン、しかもこの航空基地の代表を勤めてるんですよ?大丈夫に決まってます」


 今しれっとマウント取られたような気がするんだが…まぁ、こいつなら大丈夫か。


「でも油断するなよ?ドラゴンとか出てきて殺されたら大変だからな」

「わかってます。それにうちの精鋭4人も連れていくんですから。ちゃちゃっと終わらせて帰ってきます」


「それ死亡フラグじゃ…まぁなんだ、よろしく頼む」


 では、始めよう。


――――


【作戦内容】

 ・転移したと見られる基地から半径50km内を航空機で偵察し、安全を確認せよ。

【味方兵力】

 F-35戦闘機5機(ストレンジ隊)

【敵方兵力】

 不明


――――


『こちらサラです。師団長、聞こえますか?』


「こちら管制塔、聞こえるぞ」


『了解しました。では指揮をよろしくお願いします』


「陸軍担当だからうまくできるかはわからんが最善を尽くす」


『了解…師団長、滑走路に到着しました。離陸許可を』


「了解、離陸を許可する」


『ストレンジ1、離陸します』


 聞き慣れたジェットエンジンの音と共にサラの乗ったF-35が離陸した。続いて残りの4機も離陸していった。


「こちら管制塔。全機の離陸を確認した。これより偵察を開始する。基地を中心として半径50km圏内を偵察せよ。また、念のため高度10000ftまで上昇して太陽とかそれっぽいものがあるのか探すこと」


『了解しました。ストレンジ2と3は高度10000ftまで上昇して』


『ストレンジ2、了解です』


『ストレンジ3、了解しました』


 数分後…


「サラ、現在の状況を報告せよ」


『現時点で我々の基地の脅威となりうるものは確認していません。もうすぐ2と3が10000ftへ到達するかと』


「了解した。ストレンジ2、状況を報告せよ」


『こちらストレンジ2、すごいですよ。めっちゃ。とにかくすごい』


「何がすごいんだ。もう少しわかりやすく説明してくれ」


『まず太陽に関してですが、いつもの太陽と大して変わらないように見えます。エンジン系統にも問題はありません。ですがめっちゃすごいものがあります。多分地球でいう月だと思うんですがね。その月に土星みたいな輪っかがついてるんです。写真を撮っておきますので後で確認してください』


「了解した。確認しておく」


 これではっきりわかった。やはりと言うべきか、ここは地球ではない。別の世界かもしくは別の惑星だろう。


「ストレンジ2と3はサラと合流せよ。サラ、何か問題はあるか?」


『特には何もありません。ただおそらく南と見られる方向に山脈と思われるものが存在しました』


「了解した。何かあれば報告せよ」


『了解しました』


 今回の偵察でわかっていることは2つ


 1つ目、ここが異世界であることはほぼ確実であること。地球に肉眼で視認できる範囲で土星のような形をした天体は存在しない。


 2つ目、東側に山脈があること。これに関しては特に問題はない。


「マーカス、俺たちはこれからどうすればいいんだろうか」


 困った時はエリートに。マーカスを頼る。


「そうですね…まず基地内の人間は異世界転移になんやかんやで順応しています。基地内の問題は特にないと考えて良いでしょう。インフラに関しては…ノリと勢いで」


 ノリと勢いで重要な問題無視しようとしてるぞこいつ。


「そうなると今度は基地外の問題が重要になります。基地外の生命体は我々のような人類である可能性も無くはないですが、実際には違う可能性が高いです。そもそも人類程の知的生命体がいるかもわかりません。まぁでも、こういうのって異世界転移=人類の別世界ってのがほとんどなので我々も同じようなケースであることを信じましょう。なのでまずはとにかくこの世界の生命体を見つけるべきです。できれば知的生命体がいいですけどね」


「わかった。吹雪が晴れ次第周辺を地上部隊で探検しよう」


 今後の方針はマーカスの言った通り進めることにしよう。と、サラからの通信が入った。


『師団長、聞こえますか?』


「こちら管制塔、聞こえるぞ。どうした?」


『村と見られるようなものを発見しました。複数の人間も確認できます。古代とまでは行きませんが、中世のような建造物も確認できます』


「よくやった。今回は十分情報が手に入った。ストレンジ隊は全機帰投せよ」


『了解しました。帰投します』


 ある程度情報は纏まった。


「マーカス、戻るぞ。今後の方針を決める。各部隊の隊長も呼んでおけ」


「了解しました」

登場人物紹介

スティーブ・ヴィグマン 45歳で独身 階級は中将 役職は師団長

マーカス・ジェレット 32歳で独身 階級は大佐 役職は大隊長

サラ・スミス 35歳で独身 階級は中佐 役職は航空基地長

あ、下の五段階評価といいねもお願いします!

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