EP.10:陸軍長官の噂2
【ブライアン村】
昔々あるところに、ブライアン爺さんが…じゃなかった。ここはブライアン村の村長の家。スティーブ中将が到着していた。
「ついたぞ〜、ジョンいるか〜?」
「いますよ〜、今行きます」
どうやらジョンは2階にいたようだ。ちなみにだが、ブライアン村長の家は2階建てである。
ドタドタドタドタ…
「おいジョン、こんな短距離でも迎えにきてくれるのは嬉しいんだがな、もう少し静かに階段は降りろ。他人の家だぞ」
「あ、すいません…」
ジョンには階段を降りる時大きな音を出してしまう癖があった。
「敵の基地に突入することになったらどうするんだ。階段をあんなデケェ音で降りるのか?」
「師団長、それ多分特殊部隊の仕事でしょう…」
「何言ってるだ、将来お前には特殊部隊に入ってもらうんだからな」
「え!?」
「冗談だよ。ポンコツのお前が入れるわけがない」
「それはそれでひどくないですか!?」
そんなこんなで2人は階段を登って行く。とは言っても十数段ほどで、直ぐに登り終わり村長のいる部屋の前へと来た。
「ジョンです。村長さん、入りますよ」
「どうぞどうぞ」
そしてスティーブ中将と村長の面会(?)が始まった。
ーーーー
「なるほど、つまり私たちがこの世界に来るきっかけを作ったのはあなた方だと…」
「そういうことです」
スティーブ中将へのブライアン村長からの説明が終了した。ここからは中将からの質問タイムである。
「でも、私たちを呼んだだけでは助けてもらえるとは限りませんよ?こっち側にはメリットはないわけですし…」
「同じことをジョンさんも質問されました。ですが、こういう時はこれを見せよとこの村に古くから伝わっているものがありまして…」
コンコンコン
「失礼します。分隊長、ヘリが1機こちらに向かってきています。基地からの通信によるとマーカス大佐と陸軍長官が向かってきているようです…って師団長!?敬礼!」
「いやいやしなくていいよ。大丈夫だから」
「申し訳ございません、では失礼します」
どうやら中将達にもちょうどマーカス達の情報が届いたようだ。
「陸軍長官が来るぞ、ジョンは先に行っといてくれ。俺はもう少しだけ話を聞いてから行く」
「了解しました」
ジョン分隊長は先に退席した。ここからは一対一での会話である。
「それで、先ほど言われた物というのは?」
「あぁ、それは1階にありますので取ってきます。少々お待ちください」
「あ、OKです」
ドタドタドタドタ…
「なんだよ、ジョンも村長も階段を降りる音が大きいな」
「お待たせしました」
「登ってくる音だけは二人とも異常に静かだな!」
「え…?なんです?」
「すいませんこっちの話です」
村長は困惑しながらも着席する。
「こちらがその物です。正確には液体ですが…」
その液体は透明な瓶であった。しかし、その中身は真っ黒であり、横から見ても向こう側が見えないほど真っ黒であった。
「これは…?」
「我々にも詳しくは分かりませんが、火を近づけたら燃えるというのはわかっています。燃える液体というのは非常に危ないので採れる場所にはこの大陸の物達は近づかないようにしています」
「まさか…これってこの大陸中で採れるんですか!?」
「えぇ…まぁ…ですがなぜこんな物が異世界人の説得に使えるのかさっぱりで…」
「いや…十分ですよ。これがあれば、完全にWINWINの関係になれますよ!」
「うぃん…うぃん…?よく分かりませんが…これは一体なんなのですか?」
そう、黒い液体で燃えるものと言えば1つしかないと言っていいだろう。
「石油ですよ!」
またまた更新遅くなってしまい申し訳ないです。
今回の話ちょっと短いですね。次回はその分長くします。
今後もよろしくお願いいたします。
あ、下の五段階評価といいねもお願いします!