4 学院入学
学院に入った。友達も沢山出来たし、楽しい事が沢山ある。
4 学院入学
学院入学の日になった。あまり緊張はない。7歳の時の発表会の延長と思えばいい。知った顔が沢山あるし友達だっている。コミュニケーション能力は高い方だ。
クラス分けを見た。ほとんど知った名前だ。シルビアやルドルフの名前もある。まずは入学式だ。講堂に入るとシルビアの顔が見える。向こうも気付いたようだ。シルビアが
「ボールベアリング凄いね。お陰で実用品の台車が出来たよ。」
何人かの学生に声をかける。彼らも応じる。ルドルフにも声をかける。返事が帰って来る。
「マリエール、マジックショーは出来るようになったかい。シルビア、発明は順調かい。」
二人はそれぞれに返事をする。
式が始まる。学院長挨拶、各教師からの注意、吹奏楽部の演奏。先輩にクラスまで誘導される。マリエールとシルビアは女の子達に囲まれる。ルドルフは取り巻きに囲まれる。教師が入室した。
「このクラスは、王族と領主の子息令嬢のクラスだ。レベルが高い。毎年の最年間優秀者はこのクラスから出る。みんな切磋琢磨して頑張りたまえ。」
注意事項、自己紹介、席決め、クラス委員、教材配布、時間割--------。マリエールは副委員長になった。クラス委員の説明が少しあり解散となった。
学院の生活は楽しい。みんなと仲良くなれる。信頼しあえる。何をやつてもマリエールとルドルフが争う事になる。中間テストの成績が発表される。1位がルドルフ、2位がマリエールだ。別に悔しくはない。わざと間違えたところが幾つもある。あまり抜きんでた成績では友達が無くなってしまう。この調子でやって行けば楽しい学院生活が送れる。
マジックショーも楽しく出来る。新しいマジックショーを発表したり、教えて貰ったりするのは楽しい。発明品のアイデアを出したり部品を提供したりする。シルビアは発明した品は領に送る。領で生産出来るようにアドバイスもしているらしい。
他の女の子とファションや恋愛の話をするのも楽しい。転生前もマリエールの記憶にも恋愛に関するものはないがテレパスが出来るので話は併せられる。シルビアは突然発言する。
「マリエールのお相手はルドルフ王子よね。」
マリエールは顔が赤くなるのを感じた。頭の中が真っ白に何を言っていいのか判らない。心臓の鼓動が早くなり。焦ってしまう。かろうじて
「そんな事ないわよ。私達まだ子どもよ。一人を愛する年じぁないわよ。」
と答えた。未知だから話題に出来る。既婚者同士でこんな事話ていたら浮気の相談になってしまう。
「真っ赤な顔して、満更でもないわよね。」
真っ赤になった自覚ある。しかし断じて恋愛感情ではない。
「ルドルフ王子は友達よ。7歳の時からそうでしょう。シルビアだってそうでしょう。ルドルフ王子とシルビアは私にとって友達よ。恋敵ではないわ。」
マリエールは強めな口調で言った。シルビアは
「学年1の秀才才女、美男美女、同じクラブ、領主王族クラスの学級委員同士、7歳の時から目立つから、他人から見れば恋人同士に見えるのよ。私はそうじゃないこと知ってけど。」
他人から見れば恋人同士か。何とかしなきゃ。
ルドルフ王子と恋人同士に見えるそうだ。あらぬ疑いをされぬ様に注意しよう。