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死の意味
人は、色々な場面で卒業をする。学校、家族、会社など時期が来れば集団から出て別の集団に移っていく。
死もまだ、卒業と考えられないだろうか。天寿を全うして死ねればよいが、道半ばにして殺されることもあるだろう。しかし、それは皆等しく卒業なのである。
正しく卒業するには、未練を残さないことである。遣り残したことはたくさんあるに違いない。だが、それが未練となるかどうかは別だ。
残ったも者に託す。
これが、未練を断ち切る最良の方法である。自分にしかできないというのは驕りである。託し続ければいつか自分を超えるものが現れる。だからこそ託して卒業する。これが成仏である。
故人の成仏を願うなら、祈るのではなく、引き継ぐことだ。そうすれば安心してあの世を旅立てる。あの世を信じてなっければ、安らかに息を引き取ることができるといってもいいだろう。
ただ、何もかも引き継げるわけではない。そこは大事なものだけに絞ろう。
宗派や国によって考えが異なるが、仏陀が仏となり輪廻転生から抜け出したのは、弟子が引き継いだからだろう。