悟りの条件
悟りの状態になるための条件として大切なことを考えよう。
まずは、悩みが必要だ。問題意識といってもいい。今日の飯の心配であろうが、弥勒の救済の悩みであろうが、なんでもいい。常に問題意識を持つことが必要だ。
次に、問題を解決したいという意思。
最後に、人生経験である。なにも豊富な人生経験を持つ必要はない。自分の人生を否定しては、何も得るものはない。数学の問題を解くには、公式を使ったほうがいい。公式や定理を自分で導き出しながら問題を解こうとしてもほぼ不可能である。
国語も経験がなければ、文章を読んでも実感がわかない。
人は、問題を解決するとき、己の人生を土台にする。知識は書物や会話で得られるだろうが、その意味は人生というフィルタを通して初めて理解できるのである。
経験があれば、弥勒のように瞑想によって悟りを得ることができる。しかし、多くの人は経験が不足しているから視野が狭いと考えられる。そのため、多くの逸話が実践をして悟るということを伝えている。
さて、条件が揃ったところで、すぐに解が得られるかというとそうではない。
考えるというプロセスが必要だ。このプロセスをいかに効率よく行なっていくかも仏教はちゃんと教えている。