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馬車馬のように働く魔物たち  作者: 蘆田
第2章 【姿無き魔獣】
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8話 『恐鳴の森』

商人のおじさんに別れを告げ、今後の方針について頭を悩ます。


「...うーん、『恐鳴の森』かぁ...どうしようかなぁ」


ウェスタ村に行くためには、ここから通常最低でも1週間はかかる。だけど、恐鳴の森を突き抜ければ3日で着くのだ。


「背に腹は代えられないか...うん!最短で行こう。それに、3日で着くなら貯蓄も持ちそうだしね」


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それからしばらくして、開けた道を避けて行き、『恐鳴の森』と思わしき森の近辺までたどり着いた。


「..いやぁ〜、やっぱり1人だと怖いなぁ…。正直、物凄く帰りたい」


けれど色々なモノを天秤に掛けて、ようやく足を踏みだすことに成功した。


『恐鳴の森』の中は薄暗く、比較的静寂な森であったなめ余計に恐怖を感じる。


それでも僕は、内心ビクビクしつつ進んでいくことにした。


「さっきまでは明るかったのに、森の中に入ると急に暗くなるから、気分が沈んでくるよ」



僕が愚痴を零しながら森を歩いていくと、数種類の魔物を発見した。


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【ホーンラビット】 兎のような容姿に鋭く長い角を携えている魔物 


【ラミア】 蛇の下半身を持つ魔物


【ゴブリン】 緑色の肌を持ち、背丈が低い不細工な魔物

etc.


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これらの魔物の中で一番最悪なのがゴブリンだ。


「ゴブリンって、好戦的で団体行動するから嫌いなんだよなぁ」


正直、僕と正反対の生物と言っても過言ではない。


普通の冒険者ならば、なんの脅威もないらしいが、僕には戦闘スキルがないから、余裕で負けてしまう。


つまり僕が生き残るためには、ゴブリンのような好戦的な魔物に見つかったら全力疾走しなくてはならないのだ。


しかしゴブリンは常に小さい鉈を所持しており、背丈が低いことから走れば余裕で逃げ切れる。


それ以外の魔物に関しては、ホーンラビットは足は速いけど比較的温厚な性格で、こちらから襲わない限り敵対行動は取らない魔物であり問題がない。


ラミアに限っては、薄ノロで有名なため問題ないのだ。しかし、いざ戦うとなると毒を吐いてくるので解毒剤を持たない限り、戦闘を控えるのが常識だ。


「ん~? なんでこの森って人気ないんだっけ?」


一見弱い魔物しかおらず、冒険者が避ける意味が分からなかった。


しかし、これから直ぐに商人のおじさんの会話を思い出すはめになるのであった。

なんか気分が乗ったので投稿しました。

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