10話 『鳴き声』の正体
「わ、わかったよ 取りあえず何か用があるんだね?」
キュゴキュゴォォォ!!
うん、何となくコミュニケーションが取れてきたぞ!
「で、でもさ、もう夜中で魔物たちが活発になる時間だから声量抑えてよ。 というか、怖いよ」
キュゥン…
あ、あれ?落ち込んじゃったのかな? でもしょうがないよ。 だって怖いんだもん。
「ねぇ、君の名前を教えてよ あっ!僕の名前はニヒト よろしくね!」
キュゴ!キュゴゴォ!!
「ん~、君は『キュゴ』っていうの?」
キュゴ?
……多分違うと思うけど、どうせわかんないしこのまま突き通そう
「まぁいいや! 君は『キュゴ』だ!よろしくね」
キュゴォォォォオオオ!!
「こ、怖いよ 大きな声を出さないでよ…」
どうやら、興奮状態になると声量が抑えられないようだ
「まぁいいや…って、そうだ! いい加減に姿を見せてよ」
キュゴ!?キュゥ…
『キュゴ』のテンションが急に沈みだし、俯きだした。
「んー? ねぇ、もしかしてだけどさ、 『魔法』とか『呪い』でもかけられてるの?」
キュゴ!? キュゴキュゴォォォ!!
「そっかぁ、、、君も、いじめられちゃったんだ」
過去の自分と『キュゴ』を照らし合わせて、なんだか悲しい気持ちになった。