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第9章  ミニPCが繋ぐ糸

第9章  ミニPCが繋ぐ糸


 「紗枝、ディズニーランド、楽しかった?」

 「パパは元気! ごはん何食べたの?」

メールを開くと、文章とママの画像、そして今の文面をしゃべりだした。

ママの言葉で!

 驚いたのは、刑事、看護師だ!

ママの役は確かパパが代わりに・・・・・


おい、どう言う事だ!

もう周りは相当混乱している。

「ママ! パパが大変なの! ママ助けて!」

 「どうしたの、紗枝・・・パパがどうしたの?」

「パパが知らない人に刺されて、いま大変なの!」

「死んじゃうよ・・・パパが! 助けてママ!!」

 「えっ・・・刺されたの!」

 「ママも凄く心配よ! それで・・今パパは?」

「うん、お医者さんはきっと良くなるって! 手術成功したから!」

 「そう、それじゃぁ きっと助かる! ママも祈ってるから!」

 「紗枝、紗枝も傍にいてお願いしなさい! 神様に!」

「うん、ずっと、ずっと祈ります、神様に!」


この会話勿論メールでの会話だが、刑事は不思議でしょうがない。

このママを演じているのは確かパパのはず・・・・・

では・・・誰がパパに代わってメールを、そして音声、画像までも

斉藤学刑事の頭をフル回転しても理解不能だ。

 斉藤刑事は事の次第を本部に連絡、すると上司がやって来ると・・・


暫くして、パソコンに詳しい人間、鑑識を連れて、

上司である大友厳一がやって来た。

 当然、別のパソコン、アドレスサーチを行える端末を持参して来た。

紗枝ちゃんに大事なミニPCをどうやって借りるか、大人が思案中だ。

このメールの発信元、もしかすると犯人と何か関係があるか、

若しくは大きな情報が得られる可能性が、非常に高いからだ。


 さあどうする、紗枝ちゃんの心を傷つけず、夢を壊さずに何とかPCを、

借りられる方法は・・・・

ママはいない、ママの変わりにパパがメールを・・・・・

そしてそのパパは今ベッドで生死を彷徨っている。

 では・・・今メールを打っているのは・・・誰?


以上の事、紗枝ちゃんに言えるはずがない・・・・・

どうする・・・

「それにしても・・・パパの代わりは・・・誰だ!!」

 「・・・・・!!・・」

「おい、鑑識、それにコンピお宅、何とかならないのか?」

 「はあ・・・! あの子のPCさえあれば・・・・・」

「何とか・・上手く話してあの子からミニPC借りられませんかね?」

「それを、今必死で考えているんだ! バカヤロウ!!」

 「いっそ・・・あのメールはママではない・・・・」

「バキャーロウ!!」

「それが、出来てりゃ・・・・・・苦労するか!!」


そんな状況を察してか、紗枝を心配してか・・・・・

看護師の岡本がやって来た。

 なぜか紗枝ちゃんと、同じくらいの女の子を連れて・・・

 「どうしました?」

「はい、実は・・・奇妙な事が・・・・」

 「どんな事ですか?」

「実は紗枝ちゃんのパソコンに、ママからメールが来ました!」

 「えっ・・・それって・・・不可能? では・・・」

「はい、そしてそのメール予定されたメールと思われる以外にも・・・」

 「それは・・・・?どう言う事ですか?」

「はい、パパが刺された事を紗枝ちゃんがメールしたら・・・・」

「それに対する、返事が・・・・・」

 「と、言う事は・・・・そのメールは別の人間が・・・・」

「はい、それは・・・父親を刺した人間と関係が・・・」

 「そうですか・・・・それで彼女のパソコンが・・・」

「そうなんです・・・あれがあれば何かわかると思うんですが・・・」

 「紗枝ちゃんから借りられない? ですね??」

「はい・・・困ってます!!」

 「そうね・・・確かに・・・・」

「看護師さん・・・・・、何とかなりませんかね?」

 「難しいわね・・・それ!」


そこへ、当の本人が現れた。


「あっ、看護師さん! またお仕事?」

 「紗枝ちゃんが心配で・・・・来たのよ!」

「ママからメールが来たんですって!」

「うん、来たの!! ママもパパの事、心配して・・・・」

 「そう・・・それは良かったわね!」

「ねえ・・・その人看護師さんの・・・・」

紗枝、同じくらいの女の子を見て安心したのか、傍によって行った。

 「アッ、そう・・・私の娘」

「優衣・・・岡本優衣8歳よ!」


「優衣です・・・紗枝ちゃん・・・ヨロシクね!」

「私、上地紗枝7歳です! よろしく!」

「紗枝ちゃん・・・ご飯は?」

「うん・・・でもパパが・・・」

「そう・・なんだ!・・・・」

「パパが大変・・・なんだってね!」

「そう・・・パパが死んじゃ・・・いそう・・・・・」


もう紗枝大きな瞳に大粒の涙が・・・・その紗枝に優衣が近づき

つられて優衣も瞳に光るものが・・・・


「大丈夫! 絶対・・・大丈夫!」

「ママたちが・・・ここの先生たちが紗枝ちゃんのパパ助けてくれる!!」

「絶対! ねえ・・・ママ!」

 「そう、大丈夫よ! 紗枝ちゃん!」

 「あのね・・・紗枝ちゃんにお弁当作ったの!」

「優衣も手伝ったの・・・・」

「ねぇ・・・一緒に食べよう!!」

「うん! ありがとう!」

「それじゃ・・・・食べよう二人で!」

「うん! 優衣ちゃんありがとう・・!」

 

「それじゃ・・・院長先生の所で食べたら?」

岡本看護師がそう付け加えた!

 しめた・・・と、思ったのも、つかの間!

紗枝はバッグをしっかりと握り締めて優衣と歩き出した。


そこで、岡本看護師・・・思い切って・・・・

「ねえ・・・紗枝ちゃん!」

「なあ・・に!」

 「そのミニパソコン、見せて欲しいのだけど・・・ダメかな?」

「えっ・・・・・」

少し困った様子が・・・・

でも・・・・・・

「うん、いいよ! 看護師さんなら・・・・・」

 「ありがとう・・・紗枝ちゃん!」


ふう・・・と大人たち、大きなため息が・・・・


See you later     Nozomi Asami



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