第43章 大友刑事の推察
第43章 大友刑事の推察
「貴方はどう思いました?」
「と言いますと!?」
「翔市さんがメールを送り続ける理由です!」
「それに対する貴方・・・」
と、言いかけて言葉を濁した。
それ以上はさすがに言いにくいのか・・・・
「そうですね・・・・・確かに不思議な感じでした!」
「それは・・・恋とか・・・?」
「そんな物でもないと・・・」
「でも・・・少し心が弾むというか、満たされるというか・・・」
「そうですか・・・・」
「お互い無いものを補充しあう・・ある意味ネット恋愛みたいになって・・・」
「えっ・・ネット恋愛!?」
「そうです・・・見知らぬもの同士でお互いに充足感を得て・・・・」
「充足感??」
「そうです、気楽な・・ネットでお互いに補い合い、そしてお互いに満たされる!」
「うん・・・そう言われて見れば・・・」
「メールを待つようになりそして、どんな事親子で話すのか・・・」
「気になりましたか!」
そう、貴瑛いつの間にか、翔市家族のメールが楽しみの一つになって、
来ない日があったりすると、待つ自分が・・・・、
そして何故かイライラが・・・・
相手の顔も素性もわからないまま、自然とメールを待ちわびる。
そう・・・・・恋人と待ち合わせて来ない時に、イライラする感情と似ている。
それは貴瑛にとって、まだ経験していない母親と言うか、
母性本能・・・それは自分に満たされなかった心の隙間を、
まだ見ぬ幼き子・・・小学1年生で母親を失った紗枝に心を置き換えてなのか・・・
そう、それは決して不倫ではない。
相手翔市は独身・・・・そんな事もいつしか心の隅に現れていたのか
そしていつの間にか、紗枝と言う娘の事や翔市の事が気になっていた。
今、翔市の安否が・・・・行く末が・・・
もしこのまま彼が覚醒しないとすると、紗枝のこれからの事が気になる。
「どうしました!」
刑事の質問の間に、今までの思考が一瞬飛んで行った。
「あっ、いえ・・・・すいません!」
「気になりますか?」
「ええ、まあ・・・」
「翔市さん、そう上地翔市さん・・・・」
「始めから貴方との接触が、目的なんて事ないですよね!?」
「あっ、そうですね! そんな事も少し考えました。」
「それと、上地さんの預金通帳ですが・・・」
「はい、あれは私も驚きました。本当に!」
「貴方の素直な感想を、聞きたいです! 今の!」
「そう言われると、私は何と答えたら良いやら・・・・」
「あの大金は、翔市さんの正当な仕事での報酬とお考えですか?」
どうも、目の前で理詰め、冷静沈着に、質問を貴瑛に浴びせる大友警部、
本当にエリート官僚で頭が切れる。
今までの貴瑛の中途半端な心を少しずつ整理して、
状況判断をきちんと行う。
貴瑛は頷き、そして自分の事も整理して、心のもやもやした物を解消してくれる、
ありがたい存在だ。
しかし、翔市の本当の狙いは、まだ多くが闇の中だ。
紗枝のIQ195も驚きだ。
おそらく、紗枝の母親が何らかの方法でアメリカに同行して調べた事だろう。
本当に、これからの展開が読めないと、大友警部は心では思っている。
しかし、それは表に出さないのが彼の凄い所だ。
翔市は優れたSEでありパソコンにはエキスパートだ。
全てに対して!
そしてどの様にして、あんな莫大な金額を手に入れたのか、
それは簡単な事では無さそうだ。
それに、預金通帳に振り込まれた相手が謎だ。お得意のスイス銀行の特別口座からによる、入金もある。
それは、妻名義でも億単位の別も口座に入金記録がある。
そう思うと、あの上地親子、謎だらけだ。
紗枝の行動も何故か疑ってかかると不思議な子だ。
まさか、とんでもない人物? 例えば改造人間だとか?
妻上地枝美子の正体も依然と不明だ。
表のプロカメラマン以外に何か特別な仕事が・・・・
例えばある国のエージェント・・・・何て考え過ぎか・・・・
しかし、あの億単位の入金に何か秘密が・・・・
また別な調査で、貴瑛の父親も何かミステリヤスな所がいっぱいある。
この父親は紗枝の事を気遣ってみたり、はたまた貴瑛との接触に、
歯止めを掛ける様な行動も行っている。
そう、貴瑛のいない留守に施設に半ば強制的に送り込んだ経緯がある。
その紗枝は貴瑛に異常に親しみを感じていた。
まるで娘のように、そして紗枝自身それを望んでいるような、
雰囲気が多々見受けられた。
それで真剣に紗枝と暮らしても言いかなって思うこともしばしばだった。
そんな情報をいち早く察知して、素早い行動で貴瑛の、
留守を狙って施設に預けた。
そしてその事の成り行きに紗枝は納得、驚く事に貴瑛も事が進んで、
父親を非難しなかった。
まるで事の成り行きを知っていた様な対応に、
周りの看護師も少し戸惑った。
遠くから見ていると、全て天の采配のような気がしてならないのは、
大友警部だけか・・・
そんな会話を遠くで高みの見物と言った感じのお宅、
ずっと沈黙を守っている。
まだ、早いそれに自分でもまだ3割位しかはっきりいえる事はない。
それに、まだ、一般人には公開できない、多くの機密事項を抱えている。
流石の大友警部も事、捜査に関してはお宅のほうにと言うか、
数段レベル(階級)の差がお宅のほうが上になるのであった。
しかしその事は2人だけの極秘事項だ。
うわべは、大友警部を上として対応している。
果たして、お宅の犯罪能力、階級は・・・・・・




