第39章 紗枝のIQ195
第39章 紗枝のIQ195
そして翔市は、娘紗枝に、ママからのメールを送った。
勿論ターゲットは、紗枝と貴瑛だ。
まあ、どちらかと言うと貴瑛を狙ってだろう。
これはあくまでも想像だが・・・
「ねえ、紗枝・・夏休みだね・・・もう直ぐ!」
「パパに連れて行って欲しい所、ママに教えて?」
そして、紗枝はメールに返事をした!
「紗枝・・・ディズニーランドに行きたいの!」
「そう! それじゃぁ、パパに伝えておくわ!」
「ママも行きたいけど・・・ごめんなさい!」
「うん、紗枝わかった! ママは今遠い所にいるのね!」
「そうなの、ごめんなさい! いつかきっとね! 一緒に・・」
ここで、紗枝の本心は果たして・・・
実を言うと彼女のIQは何と195であった。
その数値はアメリカで最もIQの高いブルーカラーの男。
義父の暴力に対抗するため体を鍛える。
学費が続かなくて大学は中退。
その男の名前はクリストファー・マイケル・ランガンと言い、その人物と同じIQだ。
バーのドアマンとして20年勤続後、牧場経営。
万物を説く理論「CTMU」も・・・・・
簡単に言うとべらぼうなIQである。世界で2・3番目に値する。
それは母親と本人のみが知っている。
少しずつ翔市も彼女の凄さに気づいて来た様な・・・
そして、紗枝もその能力を少しずつ発揮して来ていた様だ。
と言う事は彼女の一見幼い行動は・・・・???
メールのやり取りは1日1往復。
結構気長な、そして父親と娘の重要なお話として・・・・
利用それは果たして誰が一番利用していたのかは??だ!
翔市はこうしていつも紗枝の心を、ママと言うクッションをつけて聞き出したり、
捕らえて二人のストレスを無くす努力をしていた・・・つもり?
翔市は朝早く夜遅い、なのでこのメールがとっても助かる。
1月のうちに、起きている紗枝の顔を見られるのは1週間程有るか無いかだ。
その様な方法で、ディズニーランドへ行く日が決まった。
1泊2日の旅行だ。翔市の努力で何とか、近くのホテルが取れた。
紗枝にとってそれは最高のプレゼントだった。
母親が突然の飛行機事故でこの世を去り、落ち込んでいた紗枝を救ったのが、
母親の愛用していた1台のノートパソコンだった。
何故か母親は紗枝にパソコンの使い方を教えていた。
だが現実は殆ど自分で使いこなしていた。
母親も仕事が多忙で、家を留守にする事が多かった。
そのために紗枝にメールで彼女の寂しさを救った。
だが、紗枝はどんどん自分の力で学習した。
父翔市の書棚からプログラミングの本を持ち出し、
一人でいる事が紗枝にとって幸いした。
おそらく、彼女の能力は父を超えた??
PCが、今となっても母親と話が出来る、唯一の道具として大切にしていた。
その事を知った父親はそれを上手く利用したつもりだったのだろう。
母親がこの世を去ったとされてから、母親からのメールが来ない事に。
「ねえ、パパ? ママからお返事来ないの!」
「うん・・・そうか! ママきっと凄く遠い所に行って・・・・・」
その時の紗枝の心の中は果たして・・・
そして、翔市それ以上言葉が出ない。
紗枝の言葉に翻弄されていたのだろうか・・・
紗枝に悟られないように必死で涙を堪え、
窓の外を見つめていた。
これは、もう完全に紗枝の方が上目線で・・・
出た言葉が、
「ねえ・・・どうして? パパ!?」
「大丈夫、もう少し待てばきっと・・・・来るよ! 紗枝にメール・・・」
「そう・・・! じゃー待ってるね・・・紗枝!」
「うん、それが良い! きっと来るよ! 紗枝に!」
それから、翔市は母親に成り済まして紗枝の心を、純な心を壊さない決心をした。
翔市はパソコンに関してはお手の物だ。
普通の大人が見ても疑われないように、
発信元を分からない様にそしてその発信者が、
父親である事も完全にマスク(遮蔽)した。
間違いなく紗枝は承知していた事だろう・・・
そして、母親の残したノートパソコンに、
母親からのメールが毎日届くようになった。
それからはまるで見違えるように、
紗枝の顔に笑顔が戻り学校にも通い出した。
紗枝はまるで、2人の心を使い分けて・・・・
本当にママからのメールである事は、信じて疑わない純粋な心音の優しい子。
そして、もう一つの大人の顔を・・・・
その細工は勿論、翔市のコンピュータ技術がそうさせている。
翔市にとってそれは朝飯前だ。だが相当の時間を費やした。
紗枝が寝た後毎夜自分のスーパーパソコンの前で過ごした。
しかし、紗枝には全てお見通しで、
父翔市の作業を歯がゆく思っていた様子が・・・
父翔市の作る自作のパソコンも、おそらく個人の所有ではおそらく最高クラスだ。
部品代だけでおそらく数百万だ。とにかく最高のレベルの機器を採用している。
中には自ら設計して世界に1つと言う機器もある。
それも、紗枝にとっては何の事はない。
父翔市より先に、それよりも優れた設計図を書いていたらしい・・・
亡くなった妻の声を合成する等、お手の物だ。
勿論、以前の親子3人で撮影したビデオ等も当然利用する。
おそらく、普通の大人がそのメールに出る映像を見ても、
みんな本当に生きていると思うだろう。
それくらいに正確だ。
もしかすると、本当の狙いは・・・・(さ)(え)??
そして、その事を紗枝自身気づいて・・
それを感じて、自らそれに紗枝は・・・
「ねえパパ! ディズニーランド!」
「本当に行けるんだね!」
「そうだよ! 紗枝・・ずっと行きたいって・・・!」
「そう、ママとパパと紗枝と・・・ね!」
「切符買って、ホテル予約して・・・・・なのに・・・」
「ママが・・・・・」
紗枝、もう大粒の涙が零れて声にならない。
翔市も必死で涙を堪えている。
この時の紗枝の涙はきっと本当の涙! だ!
「紗枝、次に行く時は3人で・・・ね!」
「うん、絶対だよ!」
「パパ指きり・・・げんまんだよ!」
「う・・・ん! そうだよ! 絶対!」
翔市心が痛い、張り裂けそうに・・・・
いつか・・・紗枝きっとわかってくれるだろう・・・・
これはもう、完全に紗枝の大人の心を会得した発言だ!
翔市は完全に翻弄されて・・・・しかし、翔市にも策略が・・・




