第36章 二人の仲
第36章 二人の仲
「お邪魔します!」
「はい・・どうぞ!」
普通女性は男性を部屋に入れる時、それも一緒に部屋に入る時、
男性を待たせて身の回りを整理してから入れるが、
貴瑛の場合、そんなことはお構い無しのようだ。
まあ、事情が事情だが・・・・
何せ二人とも、アメリカからの帰国のままだから、
それも仕方の無い事か!
「PC立ち上げるよ!」
「ええ、どうぞ!」
「君のPCもすごいね!」
「いいえ、それ程でも!」
そうは言ったものの、確かに凄い!
PC二台を立ち上げ、二人は早速、例の脅迫文を読む!
警視庁のホームページへのアクセスは、横溝が素早くスマートに、
アクセスした。
何か特別な機器をUSBに装着その後いくつかのPWを入力、
そして自分の警察手帳もスキャニングさせた。
まあ、あの警察手帳と、USBが無ければ基本進入出来ない。
それは、あくまでも基本だ。
そう・・・・、ハッキングのプロはそんな物は不要だろうが・・・
その中でもわざと形跡を残す奴。
これはあくまでも愉快犯だ。
警視庁へ進入したぞ、と言う己の誇りと他人への自慢だ。
しかし、困るのは足跡を残さない。
そう・・・・消す、連中だ・・・
進入経路も、何もかも全て! だから、
どの様な情報が盗まれたのか、不安だ。
勿論様々なトラップ、警報、ブロックがある。
しかし、それをまんまとすり抜ける。
本当に困ったもんだ。
どうやら、現在のところ、犯罪者側のほうが上手の様だ。
脅迫文を再度、自分達の目で確認する二人
考えようによっては、筆跡、運ばれるルートがない!
要するに、発信元さえ追求の目を逃れれば、
これ程安心な伝達方法はないかも・・・
相手は相当な自身があるのだろう、
コンピューターとネットに関して・・・・
『紗枝ちゃんは預かった! ディズニーランドでね!』
「一体どうやって、彼女を園外に連れ出した・・・・」
「そうよ・・・それ、それ」
「まるで魔法??」
「そう、それに、父宗太郎も、職員たちも・・・・」
「と、言うか5分から10分間の間にどうやって・・・・」
「それに、紗枝ちゃん自身の意思は・・・」
「眠らせて! それは・・・」
『追いかけても、ダメでしょう・・・メールの発信元を・・・』
「くそ・・・凄い自信だ!」
「警視庁も科捜研・鑑識も未だに?」
「ああ、跡は追えたらしい!」
「だが・・・もぬけの空・・・ゴーストタウン!」
「今も捜査中・・・手がかり無し!!」
「そう言う事だね!」
「まるで打つ手が無い・・・・の・・・ね!」
「ああ・・・!!」
困惑気味のお宅、じっとモニターを見つめる!
隣で、別のPCに投影する、貴瑛モニター上の画面を頂く、ランで!
「やはりあの時の、翔市さんを刺した?」
「それは・・・違うでしょう!」
「金で関連の無い輩に依頼して・・・」
「そうよね、相手は頭脳・知能それも・・・悪知恵!!」
「ああ全くだ!」
『後の、連絡は紗枝ちゃんのママ役の貴瑛さんのメールで・・・だ!』
「そろそろ、相手の要求内容が来るかしら?」
「そうだな!」
「連絡して見るか!」
「それは・・・必要ないでしょ!」
「ああここにある・・・・と言うことは?」
「警視庁は一度だけ??」
「そうだよ・・・・・・」
そして、貴瑛の部屋のインターホンが!
そうでしょう、ここにも鑑識が来る。
当たり前だ!
「まあ・・・それ程期待は出来ない・・・が!」
「おい、今何と言った!! 横溝! おい!」
何と、鑑識の連中を部屋に入れていた貴瑛が・・・・
「あっ・・・・・スイマセン!」
「まあ・・・お前の言う通りかも・・・・だが!」
「頑張りましょう!!」
マズイ、マズイ・・・よ! と言う目で貴瑛に流し目・・・・
貴瑛も・・・、まさか・・・お宅がそんな事を・・・
言うなんて、私がドアに移動したのを、気づかずに・・・




