第24章 上地翔市と妻枝美子衝撃的な出会い
第24章 上地翔市と妻枝美子衝撃的な出会い
上地翔市と、妻枝美子との出会いはドラマチックだった。
と言うより、悲惨とか強烈とかでは言い表せない。
アメリカ、9、1、1です・・・・そう、
アメリカ同時多発テロ事件の巻き添えを、辛くも間逃れた
幸運な二人だったのだ。
あの日の朝、翔市は世界貿易センタービルで、
人と会い仕事をするはずだった。
が、しかしその日にアメリカに立つ便に乗り遅れた。
一方当時青山枝美子は、報道カメラマンとして、
世界を飛び回っていた。
ある筋からどうもニューヨークがおかしい、
何か大変な事が起こると聞かされていた。
そして、取材中のイラクから急遽日本へ戻り情報を収集中に、
ワールドトレードセンターが、爆破されると言う情報を手に入れた。
記者魂がそうさせたのか、何故かニューヨークに飛ぶ便を手配した。
友人からは止せと言われたが、どうしてもじっとしていられない、その気持ちが、
彼女をアメリカへ向かわせた。
そして同じ便に・・・・、それも隣の席に二人は座る事になった。
太平洋上を過ぎ去り、アメリカ大陸に機体が差しかかった辺りから、
パーサー客室乗務員たちの、機内での様子か慌しくなり
それとなく乗客は不安を感じるようになった。
関係ない話で座席や、トイレなどを検査する乗務員の顔が、
引きつっているのがわかる。
直ぐに、枝美子には状況が判断出来た。
嫌な予感が当ったのだ。
そして呟いた。
「この便ももしかすると・・・・」
「えっ・・・・今なんと・・・?」
「あっ・・・すいません! 何でも・・・ないです!」
必死で今の言葉を撤回するも、相手は聞く耳を持たない。
「いや・・・ウソだ“この便ももしかすると!” と、言いました確かに!」
翔市ははっきり、聞いていた、今の言葉を!
「ごめんなさい、寝言ですわ!!」
「私の目を見て仰って下さい!」
「・・・・・・!!」
「何故・・・目を背けるのですか?」
「・・・・・!!・・・・・」
「正直に仰って下さい! 私はどんな言葉も驚きません!」
「・・・うむ・・・・・!!」
「本当ですか!?」
「はい!」
「 では・・もし、もしもですよ・・・・この世界が終ろうとしても!?」
「はい、今貴方を見て死ねるのなら本望です!!」
「まぁ・・・随分派手な・・・・・これ・・・もしかして・・・私に!?」
「そうです、貴方を一目見た時から、決めていました!」
もう・・・何と言う強引さだ、
翔市は確かに隣に座った時から運命を感じていたのだ!
この人を妻にしようと・・・・・
「プロポーズ?」
「そうです、間違いなく今言います“僕と結婚してください!”」
もう・・・、枝美子も、どうせ駄目なら・・・
“まあ・・良いか”てな、軽い気持ちと、
これも運命と思い、頷いてしまった。
「そうですね! このまま生きて地上に降りられたら・・・・ね!」
この声は、いっそう低い声で囁くように、
お互いが・・・・
「所で、その・・・・この便がどうにかなるのですか?」
「そうね、もう貴方になら、話してしまいましょうか?」
「是非! もう二人は運命共同体ですから!」
「実は、今アメリカのニューヨーク、おそらくワールドトレードセンターが大変な事に!」
「えっ、それてって、テロ組織が?」
「アルカイダの報復!! 相手の言い分だけれど!」
「それで、この飛行機に・・・何か!?」
「そう、私の情報では飛行機を衝突させるらしいの!」
「爆弾を積んで?」
「いいえ、飛行機自体をビルに・・・・ミサイルみたいに衝突させるの!」
「ウソだろ・・・そんな事!」
「どうやら、本気らしいわ!」
「それで・・・この飛行機も?」
「そうね・・・・何か危険な物とか・・・あるいはハイジャック・・・ね!」
「君、そんな暢気な事言って・・・・」
「見てみて・・・乗務員の顔色!!」
「ああ、確かに変だ!」
「でしょう・・・・・」
「我々は・・・本当にここで終わりかな??」
「もう・・・祈るしかないわ・・・神や仏に・・・」
「あと、イエスキリストに!」
もうこの二人相当根性が座っている。
普通命がもう直ぐと言う時は相当もがき苦しみ発狂するだろう・・・・
そして、だれかれとなくその事を言いふらす。
でもこの二人、じっと先を見て事の成り行きを見守っている。
まして、最後に
君と二人で“結婚しよう・・・”だ、生きていたら・・・
そして、暫くして事の次第を機長が話し出した。
最小限に・・・・
この飛行機は大丈夫である事も、しっかりと付け加えた。
だが一つ、着陸場所が未定である事が付け加えられた。
ふーと大きなため息をする二人を尻目に、他の乗客は大騒ぎだ。
どうして、もっと早くとか・・・本当に大丈夫なのかとか・・・・
ニューヨークの詳しい情報をもっと・・・とか・・・・
そして二人は、地上に降りてから機体の陰で、
長い抱擁と口付けを交わした。
その二人に気づく者は誰一人いなかった。
もちろん二人は、二人の心はお互いに熱い情熱をその時
ものすごく感じた事だろう・・・
もしも、世界が終ろうとも・・・・・なのだから!!




