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第19章  紗枝施設へ

第19章  紗枝施設へ


「すいません、あの・・・紗枝ちゃんは・・・?」

 「紗枝ちゃんは市の福祉課の方が来て、施設に!」

「えっ・・・・施設! ですか?」 

「ああ、貴瑛さん知らなかったの?」

「ええ・・・全然!」

 「そう? でも貴方のお父さんも一緒に来てましたよ!」

「えっ、父が?」


貴瑛は、翔市の部屋に紗枝がいないので、すぐにナースセンターに

駆け込むように急いだ。

 そして少し顔見知りの看護師に話を聞いていた所だ。

そうか、父が福祉課に働きかけて紗枝ちゃんを施設に・・・

 それも私に相談せずに勝手に・・・・

一瞬かっとなって携帯を持ったが、そのまま暫く考えた。


 ここで、むきになり父親に連絡しても言われる事はわかっている。

いつもこんな時、勝手に突っ走るとこっぴどく叩きのめされる。

“「いつも先のこと考えないで、突っ走る! もう少し大人になれ!」”

の言葉が蘇る。

 ここは、少し大人になり善後策を考えてから・・・・。


 翔市の部屋に戻り、ソファーに腰掛けて翔市の姿を見つめる。

あの時、貴方は私に何を欲したの? 

間違いメール・・・・あれも狙い?


少しずつ、プログラムを送り続け、貴方と紗枝ちゃんのメール内容を私に送り

私に間違えたふりを続け、送り続けた本当の狙いは・・・

 

送られるプログラムをつなぐと・・・・・驚きね!

貴方ほどの凄い腕のプログラマー、そんなにいないでしょう?

ねぇ・・・・貴方は誰かに狙われていたの?

 

今までの私宛に送ったメールに何か秘密があるの?

問いかけても無反応な相手に問いかけながら、

自分で今までの事を整理してみる。

 

あれからずっと横に寝ていて、いつ起きるのか?

それともずっと・・・・

そんな彼を、見つめていた目線を落とし、彼の荷物・・・

新幹線を往復したバッグを見つめる。


楽しそうに笑った顔が3つ並んだ写真が、脳裏に蘇る。


今日見て来た! 

幸せそうだった家族たちの住居を見て来た。

 そう、あの家族に何が・・・

どんな風にしてあのように・・・


紗枝ちゃんのママは、あんなに世界中を駆け回り、

一体どうして?

 飛行機が墜落した、そしてインド洋の海の中・・・

遺品は勿論遺体も、何も無いとの事、そして預金通帳の記載額・・・・

 

そう、何気なくめくった通帳の数字、2つの通帳に記載された数字

あれは大きすぎる数字だ。

 もう一度その通帳をバッグから取り出して見る。

うん大きいだろう一般家庭には・・・・

 どうしてこの様に大きな額が・・・・・

振込先は確かイギリスの・・・アメリカの・・・

それに自分で入金した金額も・・・


 そんな事を考えながら時計を見る。

そうだ、もうメールしないと紗枝ちゃんが・・・・・


 翔市のベッドの上のロッカーから、ノートPCを取り出す。

これは、自宅のデータを移してある、機能もほぼ一緒だ。

 これで音声画像付きのメールを紗枝ちゃん宛てに送る。

ママとして、以前は翔市が行っていた作業だ。

 

そして、その作業をいつの間にか自分が行う、そんな風になった。

それも、考えてみると出来すぎ・・・・

翔市はこうなる事を予期していた・・・?

そうとしか考えられない。


これは・・・絶対に!!


ノートPCの電源をONにする。

もう見慣れた動作、光景だ。

 それも変・・・傍に・・・近くにいる、紗枝ちゃん宛てなのだから・・・


少し動作をしていつもの画面でメールを書き込む。

“どう? 紗枝元気?”

“パパはまだ起きないの?”

“何か変わった事は・・・・・”

それにあわせて音声、画像を作成する。

全て翔市のプログラミングで・・・・・・・

送信する。


この返事は1日送れて届く・・・・はず!

紗枝がまだ、ミニノートPCが自由に使えれば・・・・


 それにしても、父は・・・


そうかもしれない、親の気持ちとしては、この現状をそのままでは、

会社にこそ行き出したが、まるでわが子のように紗枝に・・・

紗枝の世話を・・・それは、年頃の娘がそうしていればこの先・・・

 父親としては何とか紗枝の事を忘れてほしいのが事実だろう・・・

少し冷静に考えれば当たり前・・・・か!


 何せ、貴瑛は1人娘である・・・・こ

の先は桜井家の後を次がなければ・・・・

今でこそ勝手にさせてもらっているが行く先は、

あの桜井コンツェルンを次がなければ・・・・・

 

そう、父親から家を出る時に用意された部屋は、

億ション・・・それも数十億のだ!

そんな家系の娘が何故・・・この様な事をと・・・・

むず痒く思うのは当然だろう。

 

そして、貴瑛の行動を監視していた父の配下から連絡をもらい、

今日と決めて実行に移させた。

 そんな事は、父親の力を持ってすれば簡単な事!


だが、すぐに父親に連絡しないでいるのも、

果たしてどんなものか・・・・

 少し前ならすぐに父に食ってかかったのだが、

それも少し考える余裕が・・・

 それは、少し貴瑛大人になったと見るのか・・・

まあ父親として少しは私の事を・・・・


一方紗枝の方だが、福祉課の人と貴瑛の父親の代理で来たと言う人の、

言う事を意外と素直と言うか、覚めた感じで聞き入れ、

少し離れた施設に行く事を承諾した。

 

そこから週に1度は父親の顔を見に来れる、

それと何かあったら直ぐに来れる。

 その言葉で、結構安心していた様子だ。

そして、一言、

「貴瑛お姉ちゃん・・・可哀想だもんね!!」

「紗枝が独り占めしちゃ・・・・・!!」


その言葉にさすがに大人たちにも目にかすかに光る物が・・・・


 See you later     Nozomi Asami



















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