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第18章  大人な紗枝

第18章  大人な紗枝


暫くは、翔市の病状に変化が見られる事も無いだろうと言う、

判断が主治医から出た。


紗枝と貴瑛の病院での看病も、今の状況では進展が見られず、

長期戦になると言われた。

 紗枝には貴瑛が、相変わらずママの代わり・・・・を、

それは翔市が行っていた事だが、紗枝にメールを送り続けていた。


そのメールのやり取りも紗枝は、パパの今の病状・現状を訴えて、

早く帰って、という内容のメールだ。

 何とか上手くつないではいるが、果たしてこのままで良いものやら?

いつまで・・・・それに紗枝自身、ママの状況本当に生きていると・・・

 貴瑛何とか話の中で現状を、理解してもらえるのをどの様な方法で、

行うべきか思案に苦しんでいた。

そして、犯人像も以前と変わらず、何の収穫を見ないのが現状だ。


そんなある日、看護師の岡本涼子が、話があるといってやって来た。

 患者と医師たちのムンテラ(医師からの説明、状況報告、手術内容の説明を行う)

ルームに来るように・・・

貴瑛には、その真意が当然想像出来た。


「実は、紗枝ちゃんの事何だけど・・・」

 「はい・・・」

「貴方に・・・どう言っていいのやら・・・・」

思案顔の看護師、その先の言葉を言いよどんでいる。

察しのいい貴瑛には何が言いたいのか想像はついていた。

 「紗枝ちゃん・・・身内がいないのですよね!」

「どうもその様です!」

「警察にも調べてもらいましたが・・・」

「一度、祖父の遠い親戚が秋田で生活していると言う事でしたが・・・・・」

 「来て貰えなかったのですよね!」

「そうなのです!」

 

「あの・・・もし私が引き取るとしたら・・・?」

「そうですね、そうなると正式な事は・・・」

 「そうですか・・・・でも緊急事態ですよね・・・」

「しかし、その辺は市の福祉と相談しないと・・・・」

 「わかりました、何とか考えます!」

「そうですか・・・でもあなたお若いし・・・」

「それにご両親も・・・」

 「はい、それも全て近いうちに何とか・・・・・」

「確かに、紗枝ちゃんはあなたに凄くなついているようですけど・・・」

 「はい、紗枝ちゃんは私と一緒にいたいと・・・・」

「そうですね・・・それは事実のようですね、間違いなく!」

 

「それで、翔市さんですけど、これから先どうなるのでしょう?」

「それは・・・・、私よりドクターに聞いたほうが・・・」

 「そうですね・・・・」

「でも、私の経験から言いますと彼が目覚めるのは・・・厳しい・・」

 「そうですか・・・可能性は低い!」


そうなると、どうなる・・・紗枝のこの先・・・、


例え翔市が意識を回復して・・・

目覚めても果たして何が出来る・・・・!

 多くの不安と疑問の山だ。


だからと言って私の行き過ぎは、両親に聞く事も相談する事も・・・・

その先は見えている。

 それに、自分自身これでいいのか・・・

自分の将来・・・、私はまだ23歳だ・・・

ちゃんと恋もしたい、彼・・・・・

そう彼と別れたのは、いつだ・・・

 あいつも、どうしているのか・・・・

確か留学して・・・・


それに、あの科捜研のお宅気味の横溝、あれからどんな捜査を・・・・

連絡は一度あったが、その後連絡は無い・・・・


が、しかし今思うと・・・あいつ少し気になる。

 あいつはまるで・・・私に関心は無さそうだ。

あっさり仕事とは言え一人で私の部屋へ入り、何の感想も述べず、

PCの画面を見入り・・・答えが出ないと知るとそのままアメリカへ飛んだ。

 やっぱり、あいつはお宅なのか・・・・私だって女そして始めて私の部屋に入った、オ・ト・コ なんだ・・・けど!


そんなの関係ないと言った感じだった。

二人で彼の車に乗り・・・・いつの間にか寝てしまった。

あれは、疲れがそうさせた・・・でもあんな油断した事、初めてだろう。

 あいつはそんな雰囲気を持っているのだろうか・・・・

いままで、言い寄ってくる人間ばかりで、うんざり・・・の気分だった。

 自分で言うのも変だが結構男にはちやほやされた・・・

でもあいつ何の反応も・・・

 まあ、事が事だった時だから・・・なのだろうか・・・


「ねえ・・・紗枝ちゃん?」

 「なあに、貴瑛ネエ!」

何故か最近貴瑛の事を、“貴瑛ネエ”と呼ぶ。

これは・・・良いこと? なのだろうが・・・

 いっそうの親近感がまるで姉か・・・身内?母親?家族か・・・

貴瑛一人娘なので、嬉しい気分なのか・・・・・なのだ!

 でもこれから先どうする・・・・真剣に考えると不安も・・・

心の隅にこのままで・・・・という気分が、

でもそうは行かないだろう・・・

そのうち両親が・・・・それに福祉の人間が・・・


そんなことを考えるといろいろ不安が・・・・・


そんな不安が突然訪れて来る。


貴瑛がこれからの事を、紗枝の身の振り方を考え、

調べようと秋田に飛んだ日に・・・・

事は起こった。


新幹線の始発で向かい、翔市の家へ行き、紗枝の服や身の回りの物を、

バッグにつめ、いくつかの書類を見ているうちに、

紗枝が使っていた机で母親の写真に目がいった。

 

並んで家族3人で写る、楽しそうに笑っている写真が隣にあった。

何気なくその写真立てを持ち上げると、その後ろに不自然な物が・・・

それは、封書だった。封がしてある・・・・

 それと、押し入れに特別に隠した感じではなく、通帳が2通あった。

一応それも持って帰る事にした。


他に決めていた調べごとを済ませて、最終の新幹線で帰る。

そのまま病院へ、翔市の部屋に向かうと紗枝はいなかった。

 

  See you later     Nozomi Asami











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