金剛貨...?
本日の第5話の更新が遅れてしまったことのお詫びとして、第6話を公開させていただきます。
「っ!天雷っ!天雷っ!」
『効かない、効かない!そんな攻撃、今の私には通用しませんよ!フフフフフフ!フフフフフフ...』
奇妙な笑い声は変わっていないな...じゃない!どうしよう、何をすればいいの!?
『おーい、そこの人!光魔法を使うのよ!』
「っえ!?」
周りを見渡すと、黄緑色のドレスを着た若い女性が走ってきていた。裸足だけど、痛くないのかな?
もしかして、この人がカミッラ姫なの?
『発動できるなら、急いで「断罪之光」を発動して!』
「えっ、あっ、断罪之光!」
私がそう唱えると、太い柱が現れ、バカでかいドラゴンに深く突き刺さった。
『ア゛...ア゛...ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!』
そんな叫び声と共に、ドラゴン(元悪魔)は燃え、そのうち消えてしまった。
魔法1つで、強敵だったはずのドラゴン(元悪魔)は死んでしまったのだ。
「...なんか寂しい」
『何を言っているの?早くここから出るわよ!』
「そうだね、ここから出ようか!」
『ただいま!トミ!悪魔は倒せたみたいだね!カミッラ姫は...そこにいる人かな?』
「うん、そうだよ!宿屋の前に転移させて!」
『こんにちは、可愛いモルモットちゃん。』
『一瞬イラッてきたけれど、3,2,1で転移するよ!』
「OK!」
『...転移ってどういうことかしら?』
『3,2,1!転移!』
『ふぁふぉええ!?っ、眩しいですの!』
「眩しっ!」
『あっ、カミッラ姫は転移が初めてだったね!...僕をからかった罰だよ。おめでとう。ハハハ...!』
「イチゴ、聞こえてるよ。」
『へっ!?あ、カミッラ姫、今のは冗談だよ!許してね!』
『...ブスモルモット』
『なんだってえ!?ブスはさすがに酷すぎやしないかい!?』
「まあまあ、二人とも!ほら、イチゴ!部下さんたちとリンさんを連れてきて!」
『うん...ここに転移。』
少し傷ついた顔をしたイチゴがそうつぶやくと、一気に部下さんたちが出てきた。リンさんもね。
『うわぁっ!?』
『っ、何が起きた!?』
『ぎゃっ!?』
「さわがしっ。みなさん!これはイチゴの転移魔法です!驚かないでくださいっ!」
『...転移魔法だと!?』
『この小さいモルモットが、あの転移魔法を使えるだとぉ!?』
『嘘...だろ?』
ヤバい。もっとざわめき出した。もうやだ。
...あ。強制的に黙らせる方法思いついちゃった。
「...あのっ!そろそろ黙らないと、イチゴが怒りますよ!」
『えっ、僕、全く気にしt「シーッ!イチゴ、少しは察してよ!」......そうだよ!怒るからね!』
『ぎゃあああ、ヤバい!ヤバいぞ!』
『そうだ、カミッラ姫様、報告に行きましょう、こちらです!』
『あ...ええ、わかったですの。』
部下さんたち3人ほどが報告に行ったようだ。残った7人の部下さんたちは、奇妙なほど静まり返っている。
10分ほどすると、宿屋からアルフォンスさんとおばあさんが出てきた。
『そこの女性。カミッラ姫様の祖母様がお礼を言いたいようだ。』
あっ、扱いが女から女性になってる。喜んでいいよね?
それと、カミッラ姫の祖母さんが来てたんだね。私たちがダンジョンに行っている間に来たのかな?
『今回は、うちの孫を忌々しい悪魔から助け出してくださり、本当にありがとうございます!』
「いえいえ、とんでもないです!」
『このようなお礼しかできなくて申し訳ありませんが、ブレード貴族の特性剣、ブレード剣を差し上げます。遠慮せずに受け取ってください。』
「えっ、いいのですか?」
『はい。』
「では、遠慮なく。」
カミッラ姫の祖母から受け取った剣は、少し重みがあった。
『女性。報酬だ。』
「あっ!ありがとうございます!」
アルフォンスさんからは、二つの小さな麻袋をもらった。
すぐに中身を確認すると、スキルチェリーが3つと、お金が数枚入っていた。
『それでは、我々はこの地を去らせていただく。今回の事、本当に感謝している。』
「...あ、はい。ありがとうございました。」
そうして、すぐにアルフォンスさんやカミッラ姫、部下さんたちは去っていった。
...結局、名前は確認されていないな。よかったぁ。
そういえば、気になったことがあるんだけど、麻袋に入っているこのお金って、どのくらいの価値なんだろう。本当に大金なのかな?実は価値がめちゃくちゃ低かったりして。
「...ねえねえリンさん、このお金ってどのくらいの価値なの?」
『ちょっと見せて下さいね......っ!?』
「どうしたの?やっぱり価値が低い?」
『違います!金剛貨が5枚...豪邸が買えますよ、これ!?』
「...ふぇっ!?本当に!?」
豪邸が買えるっ!?嘘でしょ!?ガチの大金だったの!?