イチゴとリンが仲間入り!
みなさん、おはようございます!そして、閲覧してくださり本当にありがとうございます!
本日は、第4話まで更新する予定ですので、是非第4話も閲覧してくださるとうれしいです!
「んー、まだ見つからないかー。」
正確な時間は分からないのだけれど、多分街を探し始めてから3時間は経っているはず。
まあ、ただただ歩いてるだけなんだけどね。人もいないし。
こんなに人がいないってことは、ここはかなり広い森林だと考えてもいいよね...?
「人の気配もないn...ん?」
ふと爪先に違和感を感じたので、下を向いてみた。
「...ふぉわあっ!?」
なんと、そこには怪我をしたモルモットが転がっていたのだ。背中には大きな傷が出来ている。
「息してない...でも!」
まだ命があることを信じて、私は回復魔法をモルモットにかけてみることにした。
「ヒール」
そう唱えると、モルモットを暖かい光が包んだ。
数分ほど待っていると、ゆっくりと光が消えていった。
『わあ、助けてくれてありがとう!』
「喋った!?」
喋ったことも驚きだけど....いろいろと可愛すぎる!!
声は可愛いし、姿は白の毛と茶色の毛が混じってる感じで最高!
「そういえば、なんで怪我してたの...?」
『タブー!タブー!』
あ、触れちゃいけない部分だったのね。
『そういえばさ、君の名前ってなに?』
「加藤瞳だよ?」
『何かあだ名つけようよ!自分で考えていいよー!』
あだ名!?何だろう...
うーん、ひとみ...ひと...ひみ...ひみこ......とみだ!
「とみっていうのはどうかな...?」
『とみ!いいねー!それにしよー!』
こうして、私のあだ名は、〔とみ〕になった。
『そうだ、とみ!僕にもあだ名つけてー!』
「いいよ!名前教えてもらっていい?」
『名前はないよ!だから自由につけてね!』
名前ないのか。そもそも飼われてたかもわからないし、そんな珍しくないよね。
うーん。あだ名...パンケーキ...チョコ...チーズ......イチゴとか?
「イチゴはどうかな...?」
『イチゴ...最高!ホントに最高!!気に入ったよ、ありがとう!』
気に入ってもらえたみたい!やった!
「ところで、イチゴ。一番近い街ってどこにあるの?」
『んー、村なら4.9㎞先にあるよ!』
「4.9㎞ぉ!?」
遠すぎる!無理無理!お腹がすかないとはいえ、無理だよ...
『その村なら、転移魔法で連れていけるけど、行く?』
「本当に!?ありがとう、是非行かせて!」
『OK、じゃあ3,2,1で行くよ!』
『3,2,1!転移!』
イチゴがそう唱えると、私とイチゴを暖かい光が包んだ。なぜか全く眩しくない。不思議だね。
光が消えると、そこには村が広がっていた。
屋根の色は全て薄茶色、壁の色は全て白に統一されていて、美しくなっている。
「うーん、宿とかないかな。」
だんだんと暗くなり始めているから、どこか泊まる場所を探さないとね。
『ねえトミ、あそこに泊まる場所があるみたいだよ。』
「あっ、本当だ!行ってみようか。」
《宿屋 カンフォタブル》と書かれた看板の方に行ってみると、そこには小さな宿屋があった。
「よし、とりあえず行ってみようか!」
『そうだね!行こう行こう!』
「あっ、宿屋にいる間はしゃべらないでね!?」
『OK!喋らないよ!ついでにトミ以外に僕が見えないようにしておくね!』
喋るモルモットとか驚かれるだろうからね。あ、でも異世界だから珍しくないのかな?
...てか、イチゴっていろいろな魔法使えるんだね。意外と最強だったり?
宿屋に入ると、カウンターに1人、ぽつんと男の人が座っていた。ボーっとしているようだ。
髪は茶髪で、蒼い目。完全なるイケメンだ。女だけど羨ましいよね。
「あの...すいませーん。」
『...お!お客さんだ!いらっしゃいませ、何泊しますか?この宿屋は、珍しい風呂が全部屋に完備してありますよ!』
「えっと...1泊...って、あっ!」
『どうかしましたか?』
「えっと...あの...お金持ってないんですけど...」
『一文無しですか!?』
「はい...」
その人はしばらく考える素振りをしたあと、ぽつんとつぶやいた。
『奴隷...』
「奴隷?」
『そうです!奴隷をもらってください!』
「え?奴隷?」
『リン!おいで!』
私が戸惑っていると、カウンターの奥の扉がゆっくりと開き、一人の少女が出てきた。
黒髪で、黄色の目。顔は整っていて美人だ。そして、頭に可愛い猫の耳が生えている。てことは、亜人かな?
『...なんでしょうか、ご主人様。』
『リン!お前をもらってくれる人がいるぞ!』
『...へ?』
「ちょっと待ったぁ!」
まだもらうとか言ってないんですけど!?何勝手に決めちゃってるんですか!?
『あっ、まだ紹介していませんでしたね!この子は、昨日私が強制的に買わされた奴隷で、15歳の黒猫亜人です。生活魔法や水魔法が使えるます。どうかお願いします、この子もらってください!』
「強制的に買わされた...?」
『はい...それについてはあまり触れないでほしいのですが...』
「あっ、ごめんなさい、それについては触れないでおきますね。」
リンっていう奴隷さんは苦しい思いをしてきたのかな...?いや、ずっと苦しい思いをしてきたのだろう。
「わかりました。是非、貰わせていただきます。」
『ありがとうございます!!ほら、リン、喜べ!新しいご主人様だぞ!』
『あ、ありがとうございます...?』
「リンちゃん!これからどうもよろし...っ!?」
突然、宿屋の扉が勢いよく開き、銀色の鎧を着た3人の男が入ってきた。
『...そこの女。カミッラ姫様を助けるのだ。』
「...へ?」
今回は8時半といういつもより早い時間の更新でしたが、基本的には朝10時に更新になると思います!