切り札の弱点
『アッハッハッハ!きちんとステータスが変わったようね!これであんたは、もう雑魚同然!』
物凄くイラつきますね。何が雑魚だよ。ふざけんな!
てか、リンとバルが苦戦しているな。どうしよう。
ここでイチゴを外すのは少し痛いけど、頑張れば大丈夫だよね。エルの実力を見てみたいし。
「...イチゴ、あっちの手助けをしてあげて。」
『んー、分かった!じゃあ行ってきます!』
「エル、この悪魔を倒す寸前までにして。」
『了解』
『ふふふ、雑魚以下の相手なんてつまら『光矢』ぐふぉえっ!』
果てしなく悪魔がダサいと思った瞬間でした。どうもありがとうございました。
『光矢!突風!光球!風刃!光縛!光矢!光矢!』
『うぐっ、がぁっ』
「す、すごい...」
なんか悪魔をエルが圧倒してるんですけど。エルってこんなに強かったんだね。驚き。
悪魔が反撃しないってことは、戦う気が失せているのかな?
『ぐはっ、うっ、うっ、闇矢!』
『うっ!』
「あっ!」
ヤバい!エルに矢が刺さっちゃったよ!
さっきまで、ずっと攻撃されていた悪魔が突然反撃してきたから、対応しきれなかったみたい。
「ん~っと!ヒール!」
私は、エルの脇腹に刺さっていた矢を抜き、回復魔法をかけた。
って、魔法使えないんだった!じゃあ、この矢は抜かない方がよかったのかな?
......あれ?
エルの脇腹の傷が、暖かい光に包まれていた。
その光が明けると、なんと、傷が綺麗になくなっていた。
私は、目をこすって、もう一度エルの脇腹を見てみた。
確かに、傷が消えていた。
「...え!?魔法が使えた!?エル!どうして魔法が使えるようになったのかわかる!?」
『効果が切れた』
「あ...そっか!そうだよね!あはは...!」
こんな簡単なことがわからなかった私って、ほんとうにバカだな。
『ヤバッ!あの魔法は1日に1回しか使えないんだ!せっかくこいつらを殺せると思ったのに!』
...こいつ、エルのステータスは変わっていないことに気づいていなかったのかな?
それと、やっぱりどんな魔法にも弱点はあるんだね。
弱点がない魔法があったら、それを使える人の性格によっては世界が滅びてしまうと思う。
さてさて。光の縄に縛られている悪魔だけど、どうしようかな。
うーん。天雷でも浴びせとくか。何発浴びせようかな。
『よしっ!!』
うっわ!悪魔が光の縄から脱出しやがった!ヤバいぞ!
『ターゲットはお前だ糞ババア!親も殺してやるからな!』
「...あ?死ねよヘドロ未満」
こいつ死ね。本当にクズ。殺す。何があっても殺す。
『闇球!』
「光結界」
『参戦しようか?』
「エル、こいつは私一人で殺させて。」
こいつだけは絶対に許さない。殺してやる。
『...わかった』
「天雷」
『ぐふぉぇぇ!』
「天雷、天雷、天雷、天雷」
『ごええっ!ぐふぃぃぃ!あががっ!だぁぁぁっ!に、逃げなきゃ!』
は?何、逃げようとしているの?自分から挑発して、どうして逃げるの?
「チキン待て。ベッド生成!そして光縛!」
『うがっ!あぁ、また縛られちゃった!』
ベッド生成術は戦闘にも使えることがわかりました。やったね。
あっ、光の縄から脱出されないように天雷落としておこう!
「天雷!」
『効かないわよ!闇結界!闇矢!闇矢!』
「光盾!光球!」
『激戦だ。寝よう』




