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バンパイアハンターエクソシス娘

いつもの思い付き短編っす!

「神の名の元に召されよ!」


聖書を手にした神父が十字架を掲げるが目の前のバンパイアはそれを素手で鷲掴みにした。

その行動に神父は恐怖し口を開けたまま固まる。


「残念だったな神父、俺は無宗教のバンパイアでな好物はニンニクなんだ」


そう言って神父の首に巻かれたニンニクの首輪を外す。

その一つを噛み砕き美味しそうに喰らう。


「ば…化け物め!」

「ありがとう、最高の誉め言葉だよ」


そう言って神父の首にバンパイアの牙が立てられる。

神父の悲鳴が響き外で待機していた村人は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。


「くくく…この村からはもう逃げられないのに…」


血を吸われた神父はその場に意識を失って倒れバンパイアは逃げ出した村人は狩りを開始するのであった。



 









「この村ね…」


少女は携帯電話のアプリが村にバンパイアが居ることを示す赤マークが付いているのを確認して呟く。

その姿はまさしくお嬢様と言うイメージがピッタリの白のワンピース。

金髪の長い髪がサラサラと風に流され村を見つめる少女。


「オプティックブラスト!」


突如少女の目から巨大な赤いビームが放たれる!

左手の指をこめかみに当てて力を入れたと思ったら突如放たれるのは全てを飲み込む殺戮兵器であった。


「よし、綺麗になった」


少女の前に在った村は一瞬にして蒸発し更地となっていた。

既にアプリで村に人間のまま生きてる人物が居ないことを確認した少女は先制攻撃で一掃したのだ。

しかし、村があった場所の中央で肉片が蠢く。

やがてそれは人間のような形を作り出し立ち上がる。

あのバンパイアだ。


「な、なにがあったのだ一体?!」


全裸のバンパイアは周囲が更地になった事に驚きながらも辺りを見回す。

その姿を見て少女は舌打ちをしながら呟く…


「チッA級バンパイアか…」


世界に数多居るバンパイアにはランク付けがされている。

単独で増えないC級バンパイア、血を吸い仲間を増やすB級バンパイア、そして死ぬことのないA級バンパイアである。

バンパイアは少女の姿に気づき口を震わせる。

その少女が自分を殺すためにこんな事をしたのだと理解したのだ。


「き、貴様…」

「うるさい黙れ!」


再び放たれる巨大ビーム!

粉々にされるバンパイアだが時間と共に肉片から復活するその恐ろしさは計り知れない。

少女の唯一のビーム攻撃は足止めにしかならないのだ。


「お待たせ、リザリー頑張ったわね」


空から舞い降りたのは純白の羽を持つ人物。

胸元を大きく開けているのは服が伸びてしまっているから、まるでエッチな修道服と言うイメージがピッタリの服装をしたその人物は地上へ降り立った。


「エクソシス娘、やっと来た」


金髪のリザリーと呼ばれた少女は振り返りビームを放つが、まるでバリアを張っているかのようにビームは修道服の人物を避けるように飛散する。


「チッ…」

「いきなり何するのよ?!」


ビームの勢いに被っていたフードが外れる。

屈強な肉体にゴツい顔付き、身長は2メートルを大きく越えて胸板の筋肉が今にも張り裂けそうである。

その間もバンパイアは再生を続けるが空から舞い降りたその人物を見てその顔を恐怖に染める。


「バンパイアハンターエクソシス娘?!」

「あら?私を知ってるなんて光栄だわ」


肉体が再生しきっていないにも関わらずバンパイアは逃げ出そうとするが既にバンパイアの周囲は地面から生えてきた植物で囲まれていた。

その光景にバンパイアは顔を絶望に染める。

仲間から聞いていたのだ、不死身のA級バンパイアを土魔法で永久封印するバンパイアハンターの存在を。


「改めて挨拶するわ、バンパイアハンターエクソシス娘よ。そしてさようなら」


背中の純白の羽には白色の魔方陣が描かれておりそれを用いて彼女の土魔法が発動する!

バンパイアの周囲の植物が土でコーティングされバンパイアを閉じ込める。

不死身で最強のA級バンパイアがまた一匹封印されたのだ。









「それじゃいく」

「いいわよー」


リザリーが麺を投下する。

バンパイアの周囲を回るように作られたそれを通って麺は水に流されて下へ行く。

それを箸ですくって出汁に付けて食べるエクソシス娘。


「うまぁ!これやっぱりうまぁ!」

「次は私食べる」


場所を入れ替わりエクソシス娘が投下した麺をリザリーが食べる。

それを目の前で憎そうに睨みながら直立不動でいるバンパイア。

口を開いて何を言っても二人には無視され続けたので何も言わなくなったのだ。


死なない事がこれからもこのバンパイアを苦しめ続けるのだ。

エクソシス娘が行う不死身のバンパイア退治の方法。

バンパイアの弱点と言えば誰でも分かるだろう…

十字架、ニンニク、太陽の光、銀の杭…そして、流れる水!

そう、エクソシス娘が土魔法で造り上げたのはバンパイアの体の周囲を通る流し素麺機であった。

流れた水は一番下で繋げられた空間魔法で一番上へ転移させられ、そこで浄化されて再び流れる永久機関。

しかも途中にゴミを自動回収する仕掛けも施されている。


「しかし、毎回バンパイアを封じたお祝いが流し素麺なのは微妙」

「仕方ないでしょ?!あんたが毎回村毎蒸発させるから!」


この会話からも分かるように二人はバンパイアと共に数々の村を地図から消滅させていた。

素麺を食べ終わった二人はバンパイアに一切の興味を持たずその場を後にする。

彼女の作り出した流し素麺機はバンパイアを封印したまま稼働を半永久的に続ける。

荒野にバンパイア一匹と何故か流し素麺機がセットで置かれている光景が世界に広がり流し素麺が世界中で流行るその日までエクソシス娘は戦い続ける… 





『全く、異世界転生でこんな無茶苦茶なのは初めてだよ…ズズスズ…うまっ?!』


エクソシス娘とリザリーを転生させたこの世界の神は頭を悩ませながら一人流し素麺を堪能する。

死なないバンパイアが人間を滅ぼすまでを長引かせる為に人間を転移させて遊ぶこの世界で、二人の転生者によって神の作ったルールがぶち壊される。

人間の持つ無限の可能性を楽しみながら神は二人を見守るのであった。


「どっかの村で葱と生姜補充しないとね」

流れる水を超えられないバンパイア、つまり流し素麺が弱点?!

ってことで書いてみました(笑)

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